認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)について

 

本日は認知症Cafest Online編集スタッフのKが、Editor‘s Tweetをお届けします!

 

現在、超高齢化の中、平成28年度には622万人の要介護、要支援者がいる中で、その方たちを支える介護職員の数はわずか183.3万人となっています。
そんな中で、団塊の世代が2025年ごろまでに後期高齢者(75歳以上)となることで、社会保障費の急増を迎えるいわゆる「2025年問題」がすぐそこまで迫っています。

 

 

そこで本日は、令和元年6月 18 日に開催された「認知症施策推進関係閣僚会議」の内容についてつぶやいていきます。

認知症施策推進関係閣僚会議

認知症施策推進関係閣僚会議は2015年1月に厚労省が中心となり、12府省共同により策定された認知症施策推進総合戦略(通称:新オレンジプラン)で7つの柱を掲げている認知症施策です。

≪新オレンジプランの7つの柱≫

 

①普及・啓発
②医療・介護
③若年性認知症施策
④介護者支援
⑤地域づくり
⑥研究開発
⑦本人・家族視点の重視

 

この新オレンジプランの対象期間が2015年~2025年となっており、主要施策については、3年ごとに数値目標を設定する流れとなっています。

 

今回の認知症施策推進関係閣僚会議では「共生」と「予防」の内容に関して新規、拡充施策が行われています。
※予防とは認知症にならないということではなく、発症を遅らせる、進行を緩やかにするといった意味です。
特に、この二つを両輪として施策を推進するものとなっています。

 

この認知症施策推進大綱に関しては、本当はかなり細かく具体的な施策なども記載されており、内容の紹介をしたいのですがとても多い為、また今後のツイートで紹介できたらと思います。

認知症だからではなく、人として…

認知症だからではなく、人として当たり前のことが当たり前に行える事、そのために社会全体が考え方を正していくことが必要だと感じます。

これは認知症だけではなく、介護、高齢者などについても同じような気がします。
そのための「共生」と「予防」になってほしいですね。

 

<認知症Cafest Online内関連記事>

認知症対策大綱の成立に寄せて

 

<参考サイト>

首相官邸 HP

 

スマホを用いた業務効率化―メディカルケアステーションとケアコラボを事例に―

 

1116日(土)、東京都中央区の区役所で行われた在宅療養シンポジウムに、情報収集の一環で参加しました。
そこで、医師会立中央区訪問看護ステーションによるスマホを用いた業務効率化の事例を聞きましたので、ご紹介したいと思います。こちらの訪問看護ステーションが使っていたのが、医療や介護用のSNSである「メディカルケアステーション(MCS)」(注:エンブレース株式会社が運営している)でした。最近、耳にしていたSNSであり、どういうものか関心を持ちました。

 

注1:弊社の本社が東京中央区にありますが、本社近くの立て看板でチラシを見つけました。上記の画像はそのチラシの一部になります。
注2:このシンポジウムのプログラムは、第一部は聖路加国際病院の木村哲也先生の講演、第二部は在宅療養に関するパネルディスカッションでした。

メディカルケアステーションの活用事例

メディカルケアステーションは、コミュニケーションアプリのLINE(ライン)を使われる方なら、LINEのイメージで考えてくださると良いと思います。
下の画像も参考にしてください。

 

注:画像は(リンク先の)メディカルケアステーションの紹介ページから入手しました。

 

医師会立中央区訪問看護ステーションによる事例紹介のプレゼンでは、

 

 

・利用者さまごとにトークルームを開いている。

・メール感覚で書類を送ることができ、画像や動画も送ることができる。

 

 

と紹介されていました。
そのトークルームに、利用者や家族も含め、医師、看護師、ケアマネなどの関係者が加わり、参加者間でトークを重ねて、情報共有や連携をしているようです。参加者はスマホから発信できます。

質問コーナーでの質疑応答

質問コーナーがあったので、挙手して、認知症Cafést編集スタッフとしての視点も加味して、質問をしてみました。

 

Q.何割の利用者で利用されていますか?

 

「全体の一割程度。ご家族の了承が得られた場合に利用をしている。一方、情報漏洩のリスクを懸念されるご家族の方もいる。」

 

「ある使用事例では、ご家族がフランスにいらっしゃり、(その遠方の)ご家族との連絡手段に活用している。」

 

Q.利用者に認知症がある場合にはどうしていますか?

