2020年度上半期に最も読まれた記事は?ベスト5の発表

 

こんにちは。認知症Cafést編集スタッフのSです。
2020年度上半期(4月~9月)でアクセス数が多かった記事のベスト5をご紹介します。
Googleアナリティクスによる集計です。

 

ベスト5の発表

第1位

『情熱大陸』でのウィルス学者の河岡義裕さんのお話―新型コロナウィルスを解明するためのアプローチ―

第2位

さまざまな支援・制度

第3位

ブレデセン博士監修の「リコード法」サプリメントが日本上陸

第4位

新型認知症~認知症の入り口になるうつ病性仮性認知症~

第5位

オメガ3脂肪酸と認知症予防

コメント

第1位の記事について

今年の5月2日に書いた、ウィルス学者の河岡義裕さんについての記事が一番アクセスされました。

 

コロナ禍と言われますが、そのなかで、新型コロナウィルスを解明してもらいたい、そのうえでワクチンを開発してもらいたいという世の人々の関心や期待の表れではないかと思いました。

 

その記事にて、

電子顕微鏡でしか見ることができないミクロの世界の解明に取り組みながら、世の中の人々には「人に近づかない」ようにしてください、行動自粛をしてくださいと伝えなくてはならないことの河岡先生の葛藤のようなものが映像では描かれていて、私にはこの番組での最大の見せ場と思いました。

と書きました。

 

新型コロナウィルスの解明というミクロの世界での挑戦に期待しつつも、現状、コロナ禍への対策は、マスクの着用・3密の回避・手洗いなどの人々の行動にかかっているという状況にあります。

 

そのことが、認知症薬の開発に期待しつつも、良質な認知症ケアが求められることに変わりはないという状況とオーバーラップして感じられたという点についてもその記事では言及しました。

河岡義裕さんの研究グループの研究のその後の展開

この5月の記事の後、河岡義裕さん(東大医科学研究所教授)の研究グループは着々と成果を挙げられております。

 

その成果は、コロナ対策の両面、すなわち、新型コロナウィルスの解明というミクロの世界での探求の領域と、人々の行動に示唆を与える領域のそれぞれで達成されております。

 

 

①新型コロナウィルスの解明に関する成果

新型コロナウィルス感染症を理解するためには、ヒトの症状を再現できるモデル動物が必要でしたが、河岡先生の研究グループは、6月にハムスターがモデル動物として有用であると発表しました。新型コロナウイルスに感染したハムスターはヒトに類似した病態を示すのだそうです後注1, 後注2

 

また、この11月には、ハムスターを用いた実験で、現在流行している新型コロナウィルスの変異型が、初期に流行していたときの型に比べ、感染力が強く(短時間で飛沫感染する)、増殖能力が高いことを発見したと発表されています後注3

 

 

②人々の行動に示唆を与える領域での成果

一方、河岡先生の研究グループは、マスクによる新型コロナウイルスの感染予防と飛散防止の効果を検討した研究の結果を10月に発表しています後注4, 後注5

 

その研究では密閉空間でマネキンの頭部を向かい合わせて、2つのマネキンのうち、片方のマネキンから新型コロナウィルスを吐き出させて、もう片方のマネキンでの新型コロナウィルスを吸い込み量を調べるということをしています。

 

その結果、吐き出す側にマスクをつければ空気中への拡散を抑制することや、吸い込む側にマスクをつければ吸い込みを抑制することを確認しています。

 

吸い込む側にマスクをつけたときの以下の知見が重要と思いました。

 

・布マスクを着用することでウイルスの吸い込み量がマスクなしと比べて 60-80%に抑えられ、性能の高いN95 マスクを密着して使用することで 10-20%まで抑えられた。

・N95 マスクは隙間をふさいだ密着条件で使用しないとその防御効果が低下した。

・また、N95マスクで、隙間を完全にふさいだとしても一定量の新型コロナウィルスがマスクを透過してることも明らかになった。

 

この結果から、マスクを密着させて適切に着用することの重要性が導かれますし、マスクへの過度の信頼を控えて、他の感染拡大防止措置と併用を考慮することの重要性も示せていると言えますね。

終わりに

5月の記事では(河岡先生の)「葛藤」と書きましたが、その後の展開を確認しますと、‘ミクロ’(≒新型コロナウィルスの挙動)と‘マクロ’(≒人々の社会生活での振る舞い方)の両面で、研究活動を行い、成果を出されているということで、「葛藤ではなかった」というのが真の姿かもしれません。

 

