新スタイルの回想法

 

こんにちは、認知症Cafest Online編集スタッフのHです。

 

認知症予防の一環として耳にすることも多い「回想法」とは、アメリカの精神科医ロバート・バトラー氏が提唱した心理療法で、1対1もしくは1対多で臨床心理や精神科医、訓練を受けたセラピストが、回想を促す刺激(五感に働きかけ、記憶を呼び戻す)を与えることで、認知機能の回復につなげようとするアプローチです。

(ウィキペディアによる回想法の説明はこちら

 

 

この手法の延長で「テレビ回想法」というものもあります。これは50年前の時代考証で製作されたドラマや、若いときに良く見た番組やアニメを見ることで、感情や意欲を保ち、さらには向上させようとする方法なので、通常の回想法と比べて大きな人手を必要とせずに、食事後の安静時間などを活用して簡便に行うことが出来るという利点があります。

(ウィキペディアによるテレビ回想法の説明はこちら

 

 

「テレビ回想法」をさらにネット時代に適応させた形として、家族が親や祖父母(高齢者・要介護認定者)に贈る有料のインターネット配信テレビ「回想TV」というサービスを見つけました。
寝たきりや部屋に居る事が多い「要介護認定者」や高齢者の方々が、ベットで寝ながらでも楽しめるように、テレビ・タブレット・スマホ等で視聴できる映像のネット配信サービスで、料金は申込者である家族の負担を基本としているようです。

 

またNHKも回想法ライブラリーというサイトを、パソコンやスマホ向けに公開しています。

 

今後はプロが作る「テレビ回想法」コンテンツ配信だけでなく、家族自身が昔の写真や映像から「個別の回想法映像を作成できるクラウドサービス」も出てくるかもしれませんし、何度かこのTweetで取り上げているように「VR回想法」のようなサービスが出てくるかもしれませんね。

 

*ちなみにNHKの「回想ライブラリー」はVRゴーグルにも対応していました。

 

認知症予防に効果のある食事

 

 

 

9月4日のEditor‘s Tweet記事でもありましたが、カレーには認知症予防の効果があると言われています。

最近ではカレー屋でも沢山のメニューがありますが、
今回はそんなカレーにピッタリ合う認知症予防や認知症のリスクを減らす幾つかの食材を紹介します。

 

トマト

諺にも「トマトが赤くなると医者が青くなる」と言われるように、
トマトには、がん予防、生活習慣病予防、抗酸化作用などの予防効果が期待されています。

ナス

ナスの皮にあるナスニンというアントシアニン系色素でポリフェノールの一種である成分がとても体に良いと言われています。また、なすに含まれるデルフィニジンは油に溶けやすく、カレーにはぴったりです。

ほうれん草

ほうれん草にはグルタチオンが豊富に含まれており、生活習慣病予防や、肝機能向上、解毒作用などが期待できます。

納豆

納豆は血液の流れをスムーズにします。脳梗塞や心筋梗塞、血栓が出来るのを防いだりできます。また、免疫力の向上、美容効果など何でも来いです!

きのこ

2006年の研究によると、きのこの摂取頻度が週に1回未満、週に1、2回、週に3回以上の方をグループ分けし調査した結果、より多く摂取したグループの認知症発症リスクの低下が確認できたとの報告があります。※1

 

 

このように体に良いとされる食べ物を上手に組み合わせながら、
バランスの良い食事を心がける事が重要です。

 

 

【参考文献】

※1 Zhang S, Tomata Y, Sugiyama K, Sugawara Y, Tsuji I.(J Am Geriatr Soc. 2017 Jul;65(7):1462-1469. doi: 10.1111/jgs.14812. Epub 2017 Mar13.)Mushroom Consumption and Incident Dementia in Elderly Japanese: The

 

 

 

コーヒーと認知症

 

こんにちは、認知症Cafést編集者のクロです。

 

本日は認知機能とコーヒーについての紹介です。

 

日々、毎日飲んでいるコーヒーですが、コーヒーと言えば眠気覚ましなどで飲まれる方も多いかと思います。

 

コーヒーにはカフェインが多く含まれていますが、カフェインには前頭前野を活性化することでも知られている
ようです。私は初めて知りましたが・・・。

 

1日3杯~5杯のコーヒーが将来的な認知症発症リスクの低下に繋がるそうです。

 

カフェインが脳にもたらす影響は、脳の状態や体質などにより異なるため、誰もが同じ効果が現れるわけではない
そうです。また、カフェインには覚醒作用も持つことから、度を過ぎれば悪い影響を与える可能性も考えられる
ようですので、気を付ける必要がありますね。

 

【参考】

 

 

リコード法はDESSティニー!?―英語の頭文字の意味は?―

 

 

こんにちは、認知症Cafést編集スタッフのSがお届けします。

前回のツイート(タイトル「dementia」)ではCafést編集スタッフUが
英語での表現について書いていましたね。

 

編集スタッフがよくランチで利用する食堂で、メニューには英訳がついていて、普段は目に留まらないですが、
ふと見かけた言葉が“yellowtail”。
黄色の尾!何ぞやと思うのですが、メニューは「ブリカツ丼」でして、つまり、「ブリ」の英訳でした。

英語の世界も覗いてみると、興味深いと感じることがきっとたくさん潜んでいるのでしょう。

今月はアメリカ発のアルツハイマー病予防法であるリコード法が勧める食事や食生活についてご紹介しました。

 

こちらです。↓↓↓

米国発アルツハイマー病予防法のリコード法と食事①概論

アルツハイマー病予防法として重要なのは食事だけではありません。

リコード法の開発者プレデセン氏は効果のある予防法の組み合わせとしてDESSと言っています。

  • D―diet(食事)
  • E―exercise(運動)
  • S―sleep(睡眠)
  • S―stress reduction(ストレスの軽減)

そして、

どれも認知機能の健康に非常に重要なため、簡単なサプリメントや、最後の手段となる薬剤とともに
「DESSティニー(運命)」と呼んでもいいくらいだ。

(翻訳本『アルツハイマー病 真実と終焉』からの引用です。)

と言っています。

デスティニーと言えばdestiny。訳は「運命」です。
上記の引用ではDESSティニーを英語destinyと掛けているのですね。

記事ではD(食事)を取り上げました。

それに加え、コンビネーションの残り―E(運動)、S(睡眠)、S(ストレスの軽減)―についても
意識していただければと思います。

 