 

「トークをするグループとして、本人を入れたグループを設ける場合と、本人を除いたグループを設ける場合がある。(使い分けをしている。)」

 

注:ある利用者の場合には本人を入れてグループを設けるが、別の利用者の場合は本人を入れないということなのか、一人の認知症の人に、2つのグループを設け、使い分けをしているということなのかは、(聞き手としては、どちらの可能性もありうると思えたため)このやりとりからは定かではありませんでした。

ケアコラボの活用事例

メディカルケアステーションの活用事例を聞きながら、類似の特徴があるものとして思い出したのが、「ケアコラボ」(ケアコラボ株式会社が提供している)という介護記録のアプリです。(注:こちらのアプリは、2018年5月30日に開催された「未来をつくるkaigoカフェ×介護ロボットオンライン」というイベントにて、話を聞きました。)

 

以下2つの記事をもとに、このアプリの特徴を描いてみます。

 

1. すべての記録をケアコラボに移行!杜の家やしおの新しい介護記録の形とは?|介護ロボットONLINE

2.スマホ使って業務の効率UP 職員間連絡やケア記録もアプリで(福祉楽団)|福祉新聞web

「ケアコラボ」の特徴

これらの記事等を踏まえますと、
「ケアコラボ」は、

 

・利用者ごとにフェイスブックのページがあるイメージ。そのページにタイムライン(時系列)で記録していく。

・スマホで記録できる。

・日々の記録を文章以外に、写真、動画でも残すことができる。

・利用者の家族への「共有機能」がある。(家族が参加でき、閲覧でき、コメントを打てる。)

 

という特徴があります。「利用者ごとのページ」、「スマホで完結しうる」、「写真、動画を残せる」、「家族も参加できる」などはメディカルケアステーションとの共通点と思います。

 

ITの導入と介護サービス業で働く人の満足度との関係

ある調査―「介護サービス業で働く人の満足度調査」―の結果では、「ロボットやITの導入が進んでいる施設で働いていると、介護職員の仕事に対する満足度は高くなる」と報告されています。このようなデータは、スマホを用いた業務効率化のような取り組みが、職員の仕事に対する満足度を高めることにつながるという期待を持たせてくれます。

「介護サービス業で働く人の満足度調査」について

上記の「介護サービス業で働く人の満足度調査」は、株式会社リクルートキャリアが『HELPMAN JAPAN』というプロジェクトの中で、2018年8月に行った調査です。プレスリリースによれば、『HELPMAN JAPAN』は、日本の介護サービス業の就業人口を増やすことを目的としているとのことです。

 

この調査の概要は下記のとおりです。

 

・web調査で18~59歳の全国の男女1,500名に回答をしていただいている。

・このうち、1,000名が、「現在、介護職に従事している」、あるいは、現在は介護職に従事していないが、今までに介護職を経験したことがある。(注:「介護職に従事している」と、見出しに掲げている「介護サービス業で働く」は、同じ意味です。)

 

この満足度調査の結果の一部紹介

以下、紹介するのは、この1,000名分のデータ、つまり、現在、あるいは、過去に介護職従事者であった方々の回答データになります。
1000名の内訳は、750名が現在の介護職従事者で、250名が過去の介護職従事者です。

働く施設に対する満足度に対する設問の回答

「あなたは現在お勤めの介護施設での仕事に、どの程度満足していますか。」という設問に対する回答です。(注:過去に介護職従事者であった場合には、最後にお勤めになっていた介護施設のことについての回答とのことです。)

 

1,000名(現在あるいは過去の介護職従事者)の回答の分布は下表のとおりです。

 

1 とても満足 4.2%

満足・計
49.5%

2 満足 11.6%
3 ある程度満足 33.7%
4 どちらともいえない 20.6%
5 あまり満足していない 14.0% 不満・計
29.9%
6 満足していない 6.8%
7 まったく満足していない 9.1%

 

1,000名全体では、勤務先に対して、満足していると回答した(「満足・計」 )割合は49.5%、どちらともいえないは20.6%、満足していないと回答した(「不満・計」)割合は29.9%でした。

勤務先におけるITの導入状況と介護職従事者の満足度との関係

この1,000名全体での満足度の分布が、勤務先におけるITの導入状況により変わるかどうかを示したのが下表です。

 

IT導入ありと回答した場合(508名)と未導入の場合(492名)では介護職従事者の満足度の分布に差が見られました。IT導入ありの場合、「満足・計」は55.1%、「不満・計」は25.4%、未導入の場合、「満足・計」は43.8%、「不満・計」は34.5%で、IT導入ありの場合に、満足と回答する人の割合が増え、不満と回答する人の割合が減るという結果でした。

 

導入あり
508名
未導入
492名
満足・計 55.1% 43.8%
どちらとも
いえない
19.5% 21.7%
不満・計 25.4% 34.5%
100.0% 100.0%

 

注1:「IT導入あり」の集計にあたっては、以下の設問項目群(注2)に対して、「導入あり」か否かを尋ねており、これらの回答に基づき集計をしていると予想されます。例えば、1個でも導入ありであれば「IT導入あり」で、1個も導入がなければ「未導入」と判別してカウントするなど予想されます。