マネキンでの研究は、片方のマネキンに人間と同等の速度でウィルスを放出させて、もう片方のマネキンに人間と同等の呼吸をさせて吸い込ませるということをしておりまして、ミクロとマクロをつなぐ研究と言えるかもしれません。

 

新型コロナ感染の第3波が来ているとも言われております。
人間が自分たちの行動面で出来る対策はしっかり取り入れていきましょう。

(終)

 

 

 

 

ちんどん屋の思い出ー視覚と聴覚及び心身の記憶に働きかける「プロ」の演奏の力ー

 

こんにちは。認知症Cafést編集スタッフのSです。

引き続き、断捨離は継続中

今年の7月に書いたツイート「UDトークを使ってみた!ー音声文字化アプリでドナルド・キーンの文章を書き起こすー」で、今回のstayhome期間中、自分の部屋の片づけが進んだと書きました。

 

引き続き、在宅勤務が続くなか、あの時期よりはトーンダウンしているものの、断捨離は継続しています。

 

今回のツイートは、この度、断捨離をしようと考えているモノにちなんだ思い出を書こうと思います。

断捨離を検討しているのは「アサヒ芸能新聞」(昭和29年発行)

断捨離を検討しているのはこちらの古い雑誌、「アサヒ芸能新聞」です。

 

 

発行日は平成29年11月7日。表紙を飾っているのは若尾文子さん。
表紙をめくると、東宝配給映画で、鶴田浩二さん、有馬稲子さん、岡田茉莉子さんが出演した『結婚期』のグラビア写真が現れます。

 

注:写真に写っているのは鶴田浩二さんと有馬稲子さんです。

「思いっきり昭和文化の日」という催しもの

今から10数年ほど前の11月3日に、当時勤務していた有料老人ホームで、「思いっきり昭和文化の日」という催しものを開きました。

 

 

この催しの少し前にも、私は施設内で「昭和のすぐれもの」という展示を行いました。黒電話、蚊帳、乳母車などの「昭和のもの」の画像をネットで入手し、カラー印刷後にラミネートをして、壁に掲示したのです。それを面白いと思ってくれたスタッフがいて、今度は画像ではなくて、実物でやらないかと声をかけられました。

 

「実物で」という志に沿って集めたものの1つがアサヒ芸能新聞でした。昭和の懐かしいモノやアイテムを集め、インターネット上で販売をしていたNPO法人から購入しました。

 

この日は、厨房のスタッフの協力を得て、昭和のおやつとしてふかし芋をつくってもらいました。「実物で」という趣旨をおやつにも適用したのですね。

ちんどん屋の実演がこの日の目玉企画

出し物も用意しました。ちんどん屋の実演がこの日の目玉でした。出し物もまた「実物で」という趣旨の延長の企画でした。

 

ちんどん屋はゲストを呼びました。吉祥寺を活動拠点とするちんどん屋同好会(「武蔵野ちんどん同好会」)をインターネット上で見つけて、依頼しました。
メンバーは普段はサラリーマンや自営業者で、介護施設で勤務をしている者もいると教えていただきました。老人ホームでの出演経験も持ち合わせていて、慣れておられました。

その実演に体が震えた

さまざまな場所で出演を重ねてこられてきた、言わば玄人のメンバーによる実演は格がまるで違い、その出だしで体が震えました。

体が震えたのは私だけではなかった

体が震えたのは私だけではなかったようで、昔、施設の近くのお寺で坊さんをしていたという男性の入居者が、この演奏を見て、合掌をしながら涙を流されているのが目に留まり、晴れ晴れとした気持ちになりました。

 

思えば、半年前に入居されたときは胃ろうが造設されていました。認知機能の低下により、言葉が通じず、私たちの介護には凄い力で抵抗をされました。この半年で口から食べることを再開し、ようやく施設に馴染んできた頃でした。

 

引き続き、言葉でのコミュニケーションは難しいままでしたが、視覚と聴覚及び心身の記憶にフルに働きかける「プロ」の演奏はこの方の琴線に触れていたようなのでした
私としても思いもよらない手応えが得られて、じわじわと満たされていく時間になりました。

(終)

 

 

<補足①>武蔵野ちんどん同好会のパフォーマンス動画

ネットで検索しましたらありましたので、リンクをつけておきます。

武蔵野ちんどん同好会-1|Youtubeチャンネル名 konchan1944(2018/07/09)

武蔵野ちんどん同好会-2|Youtubeチャンネル名 konchan1944(2018/07/09)