 

緑茶で認知症予防

 

 

日本人にとって馴染みの飲み物であるお茶。

 

そんなお茶に関して、最近の研究で緑茶を飲むことで認知機能低下の予防につながるという研究が発表されています。

 

今回は、その研究内容に関して紹介します。

 

 

緑茶について

 

一言で緑茶と言っても様々な種類が存在します。

 

種類 特徴
煎茶 最も一般的に飲まれているお茶。新芽を蒸して揉んで細く整形される。バランスの良い味わい。
玉露 よしずや藁で20日程被覆栽培を行う。渋みが少ない。
かぶせ茶 寒冷紗やワラなどで被覆栽培を行う。玉露よりも短い被覆栽培期間。渋みが少なく旨みが多い。
番茶 固くなった新芽などから作られる。さっぱりとして苦みが少ない。
玉緑茶 製造工程は煎茶と同じだが、精揉の工程が省かれ丸い形状の仕上がりとなる。渋みが少なくまろやかな味わい。

 

 

緑茶にはカテキンやテアニン、ビタミン、カフェイン、ミネラルなどの成分が含まれており、様々な効果が期待できると言われています。

緑茶の効果について

 

  1. 解毒・抗菌作用
    緑茶に含まれるポリフェノールの一種であるカテキンが解毒・抗菌作用などの働きが確認されています。
  2. 認知症予防
    金沢大学の研究では週に1~6回飲む人のグループと、毎日1杯以上飲む人のグループは全く飲まない人のグループと比べて、5年後の認知機能低下のリスクがそれぞれ1/2と1/3に減少している事が分かりました。*1
    また、東北大学大学院の研究では緑茶の摂取量が多いグループ程、認知障害の罹患率が低くなるとの研究発表がされています。*2
    一日2~3杯の緑茶が認知症予防に効果があるようです。

 

 

その他にも緑茶には抗酸化作用、がん予防、動脈硬化予防、歯周病予防、高血糖抑制、糖尿病などに効果があるとの研究も発表されている様です。

 

このように最近の様々な研究結果から認知症予防に効果的な食べ物や飲み物が多く報告されています。

次回は認知症予防に効果があるとされる食べ物について取り上げていきます。

【参考文献】

  • *1)MoekoNoguchi-Shinohara,SohshiYuki,ChiakiDohmoto,YoshihisaIkeda,Miharu Samuraki,KazuoIwasa,MasamiYokogawa,KimikoAsai,KiyonobuKomai,HiroyukiNakamura,Masahito Yamada(May 14, 2014) Consumption of Green Tea, but Not Black Tea or Coffee, Is Associated with Reduced Risk of Cognitive Decline
    https://doi.org/10.1371/journal.pone.0096013
  • *2)ShinichiKuriyama,AtsushiHozawa,KaoriOhmori,TaichiShimazu,ToshifumiMatsui,
    SatoruEbihara,Shuichi Awata, Ryoichi Nagatomi,Hiroyuki Arai,Ichiro Tsuji
    (01 February 2006)
    Green tea consumption and cognitive function: a cross-sectional study from the Tsurugaya Project

    https://academic.oup.com/ajcn/article/83/2/355/4650021

 

 

Peace Eye(ピースアイ) ~離れて暮らす大切な家族の見守りに~

 

 

近年、日本での家族形態が変化しています。

 

国立社会保障・人口問題研究所によると、1980年の高齢独居の割合が8.5%、高齢夫婦の割合が19.6%でしたが、
2016年には、高齢独居が18.6%(10.1ポイント増)、高齢夫婦が38.9%(19.3ポイント増)となっており、
高齢者のみで生活を送っている方が増えてきています。また、子どもとの同居の割合も1980年には69%だったのが、2016年には38.4%(30.6ポイント減)となっていて、高齢家族と離れて過ごす家族形態が増えてきているとの調査報告があります。
出典:国立社会保障・人口問題研究所ホームページ(表7-16 家族形態別65歳以上人口および割合:1980~2016年より)

 

 

そこで今回は、認知症の方の見守りや離れて暮らすご家族の様子を確認したり、室内の温湿度の変化を検知し、異常があった際に、メールでの通知を受けることができるクラウド型見守りサービスをご紹介します。

 

 

 

Peace Eye(ピースアイ)

 

Peace Eye(ピースアイ)は、離れた場所や、外出中でも、スマートフォンやタブレット等で映像を確認することができ、
何かあった際にメールでの通知を受けることが出来るクラウド型スマートホームサービスです。

特徴①:5つのセンサーが検知し通知>
動き・明るさの変化、大きな音、温湿度など5つのセンサーが変化を検知、スマホやメールに通知
特徴②:双方向会話
カメラに内蔵されたマイク・スピーカーとスマホで会話・呼び掛け
特徴③:レンズカバーでプライバシー保護
レンズカバー付きで帰宅後や見守る必要がなくなった際のプライバシー保護も安心

 

 

ただ、カメラでの一方的な見守りではなく、マイクやスピーカーを通してお互いに会話もできる事で、
『離れていても心は近くに感じる』安心の見守りサービスです。

≪参照≫

Peace Eye(ピースアイ)紹介ページ
↑ 詳しい製品情報はこちらのHPをご覧ください。

 

 

dementia

 

こんにちは、認知症Cafést Online>編集スタッフのUです。

 

最近、なんだか英語が纏わりついてきて、困惑しています。
海外の方々とのやり取り(会話・e-mail)は当然のように英語で
全く理解できない私は、Google翻訳が手放せません。

 

 

 

認知症を英訳すると掲題のdementia(ディメンシア)になります。

 

(以下Google翻訳)

認知症予防
Prevention of dementia
老人ホーム
Nursing home

 

さらに日本の介護サービスの内容を説明するのは難解です。

看護小規模多機能型居宅介護
Nursing small-scale multifunctional in-home care

 

長い…。

 

日本語でも長いので看多機(カンタキ)なんて省略したりしています。
そろそろオンライン英会話でも始めてみようかなぁ…などと考え中です。

 

 

☆☆イベント情報☆☆

 

 

こんにちは、認知症Cafest Onlineイベント情報担当スタッフのKです。

 

ここでは地域での認知症関連のイベント情報をご案内します。

今回は『てんのうだい おれんじカフェ』のご案内です。

 

てんのうだい おれんじカフェ

開催日:9月26日(水) 17時~20時

場所:セントケア我孫子デイサービス    
千葉県我孫子市天王台4-5-1 シャトー天王台1F

内容:『バランスウォーキング~教室転ばない為の正しい歩き方を学びましょう!~』

 

講師:NPO法人ウオーキング研究所 代表  駒崎 優 先生

料金:500円(軽食、飲み物付き)

どなたでもお気軽にお立ち寄りください!

