アロマで認知症予防

 

 

こんにちは、本日は認知症Cafest Online編集スタッフのKがお届けします!

アロマテラピーが認知症予防に繋がるとのニュースがありました。

 

介護施設などでもアロマテラピーによる認知症ケアを行っている所もありますが、『匂い』『香り』によって認知症の症状を軽減できるとの事です。

以前から、アロマテラピーが環境や周囲との関わりの中で、感情的な反応や行動上の反応が症状として発現する周辺症状に効果があるとの話を聞いたことがありますが、
実は、周辺症状だけではなく認知機能が低下したことで直接発現する中核症状にも効果があるとの研究報告があるそうです。
特に中核症状の見当識に関して効果がみられたそうです。

アメリカの論文では、「アルツハイマー病において、記憶が障害される前に嗅覚が障害される」と論文を発表した医師がいました。

 

この論文では、アルツハイマー病の方14名、軽度認知障害の方8名、健康な方8名の嗅覚機能を検査した所、アルツハイマー病の方14名のうち12名、軽度認知障害の方8名のうち7名に嗅覚障害が認められたそうです。

(論文:https://ajp.psychiatryonline.org/doi/abs/10.1176/appi.ajp.160.11.1995

実際に特別養護老人ホームでの実証でも効果がみられたとの報告もありました。

公益社団法人 日本アロマ環境協会よりhttps://www.aromakankyo.or.jp/basics/literature/new/vol11.php

 

香りによるリラックス効果や集中力向上など、様々な効果が期待できるようですね。

今後も、この取り組みに関して追っていきたいと思います。

 

 

密着!「認知症と向き合う介護現場から」第5回

初出:2018年8月30日|最終更新:2020年9月3日

 

 

一か月にわたり、セントケアグループホーム鵠沼(以下、ホーム鵠沼)
の所長(注:初出日時点での肩書)の井藤知美さんへのインタビューを連載してきました。

今回(第5回)がいよいよ最終回となります。

 

 

キーワードは地域との関わりです。

 

Q.地域についての考えをお聞かせください。

 

「スタッフにはここが人が集まる場所にしようって発信を続けています。気軽に相談したい、あの人に会いたいと思って来てもらえる場所にしようと。」

 

「そういう場所にするためにやはりここにいるお客様に幸せだと思ってもらえて、スタッフもここでの仕事に生きがいを感じられて…。それが出来たときに自然に人が集まってくると思います。」

 

「皆さん必要とされたいと思っているんです。自分の存在意義と言いますか、人として人から認められたいと。
誰かの役に立っていると思えると自分の存在意義を感じることができるのと同じです。
お客様たちはもともと地域の方々です。お客様には、(ご自分が)地域に必要とされているということを感じていただきですし、スタッフにもそう感じてほしいです。そして、ホーム鵠沼が地域から必要とされているんだと感じてもらいたい。そのために、(ホームが)置き去りにされたり、忘れ去られないようにしたいと思います。」

 

Q.地域についてそう考えるようになったきっかけについて教えてください。

 

「『地域に出て行かなければ』と思ったのは、会社の研修で話を聞いたきたことがきっかけでした。はじめは、『地域包括?』、『うわーっ』と思うわけですよ。地域に発信と言うけれど、どうすればいいのだろうと思って。在宅のサービスであればそれがやりやすいと思うのですが、グループホームは、その中で完結しようと思えば完結できてしまいますので。」

 

「その狭い世界しか知らなかった私はどうやって地域へ出ていけばいいのかと思ってしまったのですが、だんだんとグループホームが生き残っていくために、地域から必要だと思っていただかなくてはと考えるようになりました。自分たちが認知症ケアのプロの集団だという意識をきちんと持って、認知症の方々と一緒に過ごせるまちづくりを、自分たちから発信していかなくてはと思うようになりました。」

 

「藤沢市はそういう意識が高いと思います。会社が組んでくれて、先進事例があるということで『あおいけあ(注:藤沢市の高齢者向け介護福祉サービス。小規模多機能型居宅介護・デイサービス・グループホームを展開している)の見学へ行きました。
地域に溶け込む感じはこれだなと思いました。」

Q.「あおいけあ」の見学で学んできた地域に溶け込む感じについて教えてください。

 

「通りがかりの小学生とかが普通にふらりと寄って中にいて、『あれっ、この子なんでいるの?』みたいなことがあって。どの方が利用者さんでどの方がスタッフかも分からない。スタッフでも利用者でもないけど、なんだかいる方もいらして。」

 

「(視察に行った際)ご利用者のみなさん、(建物の)中にはいらっしゃらなかったんですけど、畑にじゃがいもを取りに行っていると聞きました。そのじゃがいもを取って、そのじゃがいもでコロッケをつくって、収益をあげて、そのお金でみんなで温泉に行くんだと言ってました。だから、温泉に行くために今じゃがいもを取りに行っているのですね。それを聞いて、何か生きるってこういうことだなって思ったんですよね。」

 

「昔、駄菓子屋だったという利用者さんが『あおいけあ』でも駄菓子屋をやられていました。(認知機能の低下により)計算はできなくなられているそうですが、(代わりに)買いに来た子供たちが自分たちで計算していました。
こうして、自然と人が集まる仕組みがつくられていて、そういうのがすごくいいなと思ったのです。」

Q.良い実践の事例から刺激を受けたのですね?