武蔵野ちんどん同好会-3|Youtubeチャンネル名 konchan1944(2018/07/09)

<補足②>東京都のヘブンアーティスト

なお、武蔵野ちんどん同好会が、東京都のヘブンアーティストに登録されていることも確認できました。詳しくは以下のリンクをご確認ください。

ヘブンアーティスト|東京都生活文化局

(ヘブンアーティストへの)登録アーティスト 音楽部門マ行|東京都生活文化局

(こちらで、武蔵野ちんどん同好会の名前を見つけることができます)

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迷いの日々ー都内で暮らし続ける VS 親の介護もあるので実家に帰るー

 

こんにちは。認知症Cafést編集スタッフのマツです。
今回の記事は完全に独り言的なため、落ちも結論もありません。
あらかじめお伝えしておきます。

11月の初旬に帰省

最近、新型コロナウイルスの感染再々拡大が全国的に進んでいます。
実は11月の初旬、独居中の母に会うために2泊ほど帰省しました。本当はもう少し感染者数が落ち着いてからとも考えていましたが、下がらない感染者数に業を煮やしての帰省でした。
その直後の第3波です。
言葉は悪いですが、正直ほっとしました。

 

約10か月ぶりに会う母は一見元気そうでしたが、ここ数か月の間の電話で、母がたびたびせき込むことが気になっていました。
案の定、エアコンのフィルターやガスファンヒーターの裏に綿ぼこりがみっしりと付いていたため、分解して掃除しておきました。ついでに実家の中のおもだったところに掃除機をかけて帰宅しました。
その後の電話で母がせき込むことが減ったため、せきの原因はきっと綿ぼこりだったのでしょう。

介護サービスの限界

母がお世話になっている小規模多機能居宅介護の事業所には、本当にきめの細かい対応をしていただいています。難病のある母への食事にも気を配っていただき、安否確認のためにほぼ毎日訪問していただいています。
ただサービスである以上、提供できるサービスの量や範囲に限界があることも承知しています。

 

部屋の隅の綿ぼこりの掃除、金融機関への入出金、郵便物の投函……。見落とされることは本当にちょっとしたことです。そういうことに気付いてこまごまと対応できるのは、やはり身内なんだろうと思います。

コロナ禍の迷いの日々

私は4月以降リモートワークが継続しており、都内の一人暮らしの部屋で勤務を続けています。主な業務がシステム開発のため、出社できないことの不具合はほぼありません。
毎日の生活にも不具合はありませんが、不要不急の外出もできず、プライベートで行っていたボランティアやNPOの活動はほとんどできていません。

 

正直、何のために一人暮らしをしているのだろうかと自問自答する毎日です。早く実家に戻れば母の介護をしつつ仕事もできるのではないか……。

 

しかし実家は田舎のため公共交通も乏しく、車のない私の行動はかなり制限されてしまうでしょう。私が人生の中でしてきた活動・これからしたい活動の実現性はかなり低くなります。
何を取捨選択するべきか、コロナ禍の自問自答は続きます。

(終)

 

 

認知症の人に「歯磨きは気持ちがいい!」と感じていただくために

 

こんにちは。
先日、こちらの記事で、簡易認知機能検査サービスの「あたまの健康チェック®」の尾張旭市での7年間の受検データに基づく分析結果をお伝えしました。
「どのような人で認知機能が維持・改善しているか?」、「どのような人でMCIの判別割合が高くなるか?(=MCIの疑いありと判定されるか)」について検討した結果です。

 

どのような人で認知機能が維持・改善しているか?(例)

・認知機能の定期チェックを行っている人

自歯が20本以上残存している人

・地域活動や予防活動に積極的に参加している人

 

どのような人でMCIの判別割合が高くなっているか?(例)

・夫婦だけで生活している男性

自歯が20本以上残存しない人

・運動習慣のない女性

 

以上の結果から今回、着目するのが、自歯の残存本数についての結果です。
自歯の残存本数が、認知機能が低下せず、維持できていることと関連性を示していました。それと同じことですが、MCI疑いありと判定されることとの関連性も示しておりました。
歯が認知機能のバロメーターとなっている(仮説)と感じさせる結果でした。

歯の本数と認知症の発症リスクや健康寿命との関係(by S)

別の研究で、自歯の残存本数が、将来の認知症の発症リスクや健康寿命に影響を与えていることを示す結果が出ております。
以下に示しますが、すべて日本での研究の結果です。

 

