認知症|発生機序~さまざまな仮説~  

 

認知症の原因やその症状に対する治療薬など、今も多くの研究が進行していますが、今回はその発生機序にフォーカスして、現在論じられている、さまざまな仮説についてご紹介します。

 

「アミロイド」仮説

現在、多くの研究者の中で広く受け入れられているのが、この「アミロイド」仮説
アミロイドβ蛋白(Aβ)の前駆体蛋白(APP: amyloid precursor protein)からの分解によって生じるAβが、何らかの要因で脳内に沈着、この過程でタウ蛋白の蓄積、そして神経障害を引き起こし、最終的には神経伝達物質の異常や神経細胞死に至り、認知機能障害やBPSDといった症に影響してくる、という発症機序の仮説です。
また、APPをコードする遺伝子変異を伴った家族性アルツハイマー病(AD)があることも知られています。

「アセチルコリン」仮説

アルツハイマー型認知症では、アセチルコリン系ニューロンに強い変性が認められ、この中核症状にはアセチルコリン系障害が関与すると考えられることから、ドネペジルなどのコリンエステラーゼ阻害薬が臨床使用され、アルツハイマー型認知症の中核症状に対する効果が得られています。
しかしながら、例えば、「対象者の脳内に、アセチルコリンに反応する神経細胞が必ずしも十分量残存していない場合」、また「アセチルコリン作動性ニューロンのみでなく、皮質や海馬の標的部位にも障害がある場合」、さらには、「アセチルコリン作動系以外にも、ドーパミンやセロトニン、グルタミン酸など、さまざまな神経伝達物質の障害もみられる場合」、その他、さまざまなタイプの認知症が併発する「混合型認知症である場合」などなど、発生原因の特定についてはケースバイケースで、その治療効果には個人差も大きいと考えられます。

「NMDA受容体」仮説

アルツハイマー型認知症における記憶障害には、グルタミン酸作動性神経系も関与するといわれています。アルツハイマー型認知症ではシナプス間隙のグルタミン酸濃度が持続的に上昇、グルタミン酸受容体のサブタイプであるNMDA(N-methyl-D-aspartic acid)受容体が持続的に活性化されているため、シナプティックノイズ(持続的な電気シグナル)が発生し、記憶を形成する神経伝達シグナルが阻害されることで、記憶や学習機能が障害されるとされています。
また、NMDA受容体はカルシウムチャンネルと連動しているため、高濃度のグルタミン酸による過剰な興奮が生じると、カルシウムイオンが大量に流入、必要以上に酵素が活性化され、細胞毒素を誘発して細胞死が起こるとも考えられています。
それらを背景として、NMDA受容体を阻害することにより、アルツハイマー型認知症における①記憶・学習機能障害、及び、②神経細胞障害を抑制する、という目的でNMDA受容体遮断薬が開発されました。

 

 

現在、さまざまな治療薬、また発生機序についての研究がなされています。こうした数々の研究が、実際の介護現場や在宅ケアにおいても、何らか有効な手立てとして活用される日が来る将来を、今後も期待していきたいですね。

 

 

 

癒し効果抜群!噂のしっぽクッションとは?

 

親しい人に触れられた時や動物に触れたときに感じる「癒やし」。リラックス効果をもたらすだけではなく、認知症の症状を和らげることにも効果的だとされています。

今回は、「丸いクッションにしっぽがついている」というなんともシンプルなデザインにも関わらず、高い癒し効果が期待されるロボットをご紹介させて頂きます。

 

クッション型セラピーロボット「Qoobo(クーボ)」

※製品の発送は2018 年の秋を予定しています。

 

Qoobo

 

心を癒やす、しっぽクッション。

Qoobo(クーボ)は、しっぽのついたクッション型セラピーロボットです。そっと撫でるとふわふわと、たくさん
撫でるとぶんぶんと、そしてときどき気まぐれに、しっぽを振って応えてくれます。それは、動物のようにあなたを
癒やすコミュニケーション。しっぽセラピーで、癒やしのある毎日がはじまります。