 

「はい。認知症の方への関わりにはちょっとしたコツというか、そういうのがあって、ちょっとの助けがあれば、自宅で生活ができる方、地域にたくさんいらっしゃると思うんです。あの人認知症かなって、もしかして道に迷っておられるのかなって、そういう方がきっといらっしゃると思います。
そのような方に介護職の人でないと関われないのではなくて、介護職ではなく、街に住んでいる普通の小学生とかがお手伝いできるようなまちになっていかなければならないと思います。私たちからも、そのまちづくりにつながる取り組みをしてければと思っています。」

編集スタッフのコメント

数年前から交通事業者が「声かけ・サポート運動」を実施していて、駅構内でポスターを見かけます。
そこでは、「『お手伝いしましょうか』お声かけ自体がサポートです」、「『大丈夫ですか』お困りの方にはひと言を」、「お困りの外国人には『May I help you?』のひと声を」と例が示されています。
認知症の方にどう声をかければよいでしょうか。困っているけれど、どういうことで困っているかがご自分で整理できず、うまく伝えることもできないと聞くと、難しく感じられるかもしれませんが、井藤さんが言われるようにちょっとしたコツ、ちょっとした一歩と思います。
認知症と向き合う介護現場からそういうノウハウを発信できたら良いと思います。

 

 

<参考>

記事の中で出てくる、井藤さんが見学に行かれた「あおいけあ」のホームページです。
株式会社あおいけあ

密着!「認知症と向き合う介護現場から」(全5回)残りの回へのリンク

 

 

アメリカ発の音楽による認知症ケアについて

 

こんにちは、認知症Cafést online編集スタッフのSがお届けします。

 

アメリカ発の音楽による認知症ケアの取り組みを紹介します。

 

ダン・コーエンさんが2006年にiPodを活用して、アルツハイマー病やその他の認知症の方々のひとりひとりに思い入れのある楽曲を提供したら良いのではないかと思いついて取り組み、効果が見られたことがきっかけになり、2010年に、彼を役員とし、このことに専門的に取り組む Music & MemoryというNPOが設立されました。

この団体の取り組みは2012年にドキュメント映像が作成され、反響を呼び、2014年に『Alive Inside』(日本語版は『パーソナルソング』)というタイトルで映画化されました。

反響を呼んだドキュメント映像はこちらです。

 

この団体のHPで次のようにミッションが書かれています。

We train nursing home staff and other elder care professionals, as well as family caregivers,
how to create and provide personalized playlists using iPods/MP3 Players and related digital
audio systems
that enable those struggling with Alzheimer’s, dementia and other cognitive and
physical challenges to reconnect with the world through music-triggered memories.

(引用者が一部を強調した。)

 

大事と思う点は3点です。

  1. 一人ひとりに個別に曲目リストを用意していること。
     つまり個別ケアであること。(provide personalized playlists)
  2. iPodという機器を用いていること。(using iPods)
  3. 音楽により記憶を活性化させてその人を世界につなぐという考えを謳っていること。
    (reconnect with the world through music-triggerd memories)

 

編集スタッフSも、2006年より長く介護現場で働いてきました。近年は機器の恩恵を感じております。
YouTubeは便利と思いました。懐メロを探し出してその場で聞いて皆で楽しむことができます。
皆で楽しむことが難しい方でも、個別に時間を割いて心を砕いて関われば心を世界につなぐことが
できる方については、iPodではないですが、iPadは便利と思いました。その方のそばで会話をしながら
iPadを操作するのは、その人の心が活性化する音楽を一緒に探り当てていく時間でした。

 

『毎日がアルツハイマー ザ・ファイナル~最後に死ぬ時。』公開記念イベントのため来日された
認知症ケアの第一人者、英国ハマートンコート認知症ケア・アカデミー施設長のヒューゴ・デ・ウァール氏は
そのような関わり方をdetective(探偵)と呼びました。介護は古今東西の知や文化、芸能を結集して
心の中に埋もれた鉱脈を掘り出すという面がありますね。VRや感覚拡張デバイスなどテクノロジーの
進展が介護者とともに要介護者や認知症者のどんな鉱脈を掘り出していけるのか注目しています。

 

 

 

 

認知症の危険度ナンバーワンは教師?

 

 

 

こんにちは、本日は認知症Cafést Online編集スタッフのMがお届けします。

 

医者の間では常識だった…大調査「かかりやすい病気」は職業で決まる/a>という記事を目にしました。

 

この記事では、湘南長寿園病院院長のフレディ松川氏が以下のような解説をしています。

 

「認知症の相談に来る患者さんの現役時代の職業で圧倒的に多かったのが教師地方公務員であり、
これらに共通しているのが、同じ仕事の繰り返しが多いということ。」

 

また、別のドクターは教師という職業のストレスの多さを指摘しています。

 

認知症になる原因に『ストレス』があり、教師は極度のストレスがかかる生活を送っている。
保護者に突き上げられ、日常の授業に加えて部活動も押し付けられる。極度のストレスが長期にわたって
かかり続けた末に、定年になると燃え尽きてしまい、認知症を発症する。」

 

いずれにせよ、認知症の根治薬は未だ開発されていない現在においては、
先ずは認知症に関することに関心を持つこと、「知る」ことが大切だと思っています。
認知症のこと、MCIのこと、認知機能低下のリスク要因はどんなものがあるのか、
日常生活ではどんなところに気を付ければよいのか・・・等。