問い合わせ先:田中(たなか)03-3538-2943

おれんじカフェでは、『みんなで地域を支え合える住みよいまち作り』をコンセプトに
毎月第4水曜日に開催しています。

是非一度、足を運んでいただければ幸いです。

 

 

物忘れは改善する!~リコード法から学ぶ認知症予防~

 

 

こんにちは、本日は認知症Cafest Online編集スタッフのKがお届けします!

先日、「ボケない人の最強の食事術」の著書であるブレインケアクリニック今野裕之先生の出版記念講演会に参加させていただきました。

30名以上の方が参加されており、認知症予防に関しての講演や、著書のタイトルにある通りの認知症予防に効果がある食材での食事の提供など、今野先生の認知症についての取り組みが詰まった素晴らしい会でした。

前半の講演会では、『物忘れは改善する!』と題して、ブレインケアクリニックで行われている
認知症予防に関しての取り組みについて学びました。

 

今野先生は2010年頃から認知症予防に関心を持たれ、研究をされています。

 

その後アルツハイマー病の革新的な治療法の原型となる論文と出会い、
2016年にブレインケアクリニックを開院し、リコード法を参考にして認知症プログラムを開始されました。

 

そして、2018年3月に日本初のリコード法認定医(MPI Cognition)になり、本格的にリコード法の実践を開始されます。

講演会の中で、アルツハイマー型認知症に関しての考えではアミロイドベータが蓄積され、その結果、神経が障害されると考えられていた、アミロイド仮説が主軸でしたが、
リコード法の考えでは神経に障害を及ぼす様々な要因が起こることで、脳の防御反応としてアミロイドベータが蓄積されるため、神経の障害に繋がることが分かっています。

今回の今野先生著書「ボケない人の最強の食事術」では
ブレインケアクリニックに通われている『物忘れ』の訴えのある方の
食事方法に着目した内容の本となっています。

病気と向き合うには自分を見つめること。
自分を見つめるには、食事を見つめ直すこと。

 

栄養不足、バランスの悪い食事、多くの食べ物が充足している現代だからこそ改めて今の自分の状況を知ることが第一歩として大切なのかもしれないですね。

今回、講演頂いた今野先生のブレインケアクリニックHPはコチラ

 

 

 

米国発アルツハイマー病予防法のリコード法と食事② オリジナルから日本版へ

 

 

米国発アルツハイマー病予防法のリコード法での食事の考え方の概論について前回の記事ではお伝えしました。

 

米国発のリコード法を日本で導入するために踏まえるべきことをお伝えします。米の摂取とタンパク質の摂取の2点についてです。

 

 

 

①米の摂取をどう考えるか?

 

低炭水化物食を勧めるプレデセン氏は、米をパスタ、クッキー、キャンデイー、砂糖と並べて、できれば摂取を避けたい「赤色信号食品」のリストに載せています。

 

これに対して、白澤氏は「夕食はごはんを食べていい」と言っています。ただし、以下の条件をつけています。

 

  • 日中は糖質制限をする
    (ケトン体をエネルギー源としている状態にする)
  • 夜9時までに食べ終わり12時までに寝る
  • 白米に比べてビタミンや食物繊維が多い玄米を選ぶ

 

 

また、今野氏は量の目安は1食あたり20~40gと言っています。ご飯ならお茶碗半分程度とのことで、朝昼晩のうち、夕食だけ主食を抜くという方法でも構わないと言います。

 

「夕食は食べる(日中抜く)」、「夕食だけ抜く」と違いはありますが、食べて良いけど、控えめに食べるというのが共通のメッセージです。

 

 

②タンパク質の摂取をどう考えるか?

 

緩やかな菜食主義を勧めるプレデセン氏はタンパク質の摂取の目安について、体重1kgあたり1gのタンパク質で十分であり、ここが上限という言い方もしています。また、魚、鶏、肉はメインディッシュではなく、薬味として加えるとの考え方を示しています。つまり、摂取しすぎないようにという注意喚起のメッセージです。

 

これに対し、白澤氏は、「日本では食べなさすぎによるリスクがあります。肉や魚、大豆製品、卵などタンパク質を多く含む食品はしっかりとったほうがいい」と言います。
今野氏もタンパク質(肉、卵、大豆製品)は積極的に摂取してほしいので毎食摂取することを勧めています。

 

 

③タンパク質の摂取に関する日本人の高齢女性を対象とした研究結果から

 

では、一体どれくらいのタンパク質を摂取すれば良いでしょうか。

 

日本人の高齢女性(日本国内35県にわたる85校の栄養関連学科に通う学生の祖母世代の女性2108名。年齢は65~94歳。)を対象に、アルツハイマー病や認知症との関連ではありませんが、タンパク質摂取と虚弱(フレイルとも呼ばれる、加齢とともに心身の活力が低下し、日常生活への支障や心身の脆弱性が出現した状態。健康な状態と要介護の状態の中間。)との関連性を検討した研究では以下の結果が得られています。

 

  • タンパク質の摂取量が多い人から人数が均等になるように5群に分けたとき、最もタンパク質の摂取量が少ない群(1日あたり62.9g以下)に比べて、タンパク質の摂取量が1日あたり69.8g以上になると、虚弱になる割合が有意に低かった。
  • この関係性(摂取量が多いと虚弱になる割合が有意に低い。)はタンパク質が動物由来(魚、肉、卵等)か、植物由来(穀物、豆類、野菜、果物など)かで分解して検討してみても成立していた(摂取量が多いと虚弱になる割合が低い)。
  • また、この関係性はタンパク質を構成するアミノ酸(個別アミノ酸の数値あるいは個別アミノ酸の組み合わせの足し算の値からなる計8パタンで検討している)に分解してみても成立していた(摂取量が多いと虚弱になる割合が低い)。
  • タンパク質の由来(動物か植物か)やタンパク質を構成するアミノ酸の種類によらず、タンパク質の摂取量が多いと虚弱になる割合が有意に低いということだが、この関係性がもっとも顕著なのは、分解して見た場合ではなく、合計でタンパク質を見た場合であった。