注2:設問項目群(17個)は以下の通り。①「介護記録の保存を紙ではなく、WEBで行っている」、②「一人一人の職員が施設のメールアドレスを保有している」、③「電子カルテを導入している」、④「タブレット・スマホなどで、介護記録の入力ができる」、⑤「WEBシステムにより、常に利用者・入居者の情報が共有できる」、⑥「WEBシステムにより、職員のシフト管理、入力ができる」、⑦「事務処理や経営補助のため、介護業界専用のITシステムを導入している」、⑧「施設の天井や壁にカメラ・センサーがある」、⑨「WEBシステムを利用し、スタッフ間での情報共有、情報発信ができる」、⑩「自施設だけでなく、医療機関や自治体などと情報共有ができるITネットワークがある」、⑪「介護技術の勉強や共有をタブレット・スマホでできる独自のシステムがある」、⑫「一人一人の職員にタブレット・スマホが支給されている」 、⑬「インカムを装着し、どこにいても施設内の状況把握を耳で行うことが可能になっている」、⑭「本人に生まれ育ったところや若いときに働いた職場などの動画や写真で見せることのできる仕組み」、⑮「家族に伝達・尋ねることなどをお知らせする仕組み」、⑯「利用者、及び入居者の位置が分かるGPSシステムを導入している」、⑰「本人と家族などがテレビ電話できる仕組み」

 

勤務先におけるロボット導入状況と介護職従事者の満足度との関係

続いて、1,000名の介護職従事者の満足度の分布が、勤務先におけるロボットの導入状況により変わるかどうかを示したのが下表です。

 

IT導入ありと未導入の場合と同様に、ロボット導入あり(577名)と未導入(423名)の間 には差が見られました。
ロボット導入ありの場合、「満足・計」は52.3%、「不満・計」は30.5%、未導入の場合、「満足・計」は45.6%、「不満・計」29.1%でした。つまり、(ロボット導入ありの場合と未導入の場合との間に)不満の割合には差は見られなかったものの、ロボット導入ありの場合に、未導入の場合に比べて、満足と回答する人の割合が増えるという結果でした。

 

導入あり
577名
未導入
423名
満足・計 52.3% 45.6%
どちらとも
いえない
17.2% 25.3%
不満・計 30.5% 29.1%
100.0% 100.0%

 

注1:「IT導入あり」の集計と同様に、「ロボット導入あり」の集計にあたっては、以下の設問項目群(注2)に対して、「導入あり」か否かを尋ねており、これらの回答に基づき集計をしていると予想されます。

注2:導入状況を尋ねている設問項目群(8個)は以下の通り。①「見守り支援機器(介護施設型)」、②「入浴支援機器」、③「移動支援機器(屋内型)」、④「排泄支援機器」、⑤「移動支援機器(屋外型)」、⑥「移動介助機器(非装着型)」、⑦「移動介助機器(装着型)」、⑧「見守り支援機器(在宅介護型)」について導入状況を尋ねています。

注3:注2でのロボットの分類については、厚生労働省の関連ページや、介護ロボットポータルサイト(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)を参照してください。

コメント①―仕事満足度が勤務継続意向を支える―

データは割愛しますが、この調査では、勤務先での仕事について満足していると回答している人で、満足していないと回答している人に比べて、「働き続けたい」と回答する人の割合が高い結果も得られています。仕事への満足度が勤務継続意向を支えているのはごく自然な結果と言えるでしょう。

 

したがって、まとめの言い方になりますが、スマホを用いた業務効率化のような取り組みが、介護サービス業で働く人の仕事に対する満足度を高め、(満足度を介して)勤務継続意向を高めることが示唆されています。

コメント②―介護施設や現場に対するIT導入の効果―

介護現場へのITの導入状況についてですが、まず、私の経験で述べますと、2014~2016年に働いていた複数の介護現場(デイサービス、小規模多機能、特養、グループホーム、有料老人ホーム)では、概ね、記録は紙でしてましたし、申し送りも紙に書いていました。web化(電子化)が進んでいたとしても部分的で、例えば、利用者Aさんの記録がwebで行われていても、同じAさんの申し送りが紙でなされているというような状況でした。

 

今回の調査データで計算してみますと、一例になりますが、「介護記録の保存を紙ではなく、WEBで行っている」と回答した人は、1000名中151名(15.1%)で、2割にも満たない数でした。
また、「WEBシステムを利用し、スタッフ間での情報共有、情報発信ができる」と回答した人は69名(6.9%)、「自施設だけでなく、医療機関や自治体などと情報共有ができるITネットワークがある」と回答した人は57名(5.7%)でした。

 

したがって、現状は介護施設や現場にIT導入が進んでいるとは言い難く、IT導入のための積極投資は、業務効率化など職場環境を改善し、働く人の満足度を向上させる可能性があると考えられます。

(注:ロボット導入にしても概ね同様―ロボット導入により満足度を向上させる―と思うものの、データ上は、IT導入状況と介護サービス業で働く人の満足度との関係に比べると、少し弱いと思いましたので、結果を示すのみに留め、それ以上のコメントは避けました。IT導入状況と満足度との関係も含めて、さらなる分析や調査が望まれます。)

 

(文:星野 周也)

 

AIで見づらさを解消―読み上げアプリ「Seeing AI」―

 