 

 

実は、筆者もロボットの展示会でQooboに触れたことがあります。手触りが良いクッション部分を撫でると、しっぽ部分がまるで感情を持ったように動き出します。表情がないのに、喜んでくれている気がして、ついつい何度も撫でてしまいました。昔、動物を飼っていた方は、懐かしい記憶を思い出すかもしれません。
見ているだけで、思わず触りたくなるしっぽクッション。認知症を抱える高齢の方だけでなく、介護にあたる方の心もきっと癒してくれることでしょう。

 

ポータブルトイレ、どう選ぶ?

 

前回の記事でベッドサイド水洗トイレ(TOTOをご紹介しましたが、実は他にもいろいろと出てきているポータブルトイレ。
選ぶポイントとして、トイレ自体の移動がラクにできる方がよいか、住まい(戸建かマンションか)によって選べる機種が変わってくるのか、はたまた、コスト重視なのか、ご家庭によってさまざまですよね。
今回は前回ご紹介しきれなかった、便利なポータブルトイレをご紹介します。

流せるポータくん3号

介護保険対象

 

水洗ポンプをレンタルできるので、導入費用が安くなり、気になるメンテナンス費用も無料、かつ、不要となった後の無料引取りサービスもあるそうです。
ポータブルトイレとしては導入費が安価にすむ、というのが魅力的ですね。
重量26㎏で、キャスター付きのため、室内のちょっとしたトイレ移動もラクラク
因みに、お家の雰囲気に合わせた家具調のポータブルトイレ「ポータくん2号」もあるそうです。
ホームページに、排水テストの動画が載っているのですが、「皮付きバナナ」をそのまま流したときの排水力の強さにはびっくりしました。

どこでも寄っトイレ

介護保険対象

 

こちらは「設置場所を選ばない」ポータブルトイレ。
つまり、戸建でもマンションでもOK!排水圧送ポンプを近くの配管につなぐだけなので、どんな家屋条件でも設置可能なのだそうです。
最近はマンション暮らしの方も増えてきましたので、そんなご家族にピッタリですね。
他機種に比べ、重量50.88㎏と重いため、頻繁にトイレの場所を移動したい…という方には不向きかもしれませんが、ポータブルトイレとしては低価格になるため、そちらも魅力的です。

 

何をポイントに選ぶか迷ってしまいますが、ご本人の普段の暮らしぶりを、一緒に見守るご家族と一緒に考えながら、選んでみてはいかがでしょうか?介護保険の適用範囲も個人差がありますので、一度、市区町村の窓口、または、地域包括支援センターへ相談されてみてもいいかもしれません。

 

 

 

オランダ・ホフヴェイ(Hogeweyk)に学ぶ、認知症ケア

 

世界的に注目されているオランダの認知症村「ホフヴェイ」。 ホフヴェイのコンセプトは、認知症の方々が「以前と同じような生活の中で暮らす」こと。 現在では152人の認知症である高齢者が住んでおり、居住エリアは23棟、入居者は各ライフスタイルで7カテゴリーに分かれ、1軒に同じような生活史をもつ人が6~8人で生活しているそうです。Hogeweyk ホームページより)

 

■7つのライフスタイルに分かれて生活

  1. 伝統・職人タイプ(配管工や大工など、自分の職業を誇りに思っている職人型。オランダ文化・伝統を重んじて暮らす人)
  2. クリスチャン(キリスト教に深い信仰を持つ人。定期的に教会に通う。)
  3. 文化人タイプ(音楽や芸術を楽しみたい人。劇場、映画、博物館、コンサートに行くのが好き。)
  4. 富裕層(上流階級向けの生活様式)
  5. 家庭的タイプ(家事などを大切にし、家庭的な人)
  6. インドネシア(オランダから独立した直後に移り住んだ、インドネシアにルーツを持つ人)
  7. 都会タイプ(都会的な生活や外出が好きで、カフェやレストランでの食事を楽しむのが好き。)