 

なお、日本人の食事摂取基準(2015年版)では、70歳以上の女性でタンパク質の推奨量は50g(男性では60g)となっています。繰り返しになりますが、この研究では1日約70g以上のときに虚弱になる割合が有意に低かったという結果でした。

 

この1つの研究結果だけでは結論づけられませんし、虚弱予防という点からになりますが、1日50~60gでは足りない可能性があります。また、研究での考察では、1日の摂取量ではなく、タンパク質を朝食・昼食・夕食に分割して食べることが虚弱予防と結びついていたこと示す研究結果もあると述べられています。これは今野氏が毎食タンパク質を摂取すべきと指摘していることを裏付ける知見かもしれません。

 

タンパク質の1日摂取量合計なのか、頻回に(各食で)摂取することなのか(量なのか食べ方という質なのか)という点についての解明は今後の課題になりますが、タンパク質を由来や種類にこだわらず摂取すべきというメッセージを持つ結果であったと思います。

 

これは、(アルツハイマー病予防か、虚弱予防かという違いはありますが)白澤氏が指摘する「食べなさすぎによるリスク」と重なる結果とも思われます。また、具体的にはどのくらいかを示唆する結果であったとも思います。

 

<認知症Cafést内関連記事>

 

<参考図書>

  • デール・ブレデセン著、白澤卓二監修、山口茜訳(2018)『アルツハイマー病 真実と終焉』(ソシム株式会社)
    (編集者注:山口茜の「茜」のくさかんむりは正確には6画のくさかんむり。)
  • 白澤卓二(2018)『Dr.白澤のアルツハイマー革命ボケた脳がよみがえる』(株式会社主婦の友社)
  • 今野裕之(2018)『最新栄養医学でわかった!ボケない人の最強の食事術』(青春出版社)

 

<参考論文>

Kobayashi S, Asakura K, Suga H, Sasaki S, et al. High protein intake is associated with low prevalence of frailty among older Japanese women: a multicenter cross-sectional study. Nutrion Joutnal 2013, 12: 164

 

<参考サイト>

 

 

米国発アルツハイマー病予防法のリコード法と食事① 概論

 

 

リコード法はアメリカで開発されたアルツハイマー病予防のプログラムです。
食事はリコード法の要でもあります。

 

本記事ではリコード法が勧める食事や食生活についてご紹介します。

 

本年、日本語訳が上梓(原典は昨年上梓)された、『アルツハイマー病 真実と終焉“認知症1150万人”時代の革命的治療プログラム』の著者のデール・ブレデセン氏(アルツハイマー病などの神経変性疾患についての研究者で、臨床医でもある。)がリコード法(注1)の開発者です。

 

注1:認知機能の低下(COgnitive DEcline)の回復(REverse)にちなみ、リコード法(ReCODE)と呼ばれています。

 

 

 

1. ケトフレックス12/3(トウェルブスリー)

 

ブレデセン氏が掲げる食生活の方針は「ケトフレックス12/3」です。

 

 

1-①「ケトフレックス12/3」のケト(ケトーシス)

 

ケトーシスとは炭水化物ではなく脂肪を分解して、燃焼(エネルギーを生み出す)している状態です。

 

体の一番のエネルギー源は炭水化物ですが、炭水化物が不足したときには、肝臓が脂肪を分解し、ケトン体を産生します。
ケトン体は肝臓からその他の臓器(心臓や筋肉や腎臓や脳など)に運ばれ、細胞内でエネルギー源となります。

 

ケトーシス(脂肪の分解)を促進する(炭水化物ではなく脂肪をエネルギー源とする)ためには、「低炭水化物食、すなわち、糖類、パン、ジャガイモ、白米、ソフトドリンク、アルコール、キャンディー、ケーキ、加工食品などの炭水化物食品の摂取を最小限にすることが必要」だとブレデセン氏は言っています。

 

 

1-②「ケトフレックス12/3」のフレックス(緩やかな菜食主義)

 

フレックスは、緩やかな菜食主義(flexitarian diet)です。

 

ブレデセン氏は「深緑から鮮やかな黄色やオレンジなど、できるだけ彩り鮮やかな野菜」を勧めています。また、ブレデセン氏の上述の翻訳本を監修した医師の白澤卓二氏は、レインボーフーズという言い方をして、カラフル野菜の健康効果を指摘しています。具体的には、食材を赤、黄、緑、白、紫、茶、黒のグループに分けて、毎日
の食事にバランスよくとり入れる
ことを勧めています。

 

 

1-③「ケトフレックス12/3」の12/3(トウェルブスリー)

 

12/3は空腹時間を示しています。

夕食から次の日の朝食まで12時間空けることと、夕食から就寝まで3時間空けることをプレセデン氏は勧めて
います。白澤氏は「プチ断食」という言い方もしていますが、絶食はケトーシス状態を引き出します。

 

2. 脳のエネルギー源は?

 

ブレデセン氏は炭水化物をエネルギー源として使用することと脂肪をエネルギー源として利用する(ケトーシス)ことのスイッチの柔軟な切り替えが重要と述べています。

 

低炭水化物食や絶食はエネルギー源の切り替えを促すということではないかと考えられます。

 

脳のエネルギー源は何かに関して、日本初のリコード法認定医(ブレデセン氏が創立したリコード法の普及団体
“MPI Cognition”に登録された医師)の今野裕之氏は、脳をハイブリッド車(ガソリンと電気の2つのエネルギー
源がある)にたとえ、脳がブドウ糖(炭水化物が分解されて得られる)のみならず、ケトン体(脂肪が分解して
得られる)をエネルギー源とできる
と説明しています。

 

そして、アルツハイマー病では、2つのエネルギー源のうち、ブドウ糖が使えない状態になっており、体内で
ケトン体が生成されることで脳のエネルギー不足が解消され、認知機能も改善すると言っています。

 