・65 歳以上の健常者 4425 名を対象にした 4 年間の追跡調査の結果、認知症を伴い、要介護認定を受けた人は 220 名であった。このデータで統計解析をすると、20 歯以上の人に対して歯がほとんどなく義歯未使用の人の認知症発症リスクは 1.9 倍であった。

出典:山本龍生/神奈川歯科大学/歯を失って義歯を使わなければ認知症のリスクが最大 1.9 倍に~厚労省研究班が健康な高齢者 4425 名を追跡して明らかに~/JAGESプレスリリースNO. 12-033

 

・60歳以上の一般住民1566名を5年程度追跡調査した結果、180名が認知症発症をした。このデータで統計解析をすると、歯の数が少ないほど認知症発症リスクが高いという有意な関連が認められた。

出典:残存歯数が少ない人ほど認知症の発症リスクが高い(久山町研究)|循環器疫学サイトepic-c.jp

 

・65歳以上高齢者の77,397名を3年間追跡したデータで統計解析をすると、歯が多いと、単に寿命が長いだけではなく、健康寿命が長く、一方、要介護でいる期間が短いということが明らかになった。例えば、 85 歳以上の場合、歯が 20 本以上ある人は、0 本の人にくらべて健康寿命が男性で+92 日、女性で+70日;寿命が男性で+57 日、女性で+15 日;要介護でいる期間が男性で-35 日、女性で-55 日の差があることが分かった。

出典:自分の歯が多く保たれている高齢者は健康寿命長く、要介護日数短い(東北大学 松山祐輔氏)|東北大学 プレスリリース・研究成果 2017年6月28日付 

 

この結果を踏まえれば、歯が認知機能のバロメーターと言いましたが、さらに、将来の認知機能の低下や発症を予測する可能性があることが確認できます。

認知症高齢者への口腔ケアの効果を検討した研究報告(by S)

以上、紹介してきたのは、スタート時点で、認知症でない人や要介護認定を受けていない人を対象として何年か追跡するというデザインでの研究の結果でした。

 

一方、介護施設を利用する認知症高齢者への口腔ケアの効果を検討した研究報告(出典:後注1もあります。(注:MMSEという検査で10~23点が対象者選定の基準と研究報告では書かれています。英語で書かれており、23点未満だったのか、23点以下だったのかという細かい点は読み取れません。なお、MMSEで23点以下で認知症疑いありとの判定になりますので、この検査で認知症疑いありの人を研究の対象者としたとは考えてよいと思います)

研究の方法と結果

・介護施設を利用する認知症高齢者を口腔ケアを受けるグループと、受けないグループに分けた。2003年9月から1年間の追跡ができた口腔ケアを受けるグループの90名と、口腔ケアを受けないグループの99名の比較を行った。

 

・口腔ケアを受けた場合のその内容:毎食後、5分間、介護職や看護職により歯ブラシで歯磨きを行う。歯を磨くだけではなく、口腔内の粘膜部分や舌の表面も磨く。また、必要に応じて週に1度、歯科医や歯科衛生士により歯垢を取り除くなどの専門的なケアを行う。
(口腔ケアを行わないグループの内容:自身で歯磨きを行ってもらう。依頼があれば、介護職が歯磨きをする。)

 

・MMSEという検査で認知機能を評価したところ、6か月後、1年後のそれぞれで、口腔ケアを受けたグループは、口腔ケアを受けなかったグループと比べて、認知機能の低下が抑制されていた。統計的に有意差があった。一方、ADL(≒身体的自立度)の変化では、二つのグループに差が見られなかった。

 

特養での障害の程度が重度の高齢者の介護では、口周りや口の中がきれいであるかは介護職や看護職にかかっていた

この研究結果は、科学的な手続きで、認知症の人への歯のケアが大事なことを示していると言えます。
もっともこういう理屈を経ずとも、口腔ケアをすれば口臭もなくなりますし、我々の生活実感からして、衛生的なことは言うまでもないことかと思います。

 

私自身(S)、特養で勤務経験があり、障害の程度が重度の高齢者の介護に関わっていたことがありますが、この方々の口周りや口の中がきれいであるかは、我々介護職や看護職にかかっている状況でした。

実践編:歯磨きを拒否される方への対応について(by K)

以下、認知症の人への口腔ケアの実践編です。

 

 

認知症の人で(あるいは認知機能が低下してきた人で)、歯磨きを促しても、あるいは、介護職による口腔ケアを行おうとしても、拒否される方がいます。そのような方への対応を検討してみます。

 

キーワードは、「歯磨きは気持ちいいものだ!」と感じていただくこと。
これは、拒否のない人にとっても、お口の健康を維持し、認知機能の低下を防ぐうえで大事な点でしょう。

認知症になると、どうして歯磨きを嫌がるの??