 

 

今回の記事のように、職業による認知症罹患率の差があるというのであれば、
そのような職業の方には特に認知症に関心を持ってもらい、認知機能低下のリスク要因を知ってもらい、
少しの行動変容に繋げることができれば未来は大きく変わってくるかなとも思っています。

 

 

 

密着!「認知症と向き合う介護現場から」第4回

初出:2018年8月23日|最終更新:2020年6月8日

 

 

セントケアホーム鵠沼(以下、ホーム鵠沼)の所長(注:初出日時点での肩書)
井藤知美さんへのインタビュー記事の第4回目(全5回)です。

 

 

今回のキーワードは共感的な関わりです。

 

 

ホーム鵠沼の所長の井藤さん(左)と計画作成担当者の兼平さん(右)
注:肩書は初出日時点のものになります。

 

 

介護現場では、認知機能が低下して物忘れが進み、同じことを繰り返し言われるお客様とお話をすることがあります。
井藤さんが紹介されたのは「夕ご飯を食べていない」と繰り返して言うお客様の事例です。
井藤さんと、井藤さんが信頼を寄せる計画作成担当者の兼平さんの語りを見てみましょう。

「夕ご飯を食べていない」と繰り返すお客様の事例

井藤さんの語り① 理解が足りないスタッフだと説得をしてしまう

「つい先日だと、1時間前に夕ご飯を食べられたのに、『どうしよう、夕ご飯を食べていないのよ、あなた食べた?』と言われて。そこを、認知症への理解が足りないスタッフだと『食べましたよ』と説得をしようとしてしまうんですよね。『ほらみて。今日のメニューはこれとこれとこれで、さっき食べたじゃないっ』と言ってしまうんです。」

 

「だけどご本人の中ではそこがスポッと抜けている(覚えていない)わけですから、『食べていないのにこの人(スタッフ)は何を言っているんだ』ときょとんとされてしまいます。」

井藤さんの語り② 食べていないところに共感

「だから、食べていないところに共感して、『そうか、私も食べていないんですよ』という共感から入り、『明日の朝ごはんは早めに作ってもらいましょうね』とできるだけ未来につなげたり、別の話をしたりして。ごまかすというわけではなくて、ちょっとずつ話をずらして、どこかで糸口をつかんだら、そこから話をすりかえたりします。先日は前やっていたお仕事の話にすりかわっていきました。」

井藤さんの語り③ 何かが満たされていないのでは?

「おなかが空いたから『夕ご飯を食べていない』と言っているわけではないと私は思っています。何かが満たされていないのが食につながっているんですよね。その満たされていないものは何かなと考えます。必要とされている自分であったり、輝いている自分であったりの話をすることで、幸せな気持ちになられて、寂しさが解消されて、話を聞いてもらえたと感じていただけると、食べ物のことはちょっと忘れられたりするんですよね。」

兼平さんの語り

「(夕ご飯を食べていないと言われるのは)時間的なこともあると思います。遅くなればお部屋の方に戻られますので。」

 

「夜だけではないんです。朝も昼も食べていないと言われるんですけど、ただ、朝や昼は(手持ち無沙汰の)時間が短いですし、いろいろとやることが日中はあります。でも、どうしても夜ごはんは(午後の)6時半から7時の間に終わってしまいますので、やっぱり寝るには早すぎるし、どうしても落ち着かなくなられて、フロアとお部屋を行ったり来たりしている間に、『あれっまだこんな時間だけど、私まだ、ごはん食べてないわよね』ということになるんだと思います。」

Q.共感を持って関わっているのですね?

井藤さんの語り

「はい。でも、それ(繰り返し同じことを言う)がずっと続くわけではないんですよね。それが何年も続くわけではなくて、出てくる症状は次から次へと変わっていくので、スタッフもむしろ今のこの期間を楽しめたらいいなと思います。今日はどの話題で乗り切るかみたいな感じで考えてもらえたら…。(そう考えることは)ほんとうはよくないことかもしれないんですけど、でも、認知症の方々との日々をスタッフも楽しんでくれたらいいなって。」

 

「そういうのを見てくれたスタッフが、ああいう対応をするんだなって感じてくれたら良いですね。でも、ベテランさんがやったことは新人が同じことをやって通用するかと言ってもそうではないんです。スタッフには、いろんなことを試して自分の引き出しを増やしてほしいなと思います。」

編集スタッフのコメント

同じことを繰り返し言う方に対して、ごまかすのではなく、共感的に関わり、しかもそのプロセスを日々楽しむと言えるのは素敵なことですね。

 

いよいよ次回が最終回になります。

 

 

腰痛予防に関して

 

こんにちは、本日は認知症Cafést Online編集スタッフのKがお届けします!