ケトン体を産生しやすい脂肪が知られています。中鎖脂肪酸(で構成された油)です。脂肪酸は油の主成分で、
炭素の数が多いものを長鎖脂肪酸、(長鎖脂肪酸と比べて少なく)6個から12個のものを中鎖脂肪酸と言います。
中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸に比べ、効率よく(4~5倍速く)分解され、ケトン体を産生しやすいという特徴があります。
中鎖脂肪酸はココナッツオイルや母乳に含まれています。「認知症にはココナッツオイルがいい」と言われる
のは、このためです(注2)

 

注2:今野氏は、ココナッツオイルの摂取に関する注意点として、「1日にとる量は大さじ2杯程度」(ただし、最初は胃腸の様子を見ながら少しずつ増やしていく)、「炭水化物を一緒にとらない」(たんぱく質はO.K.)、「起床後など絶食の時間が長いときが効果的」と述べています。

 

 

概論としては以上です。キーワードは「ケトフレックス12/3」です。その関連で中鎖脂肪酸やココナッツオイル
についてもお伝えしました。次回の記事では日本での導入について考えるべきことのお話をします。

 

(文:星野 周也)

 

<認知症Cafést内関連記事>

米国発アルツハイマー病予防法のリコード法と食事② オリジナルから日本版へ

リコード法!?~アルツハイマー病 真実と終焉~

リコード法はDESSティニー!?―英語の頭文字の意味は?―

物忘れは改善する!~リコード法から学ぶ認知症予防~

 

<参考図書>

  • デール・ブレデセン著、白澤卓二監修、山口茜訳(2018)『アルツハイマー病 真実と終焉』(ソシム株式会社)
    (編集者注:山口茜の「茜」のくさかんむりは正確には6画のくさかんむりです。)
  • 白澤卓二(2018)『Dr.白澤のアルツハイマー革命 ボケた脳がよみがえる』(株式会社主婦の友社)
  • 今野裕之(2018)『最新栄養医学でわかった!ボケない人の最強の食事術』(青春出版社)

 

 

 

グループホームに入居したご夫婦が教えてくれたこと

 

こんにちは、認知症Cafést online編集スタッフのSがお届けします。

 

介護現場からのすてきなエピソードを見つけましたので、ご紹介します。

 

 

芳子さんが教えてくれたこと

 

このエピソードは、一般財団法人オレンジクロスが、看護・介護の声を広く募集し、看護・介護の素晴らしさを共有するために行っている看護・介護エピソードコンテストでの受賞作品の1つです。

 

本ツイートの記事のタイトルは「グループホームに入居したご夫婦」とぼやかしましたが、受賞作品の実際のタイトルが「芳子さんが教えてくれたこと」です。芳子さんは、入居したご夫婦のうち奥様の方のお名前です。

 

あらすじは以下のとおりです。

 

グループホームには空き部屋が2つあり、ご夫婦で入居はできたものの、空き部屋があったフロアは異なった
ため、ご夫婦は1階、2階と分かれて入居となりました。

 

入居から数日も経つと、芳子さんは、ご主人と別れる夕方から夜にかけて不安そうな様子が目立つようになり、
就寝前になると、ご主人がいないことの不安をしきりに訴えられました。ご主人が下の階にいると伝えても芳子
さんは納得されません。

 

ご夫婦の絆を尊重するという支援の目標を立てて、根気強く支援を続けてきたある日の夜のことです。
「主人はどうしているかしら?」と芳子さんは尋ねたと言います。

 

(以下、原文の引用です。)

 

ご夫婦の絆を尊重する。そうした支援の目標を思い出した私は「気になりますか?一緒に会いに行って
みましょうか?」と提案しました。それはもう気休めやごまかしではなく、また単なる症状に対する対処
でもなく、本心からの言葉でした。

 

すると芳子さんは「いいわ」と微笑みました。そして、「本当ですか」と確認する私に、こう言ったの
です。「だって、寝ている人を起こしたら、かわいそうでしょう。」

 

 

この発言に驚き、うれしく思い、もともとの芳子さんの姿に気づいたとまとめられています。感動的な箇所です。

 

認知症Caféstでも、8月は「認知症と向き合う介護現場から」と題して、5回にわたり介護現場の声を届けました。
(認知症の方に)気休めやごまかしではなく共感的に関わるというのはそのインタビューでも聞くことができた
原則と思います。

 

介護現場には魅力がつまっていて、働く人たちの支えになっています。

 

嘘偽りなく認知症の方々から教わっていると多くの介護職員が感じています。そして、この教えは、介護現場に
いない方々にも、元気やヒントを与えてくれるものと思います。

 

 

 

☆☆イベント情報☆☆

 

 

こんにちは、認知症Cafest Onlineイベント情報担当スタッフのKです。

 

ここでは地域での認知症関連のイベント情報をご案内します。

今回は『やさか町 オレンジカフェ』のご案内です。

 

やさか町 オレンジカフェ

開催日:9月21日(金) 13時~15時

場所:セントケア八坂東 小規模多機能
静岡県静岡市清水区八坂東二丁目7-1

料金:無料(飲み物付き)

どなたでもお気軽にお立ち寄りください!

問い合わせ先:セントケア八坂東 小規模多機能(TEL: 054-371-5960)

是非一度、足を運んでいただければ幸いです。

 

 

VR酔いとVR疲れ

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのHです。

 

「認知症とVR」という投稿を何回か続けておりますが、かれこれ2か月ほど日中普通に仕事をし、海外出張などにも
行きつつ、寝る前の少しの時間をあててVRコンテンツの体験を続けてきました。

 

 

巷でも良く言われることですが、VR酔いやVR疲れという現象は確かにあります。特にジェットコースターの疑似
体験のような急加速や上下動があるコンテンツは、視覚ではそれを認識しているのに、三半規管が加速移動を認識
しないためか、かなり気持ち悪くなります。

 

また、30分を超えて仮想空間に居続けると、ヘッドセット外した時に寝室が暗いせいもあり、今自分がどこにいる
のか一瞬分からなくなってしまいます。それだけVR空間というものは脳からするとリアル(現実)に認識されて
いるのだなあ、ということを改めて実感します。

 

認知症、特に軽度認知障害(MCI)予防に効くという意味で、有酸素運動や和食がいいという研究は多々あります
が、VRコンテンツとして「これだ!」というキラーコンテンツはまだなかなか思いつきません。とはいえ感覚的
には「移動がほとんどない、ゆったりとした空間」での「懐かしい体験」や、その対極にある「今までの生活で
全く体験したことがないもの(宇宙空間とか。。)」が良いような気がしています。