 

■ケア

職員は全て私服で、入居者の「日常生活」の中でケアを行い、買い物をする場面や家の中、広場や庭園での散歩中なども、そっと入居者を見守っています。

 

■身体活動

あくまで「普通の暮らし」の中での運動を重視しているため、理学療法士による直接の運動指導、運動器具によるエクササイズはあまり行われないそうです。 入居者は家の中で、食事を作り、洗濯や掃除も普通に行い、クラブ活動(計35)にも自由に参加することができ、自然に体を動かすのに一役買っています。

 

■新たな環境への適応

ホフヴェイの施設では、認知症の人が入所するまでに慣れ親しんでいたものと似た環境で自然に生活できるよう、オランダでよく見るレストランや劇場、スーパーマーケット等の典型的な施設内装を採用。 それにより、認知症の人がホフヴェイを「新しい生活の場」と認識することができ、混乱や不安から生じる問題行動が著しく減少する、ということです。

 

 

 

 

個人のライフスタイルが重視されていることや、居住環境についても、見慣れたもの・識別しやすいものが多く、これまでの生活を無理なく、また不安感も少なく、維持していけそうですね。 このように、「自分は理解されている」と思えるよう、各所で配慮がなされているホフヴェイ。日本においても同じような施設の展開は可能なのでしょうか?

 

  • オランダの介護施設:日本と比較し、高い保険給付に運営面が支えられている点
  • ホフヴェイは、オランダ国内の介護施設と比較し、専門スタッフを出来るだけ減らし設備に投資していますが、これも、オランダ国内では一般的な 「ボランティア」の力に頼ることで、人件費削減・ケアの質の維持を両立できている点

 

などなど、日本で展開・普及させるには難しい面もありそうです。 しかしながら、認知症の方が今までと同じように、「社会における普通の生活」を送ることを全力でサポートする、ホフヴェイの理念や運営方法からは、日本でのケアの在り方においても、学ぶべき点、改めて考えさせられる点が、非常に多くあるように思います。

 

認知症になったとしても、自然な暮らしを営みたい。そんな願いが叶う日も、もしかするとそう遠くないのでは…と、希望の光が見えたような、オランダ・ホフヴェイのケアの在り方についてお伝えしました。

 

 

みまもり不安感の軽減に!シルエットでみまもる介護ロボット

 

高齢者にとって重大な問題となる高齢者の転倒・転落事故。転倒・転落による骨折が、活動の制限や寝たきりにつながるケースもあります。
しかし、介護者にとって、離れた部屋にいる高齢者の様子を把握することはとても難しいことです。不安が募り、つい何度も部屋を訪れたくなりますが、ご本人の眠りを妨げてしまったり、プライバシー等の観点から、お互いのストレスになりかねません。
そんな時、離れていてもご本人のプライバシーに配慮しながら見守りが出来るロボットがあれば便利ですよね。今回はそんな便利なロボットをご紹介いたします。

シルエット見守りセンサ(WOS-114N)

高齢者の様子をシルエット画像で確認、介護ロボットの見守り支援分野で活躍するセンサです。ベッドからの「起き上がり/はみ出し/離床」を区別して正確にお知らせします。お知らせ内容に応じた対応が可能です。

見守り対象の方のプライバシーを保護するため、シルエット画像で状況を確認します。夜間の照明が消灯している居室でも確実に状況を確認することができます。

居室から離れていてもシルエット画像でご利用者の状況を確認。居室に入室する必要がなく、介護する方/介護される方、双方の負担を軽減します。

 

実際に使用している方からは、「立ち上がる前に駆けつけることができ、早めの対応ができている」「部屋の中での行動が把握できるため、安心感につながる。」という声が挙がっています。
介護する側も、介護される側も、安心で負担のない介護を。そんな思いが感じられるロボットですね。