 

本日は、腰痛予防対策に関してお伝えいたします。

 

 

平成25年に厚生労働省の発表によると、ここ10年間の腰痛発生件数が約2.7倍に増加しているとの報告がありました。

介護現場での腰痛発生状況はとても深刻と言えます。
平成23年に発生した休業4日以上の腰痛に関して、保健衛生業(社会福祉施設、医療保健業、その他の保健衛生業)は全体の26.6%にもなることが分かります。

特に、社会福祉施設での腰痛発生の主な原因としては、入浴介助時、移乗介護時が挙げられるそうです。

腰痛に関しての問題は施設に限らず、ご自宅で介護をされているご家族、介護スタッフなども多くみられます。

 

海外では、介助を行う際に持ち上げを禁止するような施策も多く行われており、
移乗・移動分野の機器がたくさん開発されてきています。

日本国内でも、腰痛予防に関しての取り組みが少しずつ進められており、
介護現場での移乗・移動機器の導入なども広がりを見せています。
腰痛予防の取り組みを進めることは、介護に携わるスタッフの離職予防にも繋がります。

介護する側が体を壊さない様な仕組みづくりを行う事をみんなで考えていく事が重要です。

今後も、この取り組みに関して追っていきたいと思います。

 

 

 

☆☆イベント情報☆☆

 

 

こんにちは、認知症Cafest Onlineイベント情報担当スタッフのKです。

ここでは地域での認知症関連のイベント情報をご案内します。

今回は『ご近所サロン オレンジカフェ』のご案内です。

ご近所サロン オレンジカフェ

 

開催日:8月23日(水) 14時~15時30分

 

場所:あすなろホーム庄和

 

埼玉県春日部市西金野井169-5

 

内容:『グループホームについて』

 

料金:無料(飲み物付き)

 

 

どなたでもお気軽にお立ち寄りください!

問い合わせ先:あすなろホーム庄和(TEL:048-718-3270)

ご近所サロンオレンジカフェでは、『地域の場作り・地域連携』をコンセプトに
介護サービスの紹介や歓談、介護相談を行っております。

是非一度、足を運んでいただければ幸いです。

 

 

VRは特効薬か?、それとも劇薬か?

 

 

こんにちは、認知症Cafest Online編集スタッフのHです。

 

Tweetネタとして「VRと認知症予防」というテーマに興味を持ったことから、
3週間ほど前にVRヘッドセットのOculus Goを購入して、いろいろな3Dコンテンツをトライしてみました。

 

 

 

自分自身が、ちょうど10年前にPCベースのメタバースと言われる仮想空間サービスの
事業立ち上げをやっていたこともあり、昨今のVRはどこまで進化したのか、
ドキドキしながらOculus Goを着けてみました。

 

 

映像の解像度がまだまだ粗かったり、ピントが合いにくかったり、まだまだ改善の余地はありますが、
「脳にガツンとくる」という表現が正しいのだと思いますが、パソコンや携帯電話や大画面TVで
体験するコンテンツとはまた別次元の体験を得られるもの、というのが正直な感想でした。
例えるならばガラケー全盛時代に初めてiPhoneに触れた時の衝撃に近いものでした。

 

 

宇宙飛行士の訓練や宇宙空間の暮らしを疑似体験できるような素晴らしく
クオリティの高い作品がある一方、映像によってはものすごく気持ち悪くなる(VR酔い?)ものもあり、
同じVRでもコンテンツの作りかたによってこうも違うものか?と感じたことは事実です。

 

 

そういう意味で、今後「認知症予防に効くVR」という分野が出現してくるとするならば、
映像の解像度や視点の移動の仕方、そもそも映像コンテンツの中身そのもの、
音との関連性などさまざまな観点で、考えなければいけないことが満載です。
自分が1か月足らず体験した限りでもVRは毒にも薬にもなりえるというのが実感ですので。

 

 

アカデミックな観点とエンターテイメント性を融合させて、近い将来この分野を
開拓していきたいという方がいらっしゃれば、是非「認知症Cafestサイト」もしくはfacebookページから
コンタクトいただければ嬉しいです。

 

 

 

 

密着!「認知症と向き合う介護現場から」第3回

初出:2018年8月16日|最終更新:2020年5月15日

 

 

セントケアホーム鵠沼(以下、ホーム鵠沼)の所長(注:初出日時点での肩書)
井藤知美さんへのインタビュー記事の第3回目(全5回)です。

 

「認知症と向き合う介護現場から」は介護現場のリアルな肉声をお届けします。

 

今回のキーワードはいいところ探しです。

 

いいところ探し

いいところ探しに関する井藤さんの言葉から紹介します。

 

「(介護の仕事を始めて)3年くらい経ったころに実践者研修に行きました。認知症ケアの手法、決定権はお客様にあるという考え方、チームケアの重要性など学びました。実践者研修での課題として自分のホームでいいところ探しに取り組みました。」
(取材者による注:実践者研修は都道府県や政令指定都市が主催する認知症高齢者の介護に関する研修。
グループホームの人員基準で、管理者や計画作成担当者の条件として、厚生労働省が定める研修の受講が挙げられています。実践者研修はその一つです。)

 

「『1日1回、お客様のことでもいいから、スタッフのことでもいいからいいところ見つけたら書いてください』と発信しました。申し送りの記入や通常の(お客様の)生活記録とかあるなかで、いいところ探しは追加の帳票(記録)でした。ですから、この発信は実験でした。」

Q.結果はどうでしたか?