こんにちは。カフェスト編集スタッフのマツです。

 

当サイトでもたびたびお伝えしていますが、視覚・聴覚の衰えは認知症の大きな要因の一つです
見えない・聞こえないことから情報が得づらくなり、情報を得ようとする意欲が低下するとともに、脳への刺激の少なさから思考力や判断力が低下してしまうと考えられています。

以前の記事で、視力が衰えても情報を得られるように、視覚障碍者向けのスマートホンアプリをいくつか紹介しました。
今月、マイクロソフトから強力なアプリがリリースされましたので、今回はそのアプリをご紹介します。

 

Seeing AI

Seeing AI はマイクロソフト社が開発したアプリで、スマートフォンのカメラの映像をAIで分析し、文字や風景、人物などを読み上げてくれます
アプリを起動し、画面下部のメニュー領域を縦にフリックし、認識させたい内容を選んでからカメラを向けると、カメラに映った内容を合成音声で読み上げてくれます。

 

例えば、メニューで“短いテキスト”を選んでからカメラを看板などに向けると、看板の中の文字を読み上げてくれます。
“ドキュメント”を選ぶ と、書類の用紙を認識して内容を読み上げます。このとき、用紙の全体がカメラに映るよう、「右下が欠けています」というように教えてくれたり、用紙全体が映ったら自動でシャッターを切ってくれます。
他にも“紙幣の認識”“色の認識”など、さまざまなものを認識して読み上げてくれます。

 

 

こんなときに使えるかも

短いテキスト
薬袋の文字を認識させることで、用法・容量の確認、誤用・誤飲の防止 郵便物の差出人の確認 お菓子や調味料の確認
ドキュメント
介護サービスの契約書を読み取って、契約内容を確認 郵便物の内容の確認
人物
訪問介護や看護で、誰が来たのかを確認
色の認識
毎日着る洋服の色の確認

 

得られる価値はプライスレス
気になるアプリのお値段は?

実は、類似のアプリは既に存在します。しかし、ここまで高機能になると有料、しかも数千円と高額になります。
今回ご紹介した Seeing AI は、なんと無料で公開されています。

 

見えにくさを感じている方は、ぜひお試しください。

App Store からダウンロード

 

 

☆☆イベント情報☆☆ やさか町オレンジカフェ(12/21)

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのSです。

静岡での認知症関連のイベント情報

今回は静岡で開催される『やさか町オレンジカフェ』のご案内です。
このカフェは認知症の人や介護をするご家族の居場所となるとともに、医療・介護の専門職と、お茶を飲みながらお悩み事などのご相談に応じます。

 

 

やさか町オレンジカフェ

 

開催日
12月21日(土) 13時30分~15時30分
場所
セントケア八坂東 小規模多機能
静岡県静岡市清水区八坂東二丁目7-1
内容
『続・テンダーラビングケア』と懇談(※テンダーラビングケアは、日時が変更になる場合があります。)
料金
無料(飲み物付き)
どなたでもお気軽にお立ち寄りください!

補足:テンダーラビングケアとは?

テンダーラビングケアに関する日野原重明先生(故人)による説明を発見しましたので、共有しますね。

 

最期のケアと書かれています。患者の死亡が差し迫ったときにおける優しい愛のケアということのようです。

 

日野原重明の100歳からの人生 テンダー・ラビング・ケアとは|ヨミドクター(読売新聞)(2011年9月30日)

 

最期のケアが始まる時には、担当の看護師は入院の記録の中に日付と時間とともに、「テンダー ・ ラビング ・ ケア」、略してTLCと書き、サインをします。テンダ―とは心優しいという意味です。即ち優しい愛のケアです。それをTLCの略語で書きます。

(中略)

当人を最上に愛する友や両親、家族は、TLCのサインがされるとみんなが集中して、患者の手や足をマッサージしたり、患者の好きだった音楽をかけたり、音楽療法士が患者の気持ちに一番あった音楽を楽器で奏でたりします。患者と音楽療法士とがデュオすることもあります。

 

問い合わせ先

セントケア八坂東(TEL: 054-371-5960)

 

 

☆☆イベント情報☆☆ オレンジカフェ(12/20、春日部)

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのSです。
ここでは地域での認知症関連のイベント情報をご案内します。

 

今回は埼玉県春日部でのオレンジカフェ(認知症カフェ)のご案内です。オレンジカフェは認知症の人やその家族、地域の人や専門職など誰もが気軽に参加でき、相談や情報交換ができる場です。

 

 

オレンジカフェ(認知症カフェ)

 

開催日
12月20日(金) 14時~15時30分
場所
小規模多機能 ふくしのまち春日部
埼玉県春日部市金崎982-1(地図
料金
無料

申込は不要です。時間内であればいつでも参加可です。
どなたでもお気軽にお立ち寄りください!