 

引き続き、認知症に効く「VRコンテンツ」探求を続けていきたいと思います。

 

 

和食 VS マインド食② 日本人の食事を対象とした研究結果から

 

和食と認知症予防との関係について少しずつ研究の知見が出ています。
ここでは日本人の食事を対象とした2つの研究の結果を紹介します。

 

研究1 久山町研究

1本目は福岡県久山町の地域住民を対象とした研究です。

 

分析対象者は60-79歳の久山町の男女1006名で、調査期間は1998年から2005年です。

 

以下の結果が報告されています。

 

  • 認知症の発症と関連が見られた食事パタン(注:食品の摂取量により点数化されています。)は、緑黄色野菜、淡色野菜、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品、藻類の摂取量が多いほど点数が高くなり、米の摂取量が多いほど点数が低くなるパタンであった。
  • この食事パタンで点数を算出して、点数が高いものから対象者を4群に分けたときに、最も点数が低い群に比べて、最も点数が高い群で血管性認知症の発症割合が有意に低かった。
    平たく言うと、緑黄色野菜、淡色野菜、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品、藻類の摂取量が多く、米の摂取量が少ない人において、血管性認知症の発症割合が低かった。
  • この食事パタンに基づく得点と栄養素との関係は、飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、ビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウムの各栄養素の摂取量が多いほど点数が高くなる得点化となっている。
  • この食事パタンに基づく得点化で最も点数が高い群(血管性認知症の発症割合が低い)では、糖尿病の人が多いという特徴も認められた。
  • 最も点数が高い群で、血管性認知症の発症割合が有意に低いものの、糖尿病の人の割合が高いのは、糖尿病による治療の結果として、この食事パタン得点が高くなるような食事をしている可能性が考えられるため、糖尿病がない人に限って食事パタンと認知症発症の有無の関係を検討したところ、最も点数が低い群に比べて、最も点数が高い群で血管性認知症のみならず、アルツハイマー型認知症の発症割合も有意に低かった。繰り返しになるが、(糖尿病がない人に限った場合の解析結果)緑黄色野菜、淡色野菜、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品、藻類の摂取量が多く、米の摂取量が少ない人において、血管性認知症のみならず、アルツハイマー型認知症の発症割合が低かった。

 

研究2 大崎コーホート研究

続いて、宮城県の大崎市の地域住民を対象とした研究です。

 

分析対象者は65歳以上の大崎市の男女14,402名で、調査期間は2006年から2012年です。

 

以下の結果が報告されています。

 

  • 認知症の発症と関連が見られ、日本食パタンと名付けられた食事パタンは、にんじん・かぼちゃ、葉菜類、海藻類、じゃがいも、白菜、キャベツ・レタス、オレンジなどかんきつ類、その他果物、大豆(豆腐、納豆)、トマト、漬物、きのこ類の摂取量が多いほど得点が高くなるパタンであった。
    (食事摂取頻度調査のデータをもとに、主成分分析という統計手法により39の食品のグループ分けをした結果で得られたパタンである。)
  • この食事パタンで得点化して、点数が高いものから対象者を4群に分けたときに、最も点数が低い群に比べて、最も点数が高い群で認知症の発症割合が有意に低い。
    (この研究では日本の介護保険で使用されている認知症の日常生活自立度でランクⅡ以上を認知症発症と定義して分析をしている。)
  • 上記の日本食パタンとは別に、伝統的な日本食という観点から理論的に9個の食品からなる日本食インデックスを作成した。
    (確証的因子分析という統計手法によりこれらの9個の食品が日本食インデックスを構成していることを確認した。)
  • このインデックスは、米、みそ汁、海藻、漬物、緑黄色野菜、魚、緑茶を性別ごとに設定された基準値を超えて摂取している場合に1点を加点し、牛肉・豚肉、コーヒーについては、性別ごとに設定された基準値を下回って摂取している場合に1点を加点する得点化である。
  • このインデックスでの得点化でも、点数が高いものから対象者を4群に分けたときに、最も点数が低い群に比べ、最も点数が高い群で認知症の発症割合が有意に低かった。
  • このインデックスを構成する個々の食品で個別に認知症発症との関連を検討したところ、緑茶、海藻の摂取量が基準値を超えている場合に、認知症の発症割合が有意に低いとの結果が得られた。

 

研究1・研究2を踏まえて

①米の摂取をどう考えるか?

研究1の結果は米の摂取量が低いほど、認知症の発症割合が低いという結果で、米は摂取しない方がいいということになります。『世界一シンプルで科学的に証明された究極の数字』で、主に糖尿病のリスクとの関連からではありましたが、白米が少量でも体に悪いと指摘されていること重なります。

 

研究2のうち39の食品を分類して得られ、認知症発症との関連が見られた日本食パタンには米は含まれておりません。そのうえで日本食パタンの得点が高い人で認知症の発症割合が有意に低いという結果でした。

 

その一方、研究2では、米、みそ汁の摂取量などから日本食インデックスを作成(米の摂取量が基準値を超えた場合に加点)しており、この日本食インデックスの得点が高い人で認知症の発症割合が有意に低いとの結果も導いています。
この結果からは、米を食べても良いのではないかと思うですが、日本食インデックスを構成するもののうち、個別に検討すると、緑茶、海藻の認知症予防効果が大きいとの結果でした。

 

これらからは米の摂取が認知症予防につながるとは言い難いので、ほどほどにということと思います。
結果を見るにあたっては、久山町研究のHPや研究1の考察で書かれているように、米の摂取を単独で考えるのではなく、食事パタンの中での米の摂取と捉えることが大事です。一定の摂取カロリーの中で、米の摂取量を減らして予防効果がある他の食品の量を増やす食事パタンがよいことを示しているとHPでは説明されています。

②和食と地中海食(マインド食)との関係1ー牛乳・乳製品では結果が異なる?ー

研究1で得られた食事パタンは牛乳・乳製品の摂取量が多いほど、得点が高くなります。研究1の食事パタンの得点は栄養素レベルでは飽和脂肪酸の摂取が高いほど得点が高くなります。牛乳・乳製品が飽和脂肪酸を豊富に含みますので、食事パタンとの上記の関係が見られることになります。
(地中海食の代名詞、オリーブ油は飽和脂肪酸が少なくて、一価不飽和脂肪酸が豊富であり、地中海食スコアでは飽和脂肪酸に対する一価不飽和脂肪酸の比が高いと得点が高くなります。)