 

「1か月の実践者研修の期間限定だと考えていましたが、継続したんです。そこからはとにかく、お客様、スタッフのいいところ探しをしようって。発する言葉もできるだけいい言葉にしようと伝えました。お客様のあれができない、これができないではなくて、これができないけれどあれはできるとか、あのスタッフはこれは苦手だけど、これは得意だよねとか。会話の最後はいい話で終わるようにしようよと。スタッフに伝え続けました。」

 

「それが認知症ケアにもつながりました。この人はこれができないから手助けをしようではなくて、この人はこれができるからこういうアプローチをしていこうという考え方になっていきました。」

Q.詳しく教えてください。

 

「看取りの段階に入っているお客様がいらっしゃいます。その方のトイレのお手伝いについて、夜間はご本人にとって負担だろうし、夜間だけおむつにしようかと意見があがっていました。それを受けて、先日ミーティングを行ったんですが、一番どうかなって思っていたスタッフが『だってご本人はトイレに行きたいんですよね。』と言ってくれました。移動が難しくなられていたので、結局、夜間はポータブルのトイレをベッドの脇に置いて、そこに座っていただくお手伝いになりました。それ(トイレ介助という方針)をスタッフから言ってくれたのが嬉しかったです。ああ伝わっていたんだって。」

 

「別のお客様で畑をやっていらっしゃる方がいました。いろんなお野菜を作られていて、お料理に使ってたんですけど、余ったものをスタッフにくれるんです。それで、最初はくれていたのですが、大根もかぼちゃも枝豆とかもひとまとめにして100円で売るって言いだされて。『えーお金取るの?』と言ったら、『そのお金で次の作物をつくる肥料を買うんだ』と。そしたら、そのやりとりを見ていた認知症のお客様が、『あらそれで100円なら安いわ、1個もらうわ』とおっしゃったのです。」

 

「(100円で野菜を買うと言われた認知症のお客様が)『あたしのお財布どこへ行っちゃったかしら』と言いだされました。それを見て、『また、財布がないと言い出したよ』と言うスタッフもいました。でも、私はすごく大事なことだなって、生きるためにお金は必要で、それを思い出させてくれるきっかけをそのかぼちゃはつくってくれたと思いました。お財布がないと心配するのはとっても大事な能力で、私だってお財布がなければ探すよって。あのお客様は当たり前のことを言っているだけだから否定することはないし、1個100円でかぼちゃを売るのは続けていいと思いました。」

編集スタッフのコメント

認知症の症状に関する一般的な説明では、「自分の財布がない、盗まれた」という訴えを物盗られ妄想と呼びます。しかし、井藤さんは財布がないと心配するのは大事なその方の能力で、ご本人のできることの一つと捉え返されました。これもいいところ探しの結果なのではないでしょうか。

 

次回に続きます。乞うご期待!

 

 

認知症の方の食事について

 

 

 

高齢者の方の食事量低下には何かしら理由があります。しかし認知症状により理由を伝えることが出来ず、お困りの場合があります。その時、行動から原因を推察することで、その方に合ったケア手法を見つけ支援が出来るようになります。
今回は、行動から考えられる原因と対策を紹介します。

 

 

 

 

 

~食事をとらない行動と原因、対策について~

 

ケース①:手で、もてあそんでみたり、床に落として踏んでみたりする

 

(原因)
  • 食べ物と認識できていない
(対策)
  • 目の前にあるものが食べ物であるとわかってもらえるよう声をかける
    「美味しいごはんが出来ましたよ」  など
  • 口元を見てもらうようにして介護者が先に一口食べてみる
  • 興味を引いたら一口大の食事を勧めてみる
  • ご本人の好きなものを積極的に取り入れる

 

ケース②:箸やスプーンを持てない、食事を前にしても動かない

 

(原因)
  • 食べ方を忘れてしまう
(対策)
  • 「一緒に食べましょう」と声をかけ、自分が真正面に食べている様子を
    みてもらい、食べ方を真似してもらう
  • 動作をゆっくり行い、他愛のない会話をしながら食事をすると、
    つられて食べてくれることもある

 

ケース③:口に入れても吐き出す、いつまでも飲みこめない

 

(原因)
  • 飲みこむ力、噛む力が弱くなっている
(対策)
  • 食事内容の見直し(食べ物の固さ、一口のサイズの大きさ)
  • 入れ歯が合っているか、かけていないかなどを確認
  • 口腔ケア
  • 嚥下(えんげ)体操なども効果的

 

ケース④:口の中に口内炎が出来ている、数日便秘をしているなど

 

(原因)
  • 体調不良で食事に気が回らない
(対策)
  • 「気分は悪くないですか?」「口の中は痛みますか?」など、いろいろな
    声掛けをし、具合の悪いところがないかを確認する。
  • 急に食べなくなったのか、徐々に食事量が減っているのかなども確認し、
    必要に応じてかかりつけ医へ相談する

 

 

※食事前に嚥下体操を行う事で唾液が分泌され、嚥下機能の向上し食事が出来ます。

※始める前と終わった後には深呼吸をしましょう。

 

 

 

認知症と水分不足の関係について

 

こんにちは。 認知症Cafést編集員のクロです。

 

 

本日は認知症と水分不足の関係についてご紹介いたします。

 

 

 

皆様ご存知の通り、人間の身体の多くは水分で構成されています。

 

子供から成人、高齢者の分類で分けるとそれぞれ体組成の水分量が異なり、年を重ねるごとに身体の水分量は減少していきます。特に高齢者になると感覚機能が低下するため、たとえ身体が水分を欲していても、のどの渇きを感じにくくなり、積極的に水分摂取をすることができず、 全体としての水分量が減少し「脱水傾向」になってしまいます。

 

 

年齢を重ねるごとに筋力量も低下するため水分不足になりやすいと考えられているようです。

 