 

 

 

加齢や認知症における視覚と色覚

 

冷静になりたいときは青い色、やる気を出すときはビタミンカラー・・・など、「色」は私達の気持ちに影響を与えるとよく言われます。認知症の方にとっても、「色」は大事な要素です。
認知症の方は色からどのような影響を受け、どのような空間が居心地がよいのでしょうか。

加齢と視覚

加齢によって視覚は変化します。 一般的に視力の低下は40代頃から目立ち始め、徐々に暗順応が遅くなる、視野の範囲が狭くなる、視覚処理の速度が遅くなるなどの変化がみられます。 また、色を見分ける錐体細胞(網膜にある視細胞)の感度低下や、水晶体黄変などにより、寒色系の色の見分けがしづらくなるといわれています。

 

さらに、2017年に公益社団法人 色彩検定協会が行った実態調査では、これらの色覚変化に対する高齢者自身の自覚が、年齢を重ねる毎に低下していくことがわかりました。 しかし、本人が「色の見えづらさはない」と感じているのに対して、「色の見えづらさ」や「色の見間違い」の具体的エピソードを読むと、信号機の青矢印の見えにくさ靴下の紺・黒色の違いの分かりにくさなど、高齢者は日常生活で少なからず色の見分けにくさを経験していることが、調査結果より推察されます。

 

 

 

認知症と色覚

それでは、認知症の方の色覚はどのように変化するのでしょうか? 認知症の方は環境の変化に敏感なため、様々な色が満ちている場所では落ち着かないことが多いといわれます。 よく過ごす場所では必要なもののみに色を付け、他はベージュ等ナチュラルな落ち着いた色合いにして、多くの色を使いすぎないようにするとよいでしょう。 2つのものがある場合、コントラストを付ける とわかりやすくなります(例えば、ごはん茶碗を濃い色のものにすると、白いお米を見やすくなって自分で食べられるようになる、など)。

 

加齢に伴って、視覚能力低下への本人の自覚が低くなっていく、という調査結果も踏まえながら、身の回りの物を選ぶとき、色使いの工夫にも気にかけてみると、認知症の方にとって、落ち着いて過ごしやすい空間づくりにつながるかもしれません。

 

 

 

<認知症 Cafést online 内関連記事>

 

 

業界初!介護保険レンタル適用・映像見守りシステム「パルモケアシステム」

 

「介護保険レンタル可能」な業界初・映像見守りシステム

 

ご自身の不在時や外出時、認知症のご家族をどう見守ったらいいだろう、と悩んだことはありませんか?
不在時にもし何かあったら、と不安に感じられることもあるかと思います。
世の中にさまざま出てきている福祉機器ですが、高額なものは購入するにも、なかなか踏み切れないのが実情ですよね。
そこで、今回はこの、「介護保険レンタル可能」な業界初・映像見守りシステムをご紹介したいと思います。

パルモケアシステム

 

※ iSEEDホームページより参照

 

 

パルモケアでできることって?

 

  1. (例えば…)ベッド下に置いたマットセンサーが踏まれたとき
  2. 無線でパルモケアに通知
  3. パルモケアは、ご家族や介護者のスマホやタブレットに通知
    ※ご自宅にインターネット環境が必要
    ※通知を受けるスマホはAndroid
  4. 遠隔で通知画面を操作し、パルモケアのカメラを起動、映像でご家族の様子を見ることができます。
  5. 遠隔からカメラを回転させたりして、映像を見ながら、直接声をかけることができます。

 

 

このパルモケア本体と、各種センサーとを組み合わせ、「おきるコール」「ふむコール」「サイドコール」など、さまざまな動きを検知できるそうで、それぞれ介護保険レンタル対象となっていますので、要チェックですね。

 