 

一方、地中海食では乳製品の摂取量が低いほど、地中海食スコアとしては得点が高くなります。
よって、日本人にとっては牛乳・乳製品を摂取すべきものとなり、地中海食にとっては乳製品は摂取を抑えるべきものという違いが見られます。

 

このことに関連して久山町研究のHPでは日本人の牛乳・乳製品の摂取量はいまだに欧米人の半分以下と大きく下回っているため、日本人においては牛乳・乳製品の摂取が望ましいという結果になったものと考えられると考察しています。
(なお、研究2で、39の食品を分類して得られた日本食パタンには、牛乳、ヨーグルト、チーズ、バターなどは含まれておらず、乳製品と認知症発症の関連は特に示されていないことになります。)

 

③和食と地中海食(マインド食)との関係2―共通して認知症予防効果があるもの―

和食と地中海食やマインド食に共通していて、認知症予防効果があると言われているものは、野菜、果物、豆類、魚の摂取と思います。(赤身)肉の摂取が少ないことも和食と地中海食(マインド食)の共通項目と言ってよいかもしれません。研究2にて、理論的な観点で作成し、認知症発症と関連が見られた日本食インデックスでは、牛肉・豚肉(つまり、赤身肉)の摂取量が基準量より下回ることで加点されていました。

まとめ

和食か地中海食(マインド食)かという問いを入り口としながら、掘り下げていきますと、この区別を越えて、健康に良いと言われているものが浮かび上がってきたと思います。
エビデンスレベルが高いとは言えない段階とは言え、示唆に富む結果であったのではないかと思います。
参考にしていただければと思います。

 

(文:星野 周也)

 

<認知症Cafést内関連記事>

 

<参考HP>

 

<参考文献>

  • 津川友介(2018)『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』(東洋経済新報社)
  • 佐々木敏(2015)『佐々木敏の栄養データはこう読む』(女子大学栄養出版部)

 

<参考論文>

  • 研究1
    Ozawa M, Ninomiya T, Ohara T, et al. Dietary patterns and risk of dementia in an elderly Japanese population: the Hisayama Study. Am J Clin Nutr 2013; 97:1076–1082
  • 研究2
    Tomata Y, Sugiyama K, Kaiho y, et al. Dietary patterns and Incident Dementia in Elderly Japanese: The Ohsaki Cohort 2006 Study. J Gerontol A Biol Sci Med Sci 2016; 71:1322-1328

 

和食 VS マインド食① 概論―認知症予防に効く!?―

 

マインド食の認知症予防効果について記した以下の記事は、本サイトでの人気記事の一つになっています。

 

認知症予防に効く!?マインド食

 

和食(日本食)の認知症予防効果はどうでしょうか。

 

和食の問題点―『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』に基づく―

本年、上梓されたUCLA助教授で医師の津川友介氏の『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』では、
日本食に近いパタンの食事をしている人ほど認知症のリスクが低いと示す研究の知見はあるものの、まだエビデンスレベルが強い知見(複数の研究の知見を統合して得られた知見や、対象者をランダムに振り分けて日本食に近い食事をしている人とそうでない人を比較して得られた知見)ではないと書かれています。

 

また、津川氏は和食の問題点として

 

  1. 炭水化物が多いこと
  2. 塩分摂取量が多すぎること

の2点を挙げています。

 

炭水化物のうち、日本人にとって最も身近な炭水化物である白米(この本では胚芽やぬかを取り除いた精製された「白い炭水化物」と呼ばれている。)は糖尿病のリスクを高めると指摘されています。また、塩分は血圧を高め、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高めるとのことです。

和食 VS マインド食(地中海食)

健康に良いと知られ、研究の裏付けが得られているのが地中海食であり、地中海食はマインド食(地中海食とダッシュ食の組み合わせ。ダッシュ食は米国発の高血圧を防ぐ食事法です。)のもととなっているものです。

 

和食と地中海食の違いについて、栄養疫学の研究者佐々木敏氏が分析(注:『佐々木敏の栄養データはこう読む!』による)をしています。

具体的には、日本人の平均食事摂取量で地中海食スコアを算出し、比較検討をされています。地中海食スコアはその人の食事がどのくらい地中海食に近かったかを数字化したものです。

<地中海食以上に地中海食的だった点>

(→ 地中海食スコアで高得点となる日本人の食事の特徴)

 

  • 穀類が多い
  • 豆類が多い
  • 肉類が少ない
  • 一価不飽和脂肪酸が豊富な油(ひまわり油、菜種油)が多い

 

注1:飽和脂肪酸に対する一価不飽和脂肪酸の割合が高いことで、地中海食スコアが高くなります。ちなみに、地中海食の中心であるオリーブ油は一価不飽和脂肪酸が豊富という特徴があります。

注2:参考として、油脂に含まれる一価不飽和脂肪酸の割合(括弧内は飽和脂肪酸の割合)を示すと、オリーブ油74%(13%)、高オレイン酸精製のひまわり油80%(9%)、菜種油60%(7%)、バター18%(50%)です。 

<地中海食と同程度>

(→ 地中海食スコアで中程度の得点となる日本人の食事の特徴)

 

  • 魚介類が比較的多い(注:魚介類は摂取量が多いほど地中海食スコアとしては高得点になります)

 

<地中海食からは遠いところ>

(→ 地中海食スコアで低得点となる日本人の食事の特徴)

 

  • 食物繊維が少ない
  • 野菜が少ない
  • 果物が少ない

 

佐々木氏はこの分析結果を踏まえ、和食に対してひまわり油と菜種油はオリーブ油に負けていませんし、赤身肉の少なさと魚の多さ、そして豆腐と納豆による豆類の多さではそれぞれ世界のトップクラスであると言われています。

和食の良さを活かす健康への道

よって、和食の良さを活かしつつ、以下の問題を乗り越えることが健康への道ということになるでしょう。

 

  • 白い炭水化物が多い
  • 塩分摂取量が多い
  • 食物繊維が少ない
  • 野菜が少ない
  • 果物が少ない

 