※特に今年は熱中症搬送者数が多いといわれていますが、エアコンを使用せず、熱中症になってしまった方も多いようです。

 

 

私たちは生きている限り汗・尿・排便などで毎日代謝しているため、その分の補給は欠かせません。身体の水分量が1%低下することで、「意識障害」を引き起こしてしまうようです。

 

そしてその状態が継続してしまうことにより、時間をかけて認知症になってしまうようなので、季節に関わらず注意は必要になりますね。

 

 

人は激しい運動をしていなくても生きているだけで多くの水分が身体から出ているので、 定期的な水分摂取の重要性を認識して頂けるきっかけになればいいなと思います。

 

 

 

認知症になると転びやすい!? ~認知症の転倒・骨折予防について~ 

 

 

認知症になると、2倍以上も転倒しやすいと言われています。
今回は、よくある転倒のパターンから対策をみていきましょう!!

 

 

 

転倒の原因と対策

 

1.視空間認知障害

物と物の距離感を把握する能力が低下するため、段差に気付かずにつまずいたり、物にぶつかったりして転倒する。

 

【対策】:環境を整える
  • 床に物を置かない
  • 段差に色を塗る

 

2.理解・判断力の低下

考えるスピードが遅くなったり、2つのことを同時に行うことが難しくなるため注意力が低下し、歩行中に話しかけられたり、何かに気を取られたときに転倒する。

 

【対策】:そばに行って、前から声をかける
※右利きの方に左後ろから声をかけると、振り返ろうとして足がもつれるため注意が必要!
【対策】:2重課題トレーニング
以前のコグニサイズでの記事にもありましたが、

  • 散歩しながら会話する
  • 階段を上りながら計算をする
  • 洗濯物をたたみながら歌を歌う  

など、身体を動かす事と頭で考える事を同時に行う事で脳の活性化に繋がります。

 

 

3.薬の副作用

行動・心理症状を緩和するための向精神薬の副作用(めまい・ふらつき)で転倒する。

 

【対策】:環境を整える
  • 足元灯をつける
  • ベッドとトイレの距離をなるべく短く
【対策】:転倒しやすい時間帯の把握
朝方、夜間帯などは特に注意!
【対策】:ケアマネジャーや医療機関へ相談する

 

※転倒により骨折してしまうと、認知機能の低下によりリハビリの内容が理解できず
認知症を悪化させてしまいます。
転倒を予防することは認知症の進行を防ぐことにもつながります!

 

 

 

映画監督が語る認知症介護のコツ

 

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのSです。

 

先日、ドキュメンタリー映画
『毎日がアルツハイマー ザ・ファイナル 〜最期に死ぬ時。』を見てきました。

 

 

以前、認知症の母の介護を題材とした小説について記事を書きましたが、
この映画は60歳前後の映画監督(関口祐加監督)による
認知症の母(関口監督の実母)の介護についてのドキュメンタリー映画です。

 

 

 

それに合わせて、関口監督が語る認知症介護の重要なポイントについての記事も読みました。

 

これに気づくだけで辛さが違う! 介護に重要な2つのポイント 『毎日がアルツハイマー ザ・ファイナル』

 

ここでは認知症介護の重要なポイントとして2点挙げられています。

 

1点目は距離感を保つこと。
家族として入り込み過ぎず、客観的に見ること。

 

2点目はあくまで主役は当事者ということ。
関口監督は(認知症の)母が混乱して不安に思ってしまうことの方が、
私の心の痛みよりもずっと重要
と語っています。

 

 

 

 

認知症の母にとってと、介護する家族にとっての視点を区別して捉え、
介護サービスも利用しながら、それぞれにとってのハッピーのバランスを目指すことが目標になるでしょう。

 

そして、そのバランスのカタチはおのおのの介護家族の状況や家族間の関係性によって変わってくることでしょう。
それぞれの家族が探り出していくそのカタチをここでも取り上げ、伝えていければと思います。

 

 

 

 

 

密着!「認知症と向き合う介護現場から」第2回

初出:2018年8月9日|最終更新:2020年4月14日

 

 

介護現場のリアルな肉声を届ける「認知症と向き合う介護現場から」第2回(全5回)。

 

第1回に続き、セントケアグループホーム鵠沼(以下、ホーム鵠沼)の所長(注:初出日時点での肩書)井藤さんの介護や認知症ケアに対する考えを取り上げていきます。

 

 

今回のインタビューで浮かび上がってきたキーワードは尊厳です。

 

Q.介護の仕事のイメージをお聞きします。

※( )内は取材者による補足です。

 

「最初はなんて仕事を選んでしまったのだろうと思いました。今でこそお客様の尊厳を守ると口癖のように言いながら仕事をしていますが、当時は自分の尊厳がない仕事と感じていました。我慢ばかりですし。」

 

「先輩でかっこいい仕事をされる方がいました。認知症の方への接し方がすごく素敵な方でした。仕事を教える際も、教えてやるという態度ではなく、悪いけど手伝ってくれと言われて、自然に(やり方を)見せてくれました。介護の仕事をしている人は凄い人間力があって、倫理観が高いと感じました。」

 

「そういう中で介護職に対する意識が変わりました。これは毎日が勉強だし、私がいかに人として色んな事ができていなかったかという事を思い知らされました。そのうち、介護の仕事ってこんなに素敵な仕事だよ、認知症の方と関わることはこんなに素晴らしいことだよというのをみんなに知って欲しいと思えるようになりました。」

 

Q.介護や認知症ケアについて大事にしていることは何ですか?