ちょっとしたお買い物をしたいときや、離れたご家族の見守りなど、これまでの不安や心配事を軽減してくれそうなアイテム。
しかも、パルモケアを通して直接声をかけることができるのは、聞き慣れた家族の声を耳にするご本人にとっても、そして見守るご家族も、とても安心できますよね。
使ってみたい機能は、ご本人やご家庭の事情でちがってくるかと思いますので、気になったものを、一度レンタルで試してみる、というのも良いかもしれません。

 

詳しくは iSEEDのホームページへ↓↓↓

 

 

認知症予防に効く!?マインド食

 

みなさん、マインド食(マインドダイエット)ってご存知ですか? シカゴのラッシュ大学メディカルセンターの研究者らが、アルツハイマー病の発症リスクを低下させるとして発表した食事法で、日本でもよく知られている地中海式食事法(Mediterranean diet)と、アメリカ国立衛生研究所で考案された DASH(高血圧改善のための食事法アプローチ)の2つを組み合わせた食事法のことです。

 

※MIND(Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay)diet
※DASH(Dietary Approaches to Stop Hypertension)
※ここでいう「ダイエット」は「食事法」を指します。

 

ひところ話題になっていましたが、いま改めて着目してみたいと思います。

 

地中海式食事法とDASH。細かな違いはあるものの(塩分、総脂肪量、カルシウム、オメガ3、飲酒量等の推奨摂取量など)、どちらも食物繊維・ビタミン・ミネラルが豊富で、飽和脂肪酸が低く、ヘルシーな食事法です。この2つを組み合わせた「MIND diet」=マインド食なるものが、認知症を予防する!?というのです。

 

食事法としてはシンプルで、10種類の健康に良い食品を積極的にとり、5種類の健康に悪い食品をなるべく避けるというものです。

 

 

※上記の表:Morris MC, Tangney CC, Wang Y, Sacks FM, Bennett DA, Aggarwal NT. et al. MIND Diet Associated with Reduced Incidence of Alzheimer’s Disease. Alzheimers Dement. 2015 Sep;11(9): 1007–1014.の図表を参照し作成。

 

 

 

脂質の多いものは避け(揚げ物も少なく)、また動物性脂肪には動脈硬化などを進展させる可能性のある飽和脂肪酸も多く含まれるため、同じく避ける傾向にあると考えられます。基本的には回数カウントのみで、量の指定がほぼないため、普段からバランスよく食べている方には、非常に取り組みやすそうな食事法ですよね。

 

ラッシュ大学の研究では、923名(58~98歳)を対象に、このMIND食の実施度合を4.5年間追跡、①~③群に分けて比較しました。

  1. 厳密に行った人(スコア8.5~12.5)
  2. 適度に行った人(スコア7.0~8.0)
  3. 厳密に行わなかった人(スコア2.5~6.5) 

※スコア:各食品の摂取頻度によって、獲得点数が0点、0.5点、1点と変わり、総合点数は15点満点。

 

その結果、アルツハイマー病に発展するリスクについて、MIND食を

  1. 厳密に実施した人は53%も低下
  2. 適度に行った人でも35%低下した

との結果が得られました。

 

また、MIND食を厳密に実施した人は、厳密に行わなかった人に比べ、7.5年も若くなるのと同じくらい、認知機能の低下が遅延することも示唆されました。

 

さらに、「地中海式食事法」と「DASH」についても、それぞれのスコアに応じ、同様に1.~3. 群に分けて比較したところ、アルツハイマー病の発症リスクは

1. 厳密に実施した人のみ 「地中海式食事法」は54%、「DASH」は39%低下した

という結果が得られました(2. 3. の群では低下効果はほぼ得られず)。

 

これらを踏まえて、食事法を「適度に」行った2. の人であっても、アルツハイマー病発症リスク低下が示唆されたMIND食に、改めて注目したいところです。

 