「歯磨きをしましょう」と誘っても嫌がる理由は様々ですが、多くの方は「歯磨き」という言葉と、実際に「歯磨きを行う」動作が結びつかないために、何をされるか理解できず警戒してしまいます。また、「歯ブラシ」をすぐに理解できず、口の中に異物が入る恐怖心から嫌がる方も多いです。

「歯磨きは気持ちがいい!」と感じてもらうために

歯磨き前に、警戒心や恐怖心を取り除いて頂くことがポイントです。

 

手順① 視線を合わせ、「歯磨き」以外の会話をします。
目を合わせて、「今日もすっきりしたお顔をされていますね」、「昼食のお味はいかがでしたか?」など話しかけてみましょう。

 

手順② 会話をしながら、体を支持しつつ、身体に触れます。
安心感を感じていただき、状況も認識していただくためには、言葉のみならず、感覚に働きかけることが有効な場合があります。その目的で「触れる」という関わりが選択肢になります。

 

とは言え、突然顔の周辺を触られることは不快や恐怖を感じます。
まずは体を支えることも兼ねて、顔から遠い場所に触れて、だんだん顔に近づきます。(背中⇒肩⇒腕⇒手⇒顔まわり)
そして、口の中に歯ブラシを入れるという関わりにつなげていきます。

 

手順③ 歯ブラシを見せながら、してみせながら、歯磨きを促します。
こちらが何を望んでいるか伝えるためには、「歯ブラシ」というモノを見せたり、「歯ブラシ」で歯を磨くという動作を見せたりというのも有効です。現地の言葉が不慣れな海外で、ボディランゲージで伝えるということと同じですね。
言葉以外で何かを伝えるというのは、認知症ケアの醍醐味です。

終わりに

手順②で、「(相手の)身体に触れます」と書くと、書いている私たち(カフェスト編集スタッフ)もドキッとしてしまいます。しかし、手順①、②と合わせてみれば、この手法が、認知症ケアの技法であるユマニチュードの考え方と同じであることも分かります。
ユマニチュードのケアの4本柱は、『見る』、『話しかける』、『触れる』『立つ』でした。ケアする側と、される側の間に絆をつくるためのコミュニケーション技術でした。

 

このようにしても歯磨きを嫌がる場合は、お口の中に傷や炎症などによる痛みを感じているかもしれません。私(S)の経験でも、食事が進まず、歯磨きもしたがらなかった方で、口の中に口内炎が出来ていたということがありました。「言葉以外で何かを伝える」ことに付け加えて、「相手側の言葉では伝えることができない傷や痛みに気づく」ことも認知症ケアの醍醐味と言えることでしょう。(終)

 

(文:K&S)

 

 

 

 

【特集】尾張旭市での「あたまの健康チェック®」の利活用と7年間のデータから見えてきたこと②

 

こんにちは。
先日、簡易認知機能検査サービスの「あたまの健康チェック®」を全国自治体で初めて採用した尾張旭市の取り組みと、2013年から今年7月末までの7年間の受検データをグラフで可視化した結果についてご紹介しました。

 

【特集】尾張旭市での「あたまの健康チェック®」の利活用と7年間のデータから見えてきたこと①

 

本日はその続編になります。

 

7年間のデータ(受検回数4383回)をグラフで可視化

7年間のデータ(受検回数4383回)をグラフで可視化した結果を再掲します。

 

受検時の年齢(40~90歳)を横軸、そして、認知機能指数(MPI)を縦軸にして4383回の受検データをグラフ上に分布させたものです。

 

グラフにも書き入れてますが、年齢区分ごとのMCI判別割合は下の表のとおりです。

なお、4383回の全体(≒40~90歳の全体)では、24.1%でした。

年齢区分 MCI判別割合
40~64歳 2.1%
65~74歳 7.8%
75~90歳 50.4%
40~90歳(全体) 24.1%

 

認知機能指数(MPI)について

認知機能指数(MPI)は、「あたまの健康チェック®」の受検により算定される対象者の認知機能を示す指数で、0~100の数値で表記されます。
この指数で49.8以下のとき、「MCI(軽度認知障害)の疑いあり」と判定されます。ですから、上のグラフや表でMCI判別割合は、MPIスコアが49.8以下であった人の割合です。

 

MPIスコアと判定の対応

MPIスコア 判定
50.2≦MPI≦100 問題なし
49.8<MPI<50.2 ボーダーライン
0≦MPI≦49.8 MCIの疑いあり

参考:FAQ(ページの下の方にMPIスコアに関するQ&Aがあります)|簡易認知機能スケール あたまの健康チェック®のサイト

どのような人で認知機能が維持・改善しているか?/どのような人でMCIの判別割合が高くなるか?