 

「どうしても介護は自分たちがお世話をしているという気になったり、お客様に指示をしてしまったり、ああしてください、こうしてくださいと先回りしてしまったりします。でも、あくまでも主体はお客様で決定するのもお客様で、その決定が難しいときに、決定をするお手伝いをするのが私たち。(私たちが)決めたことをやっていただくのではなく。」

 

Q.そういう考えに至った経緯について教えてください。

目上の方に対する言葉づかい

「介護の仕事を始めて、最初の頃に、若いスタッフがお客様に偉そうな言葉をかけているのを見ました。『~して』とか『そんなことを言わないの』とか。そこに違和感がありました。目上の方に対してそういう言葉づかいはないんじゃないかと。介護とは関係なく、普通に人として。私にはあれはできないと思いました。」

お客様から教わったこと

「脳こうそくの後遺症で片まひの方がいらっしゃいました。その方が夜勤中、毎日転倒をしてしまうのです。私は、部屋にセンサーをつけて、センサーが(反応して)鳴って、介護スタッフが訪ねるというのが好きではありませんでした。」( 取材者による注:介護現場では、転倒リスクがあり歩行時に見守りが必要とされた方のお部屋に、ご本人がベッドから起きたことを感知するセンサーを設置する対応をすることがあります。)

 

「ご本人にスタッフを呼ぶ能力が残っているのであれば、用があるから来てほしいと言ってもらうのが良いと思いました。そういう能力をなくしてほしくなかったので、呼んで頂くようにしました。これを鳴らしてくださいと、鈴を渡しました。」

 

「でも、そのお客様は鳴らさないんですよね。鳴らさないでお一人で立たれて、倒れていて。当時、そのお客様はおむつをあててもいました。『万が一のときにも汚れないようになっているから大丈夫』と伝えていました。言ってはいけないことだったんですけどね。『呼んですぐに来なくてもベッドで待っていて下さい』と言っていました。そしたらその方が『だってかっこ悪いじゃんか』とおっしゃったんですね。」

 

「私たち毎日勉強させていただいているんですよ。ありがとうございますと言っているんですけど、ご本人は情けないと思っていて、『だってかっこ悪いじゃんか』と思わせてしまっていました。それをなんとかかっこ悪いと感じていただかないようにするためにはどうすればいいかとスタッフたちと考えるようになりました。」

編集スタッフのコメント

相手の尊厳に配慮し、いろいろ考えて関わっていたものの、十分ではなかったと気づかされた経験は介護現場で働いている人なら覚えがあることではないでしょうか?

 

次回に続きます。乞うご期待!

 

↑ ↑ ホーム鵠沼で見かけたかわいいクマのぬいぐるみです!

 

 

リコード法提唱の医師によるアルツハイマー病の初期症状

 

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのUです。

 

以前、従来の認知症治療のイメージを刷新するリコード法について寄稿しました。

 

 

 

リコード法を提唱している、デール・プレデセン医師によると
アルツハイマー病のごく初期の兆候として、

 

  1. ニオイが分からない
  2. 物覚えが悪くなる
  3. 整理整頓、計画や計算ができない

 

が挙げられています。

 

アルツハイマー病では、記憶障害よりも先に、まずニオイが分からなくなるそうです。

 

その後「同じ事を質問する」「鍵を置いた場所が分からない」などの記憶障害が続く場合もあれば、
「片付けられない」「計算できない」「いつもやっている仕事のやり方を忘れる」などの障害が起きる場合もあるそうです。

 

考えてみれば、「ニオイが分からなくなる」って他人と比較する場面も少ないし、
自身ではとても気づきにくいかもしれませんね~
何かよい方法や習慣があれば教えてください。

 

 

 

 

 

☆☆イベント情報☆☆

 

 

こんにちは、認知症Cafest Onlineイベント情報担当スタッフのKです。

 

ここでは地域での認知症関連のイベント情報をご案内します。

 

今回は『てんのうだいおれんじカフェ』のご案内です。

 

 

てんのうだいおれんじカフェ

 

開催日:8月22日(水) 17時~20時

 

場所:セントケア我孫子デイサービス    

千葉県我孫子市天王台4-5-1 シャトー天王台1F

 

内容:『真夏の暑さに負けない!楽しい集い!~映画会とバイキング!!~

 

料金:500円(軽食、飲み物付き)

 

どなたでもお気軽にお立ち寄りください!

問い合わせ先:田中(たなか)03-3538-2943

 

おれんじカフェでは、『みんなで地域を支え合える住みよいまち作り』をコンセプトに
毎月第4水曜日に開催しています。

 

是非一度、足を運んでいただければ幸いです。

 

 

番外編!ウサギとカメ? 噛め? 噛めの数

 

こんにちは、認知症Cafest Online編集スタッフのXです。

 

編集スタッフのKさんの記事「認知症予防と咀嚼の関係性  ~ ウサギとカメ? ~
を読ませていただきました。日常生活に取り入れやすく、ほのぼのとしたいい記事だな~
と感じましたが、ちょっと違和感???