日本食をベースに考えると、継続が難しそうな食品もありますが、「適度」な実施でも、認知症への効果が期待できるかもしれないとの研究結果から、続けられそうな食品を今の食事にプラスして食べることで、ある程度のスコアが獲得出来そうなのは嬉しいですよね。

 

 

 

 

因みに、MIND食の面白い特徴で、10種類の推奨食品のうち、果物で唯一ランクインしているのが「ベリー」。 本研究の筆頭研究者であるモリス教授は、脳の保護という観点で、有用な可能性のあるベリーの一つとして『ブルーベリー』、また過去の研究において認知機能に対する効果が示唆されている『イチゴ』もよい、とも言及しています。

 

もちろん、何か一つの食品だけを摂取して機能するものはありませんし、まずは食事としてのトータルバランスが大切になってきますが、このように、推奨食品に「美味しい」ものが含まれているというのは、継続するにあたってもモチベーションにつながりますよね。 時期によってはエンゲル係数が上がりそうな気がする点はさておき、何だかMIND食に取り組むのが楽しくなりそうです。

 

他疾患に起因する認知症もありますが、特に高齢になってからの認知症については、その食生活が大きく関わってくるとされています。 また、日本で認知症を引き起こす疾患のうち、6割以上がアルツハイマー病とされていることからも、これを機に、厳密?、はたまた、適度に?、トライしてみたくなった、改めて注目の「MIND食」についてお伝えしました。

 

 

 

 

シリーズ「介護のプロが語る認知症ケア」第4回 ~認知症ケア推進課の今後の展望と目標~

 

シリーズ第3回では、セントケア 認知症ケア推進課・中村さんの、認知症ケアに関するエピソードをご紹介しました。

今回は、認知症ケア推進課の今後の展望と目標についてお伝えしたいと思います。

 

【認知症ケア推進課として、今後の展望や目標を教えてください。】

 

1つ目は、スタッフの「見る力」「考える力」の向上です。
認知症の方の行動に関して、「何故このような行動をしているのだろう?」と常に考えることができるスタッフを育成していきたいと思っています。
認知症の方の行動・心理症状(BPSD)は、認知機能の低下により本当の気持ちや意味を上手く伝えられないことで表れるため、その方の行動から気持ちを感じ取ることが重要です。

 

その症状を「認知症だから」で終わらせるのではなく、真意を感じ取り、適切な対応をすることができるスタッフがもっと増えれば、お客様の幸せ、ご家族の喜び、スタッフの成長に繋がると思っています。
また、お客様の状態を観察し、収集した情報から課題を分析し、解決方法を見出すことが出来るスタッフをより増やしていくことも来期以降の課題です。

 

 

(認知症ケア推進課の中村さん。シリーズ4回にわたり、始終穏やかに、そして優しいまなざしで、自分たちのサービスの在り方、お客様への思いをお話下さいました。)

2つ目は、「家族支援」です。
ご家族の声で多いのは、『正しいケアのやり方が分からないからアドバイスが欲しい』『周囲の親戚や、ご近所の反応、対応で孤独感や孤立感を感じる』『家族の心のケアをして欲しい』といった内容です。

これらの声を受け、今後、認知症に関する情報をご家族だけでなく、地域へ向けても発信していくことで、認知症への理解を深めてもらい、地域全体でご家族を支えられるような流れをつくっていきたいと思います。
また、セントケアの現場力を高めることで、ご家族が安心して介護を任せることができ、その間だけでも、休憩したり、息抜きしたりしてもらうことで、在宅介護を継続できるようサポートしていきたいです。

 

 

【インタビューを終えて】

今回のインタビューでは、認知症ケアについてセントケアがどのような取り組みを行っているのか、また、認知症ケアのポイントや、認知症ケア推進課の中村さんの思いを伺うことができました。
目指す認知症ケアは「人中心のケア」。
「認知症だから」とひとくくりにするのではなく、目の前の「人」が何を感じているのか、どうすれば安心して生活できるのか、その人の生活の質の向上を目指していきたいという思いが強く感じられました。
安心して生活していただくために、「心」に寄り添う。そのためにその「心」を理解することの大切さ。
お客様・ご家族・地域の方々に寄り添うケアを実践していけるよう、日々努力しようとする、介護現場の素顔、が見えた気がします。