問い合わせ先

春日部市第8地域包括支援センター(TEL:048-746-5190)

 

 

アルツハイマー病の治療薬「アデュカヌマブ」及び血液診断について―米国での国際学会報告から(2019年12月)―

 

今月(2019年12月)4日から7日まで米国カリフォルニア州サンディエゴで開催された第12回アルツハイマー病臨床試験会議(Clinical Trials on Alzheimer’s Disease: CTAD)にて、エーザイとバイオジェンが共同開発中のアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」の臨床試験の詳細データが公表され、話題になっています。(注:この結果に基づき、2020年の早い段階で新薬承認申請を予定しているとのこと) 

 

また、この国際学会では、エーザイとシスメックスが共同開発中の血液によるアルツハイマー病の診断法についても報告されたようで、興味深く思っています。早期診断と早期治療はセットで考えるべきであり、早期に異常(アルツハイマー病)を検知できたならば、治療の効果も高まるであろうからです。

 

カフェストにも、最新動向として書き留めておきたいと思います。

アルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」に関する記事

エーザイが大幅に3日続伸、新アルツハイマー薬の詳細データ公表|朝日新聞2019126日付

認知機能低下の進行遅く 米製薬・エーザイ新薬の開発|日本経済新聞2019年12月6日付(有料会員限定)

アルツハイマー新薬候補、認知機能の低下2割抑える…米企業報告|読売新聞2019年12月11日付

血液によるアルツハイマー病診断法に関する記事

アルツハイマー病の早期診断に道 シスメックス|日本経済新聞2019年12月9日付(有料会員限定)

アルツハイマー病、血液診断に道|日本経済新聞20191210日付(有料会員限定)

「アデュカヌマブ」と血液診断に関する国際学会で報告された結果

研究開発の深部に立ち入る力は十分にはないのですが、理解できる範囲で、内容を確認しました。

 

アルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」の臨床試験の経過と結果

 

・20193月に一度、「アデュカヌマブ」の試験は、目標(≒治療効果)を達成できる可能性が低いとして中止になった。

・解析対象者数を増やして、バイオジェンが再解析を実施した。

・1つの試験における結果であるが、アデュカヌマブが高用量投与された人たちにおいて、比較対象(≒アデュカヌマブが投与されていない)の人たちと比べて、記憶、見当識、言語などの認知機能の悪化が統計的に有意に抑制された。

・同時に、アデュカヌマブが高用量投与された人たちでは、比較対象の人たちと比べて、アミロイドβが脳内から統計的に有意に減少した。(頭痛などの副作用も見られた。)

・前回の結果との違いについて、バイオジェンは、解析対象被験者数の増加のほか、より多くの被検者に高用量投与を可能とする研究デザインに変更したことなど複数の要因が関与したと考察している。

 

研究結果についての補足①―想定されている因果関係―

今回の研究結果は、「認知機能の悪化が抑制されたこと」と、「脳内からアミロイドβが減少したこと」が同時に起こったという結果ですが、「脳内からアミロイドβが減少したから、認知機能低下の進行が遅くなった」と、2つの間に因果を想定して、結果は理解されているものと思います。

研究結果についての補足②―アミロイド仮説(復習)―

この因果関係は、以前の記事で紹介したとおり、アルツハイマー病の病理に関するアミロイド仮説に立脚しています。アミロイド仮説は以下のとおりです。

 

アミロイドβというタンパク質が脳の神経細胞の外で異常に蓄積する。これが引き金となり、もう一つの病変としてタウというタンパク質の異常な蓄積(神経原線維変化と言われる)が起こる。アミロイドβの蓄積や神経原線維変化が、神経細胞の機能障害を誘発し、細胞死に至らしめる。その結果、認知機能の低下やアルツハイマー病の発症が見られる。(このアミロイド仮説に基づけば、蓄積されたアミロイドβを破壊することが、アルツハイマー病の効果的な治療法になると導かれる。)

 

血液診断に関する解析の結果

概説

脳内のアミロイドの状態を把握するためには、現在は、アミロイドPETと脳脊髄液の検査を行いますが、今回の報告において、血液での検査結果と、アミロイドPETに基づく判定結果との間に関連性が認められました。このことは、アミロイドPETでの判定を、血液検査で代替できる可能性を示しています。

研究結果についての補足①―アミロイドPETと脳脊髄液の検査―

PET(ポジトロン断層撮影)は、放射性薬物を体内に取り込ませ、放出される放射線を特殊なカメラでとらえて「脳の働き」を画像化します。ブドウ糖や酸素の代謝の状況を確認でき、脳内のアミロイド凝集状況を検出できます。しかし、PETの検査ができる病院・施設は限られているほか、アルツハイマー病の診断を目的とする場合に、自由診療扱いになり、高価である(ある病院の事例ですが、14万ほどかかります)という課題がありました。

 

また、脳脊髄液を採取するには、腰椎穿刺(ようついせんし)と呼びますが、背中から針を刺して採取します。痛め止めの麻酔をします。こちらは、痛みなど身体への負担が高いという課題がありました。