茶色い炭水化物

津川氏は、白い炭水化物に比べて、胚芽やぬかを取り除いていない(精製されていない)玄米などの茶色い炭水化物が健康によいと指摘しています。具体的には茶色い炭水化物が死亡率を下げ、心筋梗塞や脳卒中、
糖尿病の予防効果があるとのエビデンスを紹介しています。

 

茶色い炭水化物は食物繊維を豊富に含むことから、白い炭水化物を茶色い炭水化物に置き換えることは、食物繊維が少ないという問題を克服することにもなるでしょう。

塩分対策―かるしおレシピ―

塩分対策については、循環器病(心疾患と脳血管疾患)の治療と積極的な予防の観点から、国立循環器病研究センターが開発している「かるしおレシピ」が参考になります。

 

「かるしおレシピ」は循環器病の原因となる高血圧の予防のために、1食の塩分2g未満・500kcal台のバランス献立を目指すものです。昨年に上梓された『認知症リスク減!続々国循のかるしおレシピ』では、かるしおレシピにマインド食をプラスしたレシピが考案されています。

 

マインド食において地中海食と組み合わされた米国発のダッシュ食は高血圧予防を目指すものであり、かるしおレシピとの相性は良いのではないかと予想されますが、実際のところ、かるしおレシピは、魚や肉などのたんぱく質を多く含む食材を中心にした主菜1品と、野菜をメインに使った副菜2~3品の組み合わせとなっており、マインド食がすすめる食材のうち、魚や野菜、豆類を使うメニューが多いという特徴があります。

かるしおレシピでの工夫―日本人が意識しないと食事に取り入れにくい食材―

そのうえで、今回考案したレシピでは、日本人が意識しないと食事に取り入れにくい以下の4つの食材を献立メニューに組み込む工夫をしたとのことです。

 

・ナッツ類(アーモンド、ピーナッツ、カシューナッツなど)

 

・ベリー類(ブルーベリー、いちご、ラズベリーなど)

 

・全粒穀物(玄米ごはん、全粒粉パンなど)

 

・オリーブオイル

 

このうち、全粒穀物は津川氏が言う茶色い炭水化物のこととご理解いただけるであろうと思います。
オリーブオイル(オリーブ油)については、佐々木氏の議論を踏まえ、飽和脂肪酸に対する一価不飽和脂肪酸の割合が高い油(飽和脂肪酸が少なく、一価不飽和脂肪酸が多い油)と言い換えて応用して良いであろうと思います。

まとめ―和食と認知症予防について―

和食と認知症予防との関係についてはまだまだエビデンスが足りないということと思います。
一方、地中海食やマインド食と和食に重なる点も多いことがご理解できたのではないかと思います。

 

そのうえで、地中海食と比べて不足している点や、マインド食に近づくために意識して取り入れる必要があるものを示しました。今後、さらなる研究と実践の蓄積を期待しています。

 

(文:星野 周也)

 

<認知症Cafést内関連記事>

和食 VS マインド食② 日本人の食事を対象とした研究結果から

認知症予防に効く!?マインド食

マインド食レシピ本

地中海食のおかげでスペインが世界最長寿国になる!?

 

<参考文献>(←アマゾンへのリンクあり)

津川友介(2018)『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』東洋経済新報社

佐々木敏(2015)『佐々木敏の栄養データはこう読む!』女子栄養大学出版部

国立研究開発法人国立循環器病研究センター(2017)『認知症リスク減!続々国循のかるしおレシピ』株式会社セブン&アイ出版社 (アマゾンへのリンクは2019年の最新版のものです。← 2020/01/24追記)

 

認知症とカレーについて

 

 

こんにちは。
認知症Cafést Online編集員のクロです。

 

本日は認知症とカレーについてご紹介いたします。

 

 

認知症の中で最も患者数が多いのがアルツハイマー病で、脳の神経細胞の中に特殊なゴミが溜まることで
発症する
のはご存知の方も多いかと思います。
そんな中、カレーなどに入れるターメリックというスパイスに含まれる「クルクミン」にはそのゴミを
溜まりにくくする作用
があるそうです。お気づきの方もいるかと思いますが、ターメリックの和名は「ウコン」です。

 

「ウコン」といえば二日酔い対策で飲まれる方もいるかと思いますが、知らないうちに認知症の予防を
兼ねていたことになりますね。
ウコンは認知症のみならず、健康効果が期待できる成分だそうです。

 

特にカレーでクルクミンを摂ることでより予防効果が高まるそうです。どんなカレーにもターメリックは
入っているため、レトルトや外食でも手軽にクルクミンを摂取することができるようです。
レトルトを選ぶときは、ヨーグルトやチーズが使われているカレーにするとクルクミンとの相乗効果も
期待できる
そうですよ。

 

しかし、クルクミンの過剰摂取は肝機能障害を引き起こしてしまうケースもあるそうなので、むやみやたらに摂るのは控えることも大切になります。

たとえ身体に良いとされている食品も、摂りすぎは毒になりうることもありますので、日頃から心に留めておくことが必要です。
肝臓に問題のない方は1日おきくらいの頻度で食べるくらいがちょうどいいそうです。

 

私はカレーが大好きで定期的にはメニューに組み込んでいるのですが、週に3回程度食べることは今まで
ほぼ無かったので、一度試してみようかと思っています。

 

 

 

 

☆☆イベント情報☆☆

 

 

こんにちは、認知症Cafest Onlineイベント情報担当スタッフのKです。

ここでは地域での認知症関連のイベント情報をご案内します。

今回は『オレンジカフェ ふじみん』のご案内です。

オレンジカフェふじみん

 

開催日:9月12日(水) 14時~16時

 

場所:福祉の街 グループホーム鶴ケ岡
埼玉県ふじみ野市鶴ケ岡3-19-84

 

料金:100円(飲み物付き)

どなたでもお気軽にお立ち寄りください!

問い合わせ先:ふじみ野市 高齢者あんしん相談センター つるがまい(TEL:049-256-6061)

オレンジカフェふじみんは、認知症になっても住み慣れた地域で安心して過ごせるよう、
認知症の方やその家族、地域住民などが集い、交流する場です。

コーヒーやお茶を楽しみながら、日々の悩みを相談したり、顔なじみの関係を築きながら、
気軽に安心して過ごせる場所を一緒につくっています。

是非一度、足を運んでいただければ幸いです。