尾張旭市では、この「あたまの健康チェック®」の受検のときに、生活習慣等についてもアンケートで尋ねており、認知機能指数(MPI)との関連についても検討をしてきました。

 

その結果、「どのような人で認知機能が維持・改善しているか?」、「どのような人でMCIの判別割合が高くなるか?(=MCIの疑いありと判定されるか)」についても明らかになってきたとして報告をしています。
現時点で報告をされているものにつきご紹介します。

 

参考:過去7年間の自治体認知機能データ 傾向実態を初公表 認知機能スケール「あたまの健康チェック®」が見える化 |株式会社ミレニア 2020年10月8日

どのような人で認知機能が維持・改善しているか?(例)

・認知機能の定期チェックを行っている人

・自歯が20本以上残存している人

・地域活動や予防活動に積極的に参加している人

 

どのような人でMCIの判別割合が高くなっているか?(例)

・夫婦だけで生活している男性

・自歯が20本以上残存しない人

・運動習慣のない女性

 

コメント

現状、結果として開示されているのは、ここまでになります。
この結果は例として提示されています。ですから、分析が進めば今後さらに明らかになることがあるのではないかと期待できます。

 

また、自歯が20本以上残存している人が、「40~64歳」、「65~74歳」、「75~90歳」の各年代別で何人いて、そのうち(つまり、各年代別の自歯が20本以上残存している人のうち)何%の人でMCIの疑いありと判別されたのかなどの詳しい情報も知りたいと思いますので、そのような点の詳報も今後期待したいと思います。

 

いろいろ申し上げましたが、自治体側が、「あたまの健康チェック®」を導入し、市民に受検をしてもらうのみに留まらず、生活習慣等についてのアンケートとセットで行ったからこそ、上記の知見が得られたと思います。
「あたまの健康チェック®」の有意義な活用事例と言えるでしょう。

自治体での活用①ー受検回数4383回分のデータのグラフに対する別の観点からの検討ー

もう1度、7年間で、受検回数4383回分のデータをグラフで可視化した結果を見てみましょう。

注:上で示したグラフから年代別で囲った枠を取り除いたものです。

 

一人の人が20年、30年、40年と継続して「あたまの健康チェック®」を受検したと仮定

このグラフは、この期間(2013~2020年)に、40~90歳の年齢(測定時)の受検者の4383回の認知機能指数(MPIスコア)をプロットしたものです。複数回、受検した人の結果も含まれているかとは思いますが、基本的には別々の人のデータをプロットしたものです。

 

観点を変えて、一人の人が40~50歳のときから、20年、30年、40年と継続して、「あたまの健康チェック®」で、認知機能指数を測定した状況を仮定してみましょう。

急に「MCI疑いあり」になるのか?(「MCI疑いあり」か「疑いなし」かのみに着目した場合)

判定結果に着目すれば、「問題なし」、「ボーダーライン」、「MCIの疑いあり」の3つの結果が出ます。
このうち、最初の2つは、3つ目の「MCIの疑いあり」との区別で言えば、「MCIの疑いあり、ではなかった」と言い換えられます(以下、「MCI疑いあり」、「MCI疑いなし」と簡略化して示します)

 

気になることは突き詰めれば、「MCI疑いあり」か「MCI疑いなし」かなのではないでしょうか。

 

この2つのどちらか否かのみに着目して、「あたまの健康チェック®」の受検を継続していけば、加齢を重ねて、ある時点で、昨年まではMCIの「疑いなし」であったのに、今年から「疑いあり」になったという変化は起こりうることでしょう。(下図参照)

 

これは急に「MCI疑いあり」になったということなのでしょうか。
確かに日常の会話で、「(あの人が最近)急に老けた」などの言い方を耳にしないわけではないですが、それは上図に示したようにがくんと落ちているということなのでしょうか。

徐々に認知機能指数(MPIスコア)が落ちてきて、ある時点で、基準値を越えて、「MCI疑いあり」になるのではないか?(MPIスコアを定期的に測定した場合)

結果として気になることは、「MCI疑いあり」か「MCI疑いなし」か、かもしれません。1回しか受検しないということであればなおさらそうかもしれません。

 