研究結果についての補足②―脳脊髄液の検査の考え方―

アミロイドβは、40個前後のアミノ酸がつながったタンパク質ですが、複数種類があります。アミノ酸が40個のアミロイドβ1-40と、42個のアミロイドβ1-42(注:1-401-42はβの右下に記載する書き方もあります。)の比率(適宜、Aβ1-42/Aβ1-40と略する)―とりわけ、脳脊髄液中におけるこの比率(Aβ1-42/Aβ1-40)―が、アミロイドPETの結果と高い相関を示すことが知られており、脳脊髄液中におけるこの比率が、脳内のアミロイドの状態の把握に活用されていました。

 

今年の7月に開催されたアルツハイマー病協会国際会議にても、今回の国際学会の報告でも、血液中の2つのアミロイド比率(Aβ1-42/Aβ1-40)と、脳脊髄液の中のこの比率(Aβ1-42/Aβ1-40)との間に関連性―血液中のこの比率が高い(低い)場合に、脳脊髄液中のそれも高い(低い)という関連性―が確認されています。

今回の国際学会での報告内容とその可能性について

今回の国際学会で報告された、血液での検査結果と、アミロイドPETに基づく判定結果との間の関連性とは、血液中の2つのアミロイド比率(Aβ1-42/Aβ1-40)と、アミロイドPETに基づく判定結果との関連性ということです。よって、(総合すると)アミロイドPETに基づく判定結果、脳脊髄液中のAβ1-42/Aβ1-40、血液中のAβ1-42/Aβ1-40―これらの者の間には互いに関連性が認められ、3者のうちのどれかの結果が得られれば、他の2つの結果も予想できるという議論につながります。

血液検査(血液診断)に関する解析のまとめ

 

・脳内のアミロイドの状態を把握するために、既に活用されている、アミロイドPETと脳脊髄液の検査のそれぞれにつき、血液検査の結果と統計解析上の関連性を示す結果が得られた。

・従って、血液検査により、脳内のアミロイドの状態を把握できる可能性、すなわち、血液検査により脳内の状態を診断できる可能性が示唆された。

 

コメント①―「アデュカヌマブ」の試験結果について―

アルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」の試験では、脳内のアミロイドの減少と、(表面に現れる)認知機能の悪化抑制との関連性が検討されています。これは18カ月間の試験期間があり、この期間の中での各被検者における、脳内のアミロイドの変化と、認知機能の変化との間に関連性―アミロイドが減り、認知機能の悪化が抑制された―が認められたという結果でした。

 

一方、以前の記事で記したとおり、アメリカの修道女678名を対象とした研究で、修道女が亡くなった時に脳を解剖した結果から、脳内の状態と、認知機能の低下との関係に、(個別に見れば)個体差が認められていることも知られています。つまり、脳内でアルツハイマー病が進行していても、認知機能に異常がなかったという人がいましたし、逆に、脳内でアルツハイマー病が進行していなくても、認知機能が低下している人がいました。

 

後者の修道女を対象とした研究からは、脳内のアミロイドβの状態ですべてが決まることはなく、個体差―認知機能の低下が認められた場合の脳内のアミロイドβの多寡における差、あるいは、アミロイドβの蓄積が認められた場合の認知機能の低下の程度の差―があるものと思われます。しかし、「アデュカヌマブ」の試験結果は、ひとりの個人におけるアミロイドβが多い状態と、少ない状態とでは、少ない状態の方が、認知機能の悪化が抑制されることを示唆する結果と言えます。垢を落とすというように、脳内のゴミと比喩されるアミロイドβがたまってしまったならば、取り除いた方が良いのではないかと思わされる結果であったと言えます。(注:1つの試験では認知機能の悪化を抑制できましたが、別の試験では抑制できなかったという結果も公表はされており、1つの試験の結果からの過剰な期待は慎むべきではあります。)

コメント②―血液診断による解析結果について―

繰り返しになりますが、アルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」の試験では、脳内のアミロイドが減り、認知機能の悪化が抑制されたという結果が得られました。脳内の状態、及び、症状の2つで変化があったということでした。

 

一方、柳澤勝彦氏へのインタビュー記事(←リンクあり)に示されているとおり、アルツハイマー病患者の脳では、認知機能低下が起こる20~30年前から変化が始まっていると言われていることを踏まえると、診断にあたっては、症状としては変化がなくても、脳内で起こっている変化を捉えることが求められます。2018年に米国食品医薬品局(FDA)が出した声明では、PET検査などのバイオマーカーの変化が認められれば、症状の変化の有無によらず、薬を承認する方針に変わったということです。(注:バイオマーカーは、血液や尿などの体液や組織に含まれる、タンパク質や遺伝子などの病気の変化や治療に対する反応に相関し、指標となるもののことです。)

 

治療を目指した場合は2つが同時に変化することを評価していますが、診断を目指した場合は、2つのうち1つが変化する(これも、残りの1つが現在で変化は見られずとも、未来には変化する―認知機能の低下という症状があらわれる―だろうと見込んでいる)ことを評価をしており、目標が治療なのか診断なのかで違いがあることが確認できます。