 

元気と癒しを届ける!コミュニケーションパートナー

 

自分の家族には、いつまでも元気でいて欲しいものですよね。でも、年齢を重ねるにつれて、周囲とのコミュニケーションの機会が減り、元気がないように見えたり、寂しそうにしていたりする場面を見かけることはないでしょうか?
コミュニケーションによる効果は、発話量の増加や認知症予防、ストレス発散など、計り知れません。そこで、今回は、コミュニケーションを通じて元気と癒しをお届けする、介護ロボットをご紹介します。

 

いっしょに笑おう!うなずきかぼちゃん

 

話しかけると、言葉が途切れたことを認識しタイミングよくうなずきながらコミュニケーションをとります。
話しかける声や各種のセンサー・スイッチに反応して様々なおしゃべりをします。
季節や時間に合わせたおしゃべりや季節の歌で、季節感や時間を感じ取れます。

 

また、大阪市立大学大学院と共同で、一人暮らしの女性高齢者を対象に、2か月間うなずきかぼちゃんと生活を共にする実証試験を行った結果、
かぼちゃんと生活した2か月後には

  1. 認知機能検査(MMSE)のスコアが約1.5ポイント増加
    ※MMSE(Mini-Mental State Examination):国際的に最も広く用いられている認知機能検査。
    見当識、記憶力、計算力、言語的能力、図形的能力(空間認知)などを評価するテストです。
  2. 唾液コルチゾール値が低下
    ※唾液コルチゾール値:ストレスの程度を評価する値

という結果が得られたようです。

 

元気と癒しを届けるのみならず、認知機能の改善やストレス軽減にも効果を発揮するかぼちゃん。他にも様々な可能性を秘めていそうですね。
高齢の方にとって、子ども姿のかぼちゃんはお孫さんのように感じられるかもしれません。
きっと良いパートナーになってくれることでしょう。

 

 

かわいい「うなずきかぼちゃん」を見てみたい!と思った方は、ピップRT㈱のホームページへ↓↓↓

 

<参照元>

ピップRT株式会社 いっしょに笑おう!うなずきかぼちゃん

 

気持ちに寄り添う排泄ケア|ベッドサイド水洗トイレ

 

※「介護保険 特定福祉用具購入」対象(腰掛け便座)

 

トイレまで移動しなくても、寝室などで排泄ができる「ポータブルトイレ」。
自宅のトイレまでの移動が困難な方、歩行が不安定な方などに使用されます。
とても便利なポータブルトイレですが、多くの場合は介護者が排泄後の処理を行います。そのため、介護者の負担に加えて、介護される方の羞恥心などにつながる恐れもあります。
そこで、今回ご紹介するのは、水洗なのに持ち運べてしまうトイレ
これまでのポータブルトイレでは改善できなかった課題を解決してくれることが期待されます。

 

ベッドサイド水洗トイレ

 

TOTOの「ベッドサイド水洗トイレ」は、 ベッドのそばに設置できるトイレです。

 

家族や介助者に対する気遣いを軽減:人の手を借りずに用が足せるため、誰にも気がねがいりません。

 

ポータブルトイレのバケツによる排せつ物処理が不要:水洗トイレなので、使用後の後始末が不要です。においが残りにくく、脱臭機能も付いています。

 

移動負荷の軽減:ベッドのすぐそばに設置できるため、ご本人もラクに移動できます。

 

ADL低下防止:「自力でトイレをしたい」といった前向きな気持ちになり、日常生活動作(ADL)の維持・向上が期待されます。

 

介助の負担緩和:トイレの移動など、介助者の負担が緩和されます。

 