しかし、年に1回と決めて、定期的に受検した場合は、MPIスコアが継時的に変化していくことが確認できます。その変化は、4383回分のデータでのグラフが示すようなものになる可能性があるのではないかと思います。つまり、1人の人間の時系列変化としても、加齢を重ねて、MPIスコアが徐々に落ちていき、あるときスコアが49.8以下になるというものなのではないかということです。

いろいろな変化パタンがあるのではないか?(仮説)

このような点の検討は、すなわち、「徐々に落ちている」のか、「がくんと急に落ちる」のかは、同じ人で定期的にデータを取るというデザインで、「あたまの健康チェック®」を用いれば、検証可能です。

 

おそらくは、前者のパタンも後者のパタンもあるのだろうと思います。データが集まれば、さまざまな変化パタンがあることが見えてくるのではないかと思います(仮説)。

「MCI疑いなし」にも「MCI疑いあり」にも幅があるという見方とその可能性

「あたまの健康チェック®」の受検データが私たちに新たに気付かせてくれるのは、「MCI疑いなし」にも「MCI疑いあり」にも幅があるということです。
認知機能指数(MPIスコア)で49.8以下のとき「MCI疑いあり」という判定になりますが、「MCI疑いあり」もスコアで見れば0まで下がる可能性があります。それ(=49.8)より上を見ても100点まで上がりうる可能性があります。

 

この幅がスコアとして可視化されることで、例えば、「MCI疑いあり」には該当せずとも(≒「MCI疑いなし」の幅に留まっていても)、急速な低下傾向が確認できた場合は要注意などの見方が出来るのではないでしょうか。

自治体での活用②-認知症ケアパスでの活用ー

「MCI疑いなし」にも「MCI疑いあり」にも幅があるという見方は、認知症施策の議論での、「認知症ケアパス」の視点と親和性が高いと考えられます。

認知症ケアパスとは?

認知症ケアパスは、認知症発症予防から人生の最終段階まで、認知症の容態に応じ、相談先や、いつ、どこで、どのような医療・介護サービスを受ければいいのか、これらの流れをあらかじめ標準的に示したものです。

出典:厚生労働省のサイト内の認知症施策のページからリンクが貼られている認知症ケアパスについての資料(PDF)

認知症ケアパスのポイント①ー認知症の症状の段階を設定しているー

認知症ケアパスでは「症状の段階を設定している」というのが1つのポイントです。
この点が「あたまの健康チェック®」での判定において、「MCI疑いなし」にも「MCI疑いあり」にも幅があるという点と親和性があると考えられる点です。
認知症ケアパスでは、「認知症の症状が徐々に進行していく」という視点に立っており、「あたまの健康チェック®」では「健常な状態から、徐々に認知機能指数が落ちていき、MCI(軽度認知障害)の疑いありの状態に移行する」という視点に立っています。(個人差はあるとのただし書きはつきます)

認知症ケアパスの症状の段階の部分を模式化

尾張旭市で作成されている認知症ケアパス(尾張旭市では「認知症おたすけパス」と呼称されている)をもとに、症状の段階の部分を模式化したのが下図になります。

参考:認知症おたすけパス|尾張旭市 2020年8月19日更新

 

実際の認知症ケアパスは、これにさらに、症状の段階ごとの対応のポイント、総合的な相談窓口、医療面、介護面、生活支援面の各カテゴリでの利用できるサービス、制度等が記されています。

 

この図で、②~⑥の段階が、認知症の初期から徐々に進行して、重度化していくという部分です。「症状の段階ごとに、対応方法や利用できるサービスの標準を定める」という認知症ケアパスの説明にぴったりあてはまる箇所と言えるでしょう。

 

 

認知症ケアパスのポイント②ー認知症になる前の段階も設定されているー

続いて、認知症ケアパスのポイントとして、認知症になる前の段階も設定されている点が挙げられます(後注1)
図で言うと①の段階です。

 

尾張旭市の認知症ケアパス(認知症おたすけパス)では、①の段階に対して、②以降の「認知症の疑い」、「認知症を有するが日常生活は自立」等のように、名称は特につけておりません
「(前段階)」という名称はカフェスト編集者側で設けました。

 

認知症ケアパスでは、この①の段階、すなわち、認知症の初期よりさらに前の段階から、対応のポイント、利用できるサービス、制度が記されています。

「あたまの健康チェック®」(尾張旭市では「あたまの元気まる」と呼称)は認知症ケアパスのどこに位置づけられるか?