 

今後の動向にさらに注目してまいります。

 

(文:星野 周也)

 

<参考>

アデュカヌマブ臨床第Ⅲ相試験で得られた大規模データセットの新たな解析結果に基づき、アルツハイマー病を対象とした新薬承認申請を予定|エーザイ株式会社のニュースリリース(2019年10月22日付)

同上|バイオジェンのプレスリリース(同日付)

バイオジェンのアデュカヌマブ、試験1つでは臨床症状の進行抑制せず|ブルームバーグ(2019年12月6日付)

血液による簡便なアルツハイマー病診断法の創出に向けた学術報告~第12回アルツハイマー病臨床試験会議(CTAD)における発表内容について~|エーザイ株式会社のニュースリリース(2019年12月9日付)

同上|シスメックスのニュースリリース(同日付)

腰椎穿刺検査|慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト 

脳脊髄液検査|CMT友の会

アルツハイマー病 髄液検査で診断精度向上 湘南藤沢徳洲会病院|徳洲会グループ

アルツハイマー病超早期発見のための血液アミロイドβの質量分析|IROOP あたまの健康応援プロジェクト

アルツハイマー病変の早期検出はどんな可能性をひらくのか|医学書院

PET(ポジトロン断層撮影)|認知症フォーラムドットコム

検査依頼時の注意事項|東京女子医科大学病院 総合外来センター 核医学・PET検査室

バイオマーカー|国立がん研究センターがん情報サービス

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☆☆イベント情報☆☆ てんのうだいおれんじカフェ(12/18、我孫子)

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのSです。
地域での認知症関連のイベント情報をご案内します。

 

千葉県我孫子で開催される『てんのうだいおれんじカフェ』のご案内です。
「みんなで地域を支え合える住みよいまち作り」がこのオレンジカフェのコンセプトです。
毎月第4水曜日に開催しています。12月は第3水曜日に開催になります。

 

 

てんのうだい おれんじカフェ(12/18、我孫子)

 

開催日
令和元年12月18日(水) 17時~20時
プログラム 17時15分~18時30分
食事 18時30分~
場所
セントケア我孫子デイサービス(千葉県我孫子市天王台4-5-1 シャトー天王台1F)
内容
「クリスマス飾りでお部屋を明るく!」~クリスマスの思い出作り~
講師
福井 奈美子 氏(フラワーアレンジメント講師)
料金
実費(材料費500円、軽食・飲み物代500円)/今回は材料費をご用意ください。
持ち物
上履き

 

どなたでもお気軽にお立ち寄りください!
お好きな時間に、お一人でも、グループでもお気軽にご参加ください。

 

オレンジカフェのお手伝いをしてくれる方も募集中です!

 

問い合わせ先

田中直通/090-3427-7466
セントケア我孫子デイサービス/04-7181-7580

 

 

 

 

河内晩柑とベリー

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのUです。

 

先日、ビックサイトにて行われた、からだ改善プロジェクトに出展させていただいた際に、POM アシタノカラダ 河内晩柑ジュース」を配らせていただいたところ、大変ご好評を頂いたので、再度ご紹介させていただきます。

河内晩柑(かわちばんかん)

河内晩柑(かわちばんかん)は、文旦の血を引く偶発実生(注1) の柑橘(かんきつ)だそうです。河内晩柑の果皮に多く含まれるオーラプテン(注2) は、脳の炎症を抑える働きにより神経細胞の死や老化に伴う脳機能の障害を抑制することで、中高年の方の、認知機能の一部である記憶力(言語を記憶し、思い出す力)を維持する機能があると考えられるそうです。

 

注1:偶発実生(ぐうはつみしょう)は、品種の育成や誕生における概念の1つ。自然に落ちた種や捨てられた種から種子親を超える特性を持つ偶然発見された品種のことを偶発実生と言います。品種の育成や誕生における概念のその他の例として、人工的に新たな品種を作り出す「交雑」や樹園地の中で突然変異を見つけ出す「枝変わり」などがあります。←参考サイト(愛媛県庁のサイトから)

注2:河内晩柑のオーラプテンの含有量は、八朔の約3倍、グレープフルーツの約4倍含まれている。←参考サイト

 

注:画像は愛媛県愛南町公式ホームページより取得しました。

河内晩柑ジュースは愛媛県の産学官連携の成果

河内晩柑(かわちばんかん)ジュースは愛媛県の産学官連携の成果であることも魅力と思います。

 

商品開発の経緯は以下の通りです。

 

・河内晩柑には機能性成分のオーラプテンが他の柑橘(かんきつ)類に比べ特異的に多く含まれること、そのオーラプテンが、脳内の炎症を強く抑制する効果があることが松山大学薬学部で確認される