 

また、「ベッドサイド水洗トイレ」本体うしろにはキャスターが付いていることと、電源コード・給水・排水ホースが2.5mもあるということで、ちょっとした移動も自由自在!後付け工事が簡単にできるというのも魅力です。
夜間を含めた毎日のトイレ付き添いによる負担感、また、日々の転倒への不安感。
ご本人はもちろん、介護者も含めて、心身の負担を軽減してくれそうな商品ですね。

 

排泄は非常にデリケートな行為です。そんな排泄に関わるケアだからこそ、福祉用具をうまく活用してみたらいかがでしょうか?
介護される方の気持ちに寄り添ったケアに、一歩近づくことができるかもしれません。

 

 

<参照元>

TOTO株式会社

 

ブックレビュー|認知症になった家族との暮らしかた

 

認知症の書籍って山のようにあり、文字を見るだけで思わず「うっ…」となってしまいませんか?
そんなときにはこの本を!
本全体の体裁も含め、マンガのイラストがとてもかわいく、全編を通して具体的なショートストーリーを交えながらの構成となり、兎にも角にも読みやすい

筆者、一気に読み終えてしまいました。

書籍紹介 『 よくある「困りごと」への対応がわかる 認知症になった家族との暮らしかた

 

出版:ナツメ社、監修:公益社団法人 認知症の人と家族の会

 

 

 

 

 

認知症の原因や症状などの「カタイ」導入説明から入るのではなく、目の前にいるご本人の具体的な状況・症状・ケア方法にフォーカスしており、時期別の認知症の進み方、またそれに応じたご本人との向き合い方が、本当に分かりやすく書かれています。

 

出版の協力著者である花俣さん(「認知症の人と家族の会」副代表理事)ですが、ご自身の長年にわたる介護経験と、介護現場での豊富なご経験から、介護者の持つケアの悩み・困ったときの対処法などが、とても具体的で、「なるほど、こうすれば解決の糸口になるかもしれない」と思えるような紹介ケースが多く、本当に「ご本人にも、ケアする側の立場にも立った本」でした。

 

もちろん、認知症の基礎知識や、介護に関わる公的支援の利用方法などのコーナーもしっかりと設けてあります。
読み物として、情報量・内容が豊富でありながらも、可愛いマンガ構成で分かりやすく&読みやすいため、
現在認知症に向き合っていらっしゃる方には → 症状別の対応・ケアのお困り事があったときの、いつでも振り返られる“参考書”として
そうでない方には → 将来ご家族やご自身に認知症の症状があらわれたときの“準備書”として
非常におすすめです!

 

 

【余談】

 

筆者自身は、認知症だった祖母や介護をしていた母の背中に思いをはせ、当時、「認知症」という症状、また本人の状態をもう少し理解した上で、あのとき、祖母や母に、こうやって接してあげられたら良かっただろうか、こんな言葉をかけてゆっくり話をすれば良かった…と、非常に感じることの多い書籍となりました。

 

先日ご縁あって、花俣さんに実際にお会いできたのですが、とっても明るくチャーミングな女性、というのが非常に印象深く、とても楽しくお話をさせて頂きました。そんな花俣さんのニッコリ笑顔を思い浮かべて、またこの本を読み返すと、何だかじーんと感じ入ってしまう筆者なのでした。

 

 

認知症であってもそうでなくても、「人と人との関わり方」として大切なものは何か、を考えたとき、とても重要で不可欠なエッセンスがたくさん散りばめられ、認知症に向き合っている方だけでなく、本当に色々な層の方に見て頂きたい衝動に駆られた、筆者「おススメ」の1冊です!

 

 

因みに!花俣さんは認知症に関するブログもされているそうです。

コチラ↓↓↓
福祉の街「学べる認知症」
ブログはもちろん、今回ご紹介した書籍も、是非、書店でお手に取ってご覧いただければと思います。