「あたまの健康チェック®」(尾張旭市では「あたまの元気まる」と呼称されている)は、この①の段階と、それに続く②の段階にかけて対応するサービスとして位置づけられています。

 

 

まとめー「あたまの健康チェック®」の自治体での活用ー

「あたまの健康チェック®」は厳密には「認知症の疑いあり」を判定するのではなく、「MCI(軽度認知障害)の疑いあり」を判定するものです。
この認知症ケアパスにMCIという言葉は明示されておりませんが、MCIという言葉が世に普及すれば、今後の改訂の中で、このケアパスの中にも登場するのではないかと思います。

 

ただし、少なくとも現状で、認知症になる前からの対処、予防という視点が、認知症ケアパスにおいて取り込まれていることは確認できます。そして、この観点で、「あたまの健康チェック®」は、尾張旭市での事例をはじめとして国内約60か所の自治体でさまざまな形で活用されております(後注2)

参考:利活用事例 地方自治体|簡易認知機能スケール あたまの健康チェック

 

終わりに
「あたまの健康チェック®」を個人受検してみたい方への案内

なお、本記事で「あたまの健康チェック®」が気になったけれど、近くに実施している自治体や機関がないな、と個人的に思われる方がいらっしゃいましたら、以下の問い合わせフォームから個人受検も可能であります。是非お問い合わせしてみてください。
担当より折り返しご案内致します。

 

「あたまの健康チェック®」個人受検お問い合わせフォーム(←リンクあり)

 

※団体・企業分類はプルダウンより「個人」をご選択ください。
※お問い合せ種別は「個人受検希望」をチェックボックスでご選択ください。
※個人で受検される場合は、受検費用が発生しますので、費用は担当にご相談ください。

 

(文:ムッシュ&S)

 

<後注>

後注1. 認知症ケアパスのポイントとして、本文中では、「認知症の症状の段階を設定している」と「認知症になる前の段階を設定している」の2点の指摘に留めました。その他、(徐々に認知症の症状が進行していく状況とは区別して)「急性憎悪期」という急に状態が悪化(特に自害・他害等の精神症状などが継続する)する段階を設けている点も、ポイントとして挙げておきます。

 

後注2. 認知症ケアパスは、認知症施策においても重要な位置を占めております。2012年(平成24年)9月15日に厚生労働省が公表したオレンジプラン(認知症施策推進5か年計画)での1つの柱として、「標準的な認知症ケアパスの作成・普及」が掲げられました。そして、2019年(令和元年)6月18日の認知症施策推進大綱では市町村における認知症ケアパス作成率を100%にするという目標が打ち立てられています。

<認知症Cafést内関連記事>

あたまの健康チェックの普及についてー営業推進を担う立場からー

あたまの健康チェックを受けてみました!

あたまの健康チェック(当サイト内での紹介ページ)

<参考>

1. 認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)制定までの経緯と概要について(著者は石橋亮一氏, 川上由里子氏)|WAM NET

2. 第1章 序論2.オレンジプラン・新オレンジプランの現状と課題(著者は堀部賢太郎氏)|公益財団法人 長寿科学振興財団 2019年10月25日

3. 認知症施策|厚生労働省

4. 認知症施策推進大綱について|厚生労働省

 

 

☆☆勉強会参加情報☆☆ 認知症と生活にかかわるお金のい・ろ・は(11/19、オンライン)

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのSです。

 

今週の木曜(19日)、以下の勉強会に参加します。
案内が遅れて既に申込締切は過ぎてしまっておりますので、勉強してきた内容は後日、報告できればと思います。

 

<<シエル・ブルー勉強会企画>> 認知症と生活にかかわるお金のいろは②

 

開催日
令和2年(2020年)11月19日(水) 18時~19時30分
場所
オンライン(Zoom)
内容

 

若年性認知症と診断を受けたときに、知りたい制度について。就労の有無や就労形態、年齢により利用できる制度の違いなど生活に関わるお金の話。

講師
保坂 勇人氏(社会保険労務士・社会福祉士・介護支援専門員/東京都社会保険労務士会文京支部)
対象者
どなたでも(申込制)
問い合わせ先
文京区社会福祉協議会 地域福祉推進係(03-5800-2942)

 

シエル・ブルーについて

シエル・ブルーは、文京区若年性認知症の会です。毎月第1土曜日に、若年性認知症の方やご家族が集い、日頃の悩みを話したり、情報交換などを行ったりしています。

(終)

 

 

 

蟹?

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのUです.
今回はどうでもいい