 

 

『32回』噛めるじゃありませんか(! ゚Д゚)  

そーです4拍、8小節です。ですから休符もしっかり噛みましょう。

 

ちなみに、ウサギとカメの歌詞は4番まであります。YouTube動画

 

 

どうしても気になったのでツッコミを入れずにはいられませんでした。

 

 

 

 

 

 

認知症予防と咀嚼の関係性  ~ ウサギとカメ? ~ 

 

こんにちは、本日は認知症Cafest Online編集スタッフのKがお届けします!
本日は、認知症予防と食事に関してお伝えいたします。

 

みなさんは、食事の際の一口はどれぐらい噛んでから飲みこみますか?
中には、ほぼ丸飲みの様な食事方法の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

良く噛むことは、良いことづくし!

一般的に食事の際の一口の咀嚼回数の目安として、『30回以上』と言われているそうです。
良く噛むことで体にとってたくさんのメリットがあります。

 

  1. 脳の活性化(認知症予防に繋がる)
  2. 代謝の促進(燃焼効果)
  3. 消化に良い(便秘予防・便通が良くなる)
  4. 集中力アップ&リラックス効果
  5. 満腹中枢を刺激

 

など多くの効果が挙げられます。

 

特に、高齢の方になると食事量や水分摂取量も減り、
消化器の働きが低下してくるため、良く噛むことによってそれらの働きを活性化する事が出来るそうです。
また、良く噛むことによって脳の活性化にも繋がり、認知症予防にもなります。

 

先ほど、『30回』噛むのが良いと言いましたが、
わざわざ一口ごとに数えるのも面倒です。昔は親から『100回噛め!!』なんて言われましたが、
さすがに100回も噛むのは無理ですよね…
私も1回やってみましたが、アゴが壊れるんじゃないかっていう状態になります。。。

 

そんな時にオススメなのが、タイトルにも書いてある、童謡の『うさぎとかめ』です。
あたまの中で『うさぎとかめ』の歌を歌いながらそのリズムで咀嚼を行うと、
28回噛むことが出来ます!これなら簡単に取り組めるのではないでしょうか?

 

今後も食事に関しての気になる話題をお伝えしていきますので、乞うご期待!

 

 

密着!「認知症と向き合う介護現場から」第1回

初出:2018年8月2日|最終更新:2020年3月20日

 

 

「認知症と向き合う介護現場から」は、 認知症や介護に日々向き合っている介護現場のリアルな肉声を届けたいと思っています。

 

今回は、神奈川県藤沢市の鵠沼(くげぬま)にあるグループホーム、セントケアホーム鵠沼(以下、ホーム鵠沼)を訪ねてインタビューを行いました。

 

鵠沼は都心部まで電車で50分に位置し、多くの観光客が訪れる湘南のビーチ(鵠沼海岸)を擁します。この鵠沼海岸から小田急江ノ島線で1駅の本鵠沼駅より徒歩8分の閑静な住宅街の中にあるのが、ホーム鵠沼です。
ここでは、認知症の診断を受けたお客様が少人数で、家庭的な雰囲気と地域との交流の中で、介護を受けながら日常生活を営むためのケアを受けています。

 

 

ホーム鵠沼の所長(注:初出日時点での肩書) 井藤知美さんに認知症介護に関する思いを伺いました。 全5回に分けてお送りする予定です。

 

 

Q.ホーム鵠沼はどんなホームですか?

 

「人通りが多くて、近隣の方の散歩コースになっています。お客様と散歩をしていると声をかけてくださります。」

 

「人が集まる場所をつくりたい。スタッフももちろんだが、近所の人がちょっと相談に寄れる場所にしていきたいと思います。」

 

Q.今回のテーマの認知症についてはどう思われますか?

 

「認知症だからあれができない、これができないとあきらめるのではなくて、認知症になっても、認知症だけど幸せと、そういう生活ができる世の中になったらと思っていて。」

 

「今は認知症になったら仕方がない、隠したくなると思われています。ここをオープンな場所にしたい、もっとオープンに認知症のことも話せるようになりたいと思っています。」

 

「ある方が認知症は神様からの贈り物って言ったんですね。認知症になっちゃって悲しいんじゃなくて、認知症は贈り物だと思えるって素敵だなって。実際にご家庭で生活していらっしゃたときには家族と一緒で大好きな自分の家にいたけれども、お困りごとが多くなって、不安な日々を過ごしてきた方々が、決心して、グループホームにご入居されます。でも、スタッフが関わることで笑顔が戻ってきて、おうちではないんだけれども、ここが第二の家になって、ご家族も頻繁に来てくださって、もう一軒家が増えたくらいに思ってもらえたらいいなって。そんなことを見学に来られた方に話をしています。施設と思ってほしくなくて家と言ってます。」

 

Q.認知症ケアについてはどう思われますか?

 

「認知症ケアは、結局やればやるほど、認知症だからそうしてほしいのではなく、認知症の方だけでなく、「私」だってそうしてもらいたいことだと思います。やさしく声をかけてほしいし、困っているときは助けてほしいし、仲間がほしいし、行きたいとこに行きたいし、食べたいものを食べたい。認知症だからそうしてほしいのではなくて、人としての当たり前のことなので。認知症だから特別扱いするのではなく、人間として当たり前の欲求というか、そこが自分の力でできなくなってしまったところを私たちがちょっと介入させていただくイメージです。」

 

編集スタッフのコメント

インタビューは2時間半にも及びました。

 

井藤所長の介護や認知症ケアについての思いはとどまることを知りません。 次回以降、引き続き、その思いを掘り下げて紹介していきたいと思います。