・それを受けて、平成26-28年度に愛媛県戦略的試験研究プロジェクトが組まれ、その成果で、「POMアシタノカラダ河内晩柑ジュース」が生まれた

・具体的には、中高年の方の認知機能の一部である記憶力を維持する効果が愛媛大学でのヒト介入試験により証明され、昨年12月から株式会社えひめ飲料が飲料として商品化した

 

参考

「全国食品技術研究会」で最優秀賞を受賞しました|愛媛県産業技術研究所(愛媛県庁のサイト)

 

グレープフルーツに似たような苦みとベリー

私も飲ませていただきましたが、グレープフルーツに似たような苦みがありますが、とても飲みやすく感じました。

 

思い起こされるのが、認知症予防に効くとされるマインド食で推奨されているベリー。ベリーは、ストロベリー(イチゴ)、ブルーベリー、ラズベリーなどですが、酸味がありますね。

 

柑橘類はベリー類の果物で挙げられるものではないですが、他の果物と違い、ただ甘いだけではなく、苦みや酸味を伴う点では似ているのではないかと思ったりしました。苦みや酸味を一言でまとめる良い言葉(例えば「刺激」など考えました)は思いつかないので、苦みと酸味では違う―柑橘類とベリーは違う―ではないかという意見もあるかもしれませんが…。

 

 

 

リコード法が説く生活環境の改善―週刊朝日の最新号から―

 

こんにちは、認知症Cafést編集スタッフのSです。

 

朝、Kから差し入れがありました。
週刊朝日の最新号です。

 

表紙の猫の写真がかわいいですが、
われわれの関心からは、
薬を飲まずに9割改善 認知症の新治療「リコード法」―と表紙に挙げられている記事に対し、要チェックのアラームがなります。

 

この記事では、ブレデセン博士、白澤卓二先生、今野裕之先生と登場しており、我々からすれば、リコード法のオールスターであります。

メディアが考えていることは同じ?

この記事では、ブレデセン博士が「世界一受けたい授業」に出演されたということが、欄外に追記されています。
それに合わせて私たちも先週記事を用意しました。

 

メディアが考えていることは同じかもしれませんね。(まだまだ、自分たちをメディアとは言えないにせよ…)

週刊朝日の最新号から

最新号からすべて引用をしてしまうのは問題と思いますので、カフェストではあまり取り上げられていない部分を中心に一部紹介させていただきます。

リコード法が説く生活環境の改善

私たちは、リコード法が説く食事について語ってきました。食事についてはこの記事でも取り上げられていますが、さらに、生活環境の改善についても書かれています。

引用します。
今野裕之先生の言葉として紹介されています。

 

生活環境の改善では特にカビとアレルゲン除去が大事です。洗面所やキッチン、風呂場など水回りは乾燥させておき、エアコン掃除も忘れずに。掃除機でダニやホコリなども取っておきましょう。もう一つ大切なのは歯の健康。定期的に歯科で口腔ケアを受けてください

 

改善すべき事項として、食生活に加えて、生活環境も該当します。

 

その関連でになりますが、今野裕之先生の最近のブログでは、「歯周病と認知症・アルツハイマー病が関係するという報告がここ数年どんどん発表されてきています」と書かれていましたね。

アミロイドβは銀行預金

アミロイドβは銀行預金―これは白澤卓二先生の言葉として紹介されています。
こちらも紹介したいです。(注:この言い方の背景にある、リコード法におけるアミロイドβの捉え方は私たちも紹介はしてきました。)

 

例えば、銀行預金を思い浮かべてください。ある月の1日と翌月の1日の預金残高が同じだったとします。でも、それは見た目の残高が同じであるだけで、その間に収入もあれば、支出もあります。アミロイドβもこれと同じで、一見、同じように脳にたまっているように見えても、実は代謝したり、蓄積したりを繰り返しています

 

アミロイドβの蓄積(≒収入)と、代謝(≒支出)のバランス(≒アミロイドβのインとアウトのバランス)で、現在の脳内のアミロイドβの量を考えるという視点と思います。(注:内容理解の点で言うと、厳密さは若干損なわれると思われるものの、代謝は排出や除去と言い換えて理解すればよいと思います。)

 

この記事でも書かれているとおり、家計とは逆でして(笑)、いかに、収入を減らして、支出を増やすかを、リコード法は考えています。
私にはとても分かりやすい比喩と思いましたが、みなさんはいかがでしょうか。

河内晩柑ジュースとあたまの健康チェック

先日の出展(記事はこちら)の残り物ですが、Kからは河内晩柑ジュースの差し入れもありました。

 

河内晩柑ジュースばかりが目立っていますが、
河内晩柑ジュースに「中高年の方の記憶力を維持する(言葉を記憶し、思い出す力)」機能があると言う付加価値を与えたのが「あたまの健康チェック」であります。10個の単語を覚えるというシンプルな測定法にて改善が見られたということですね。

 

あたまの健康チェックは、河内晩柑ジュースのようにグレープフルーツ風味など味覚で表現することはできないですが、裏方として、良い味を出してくれています(笑)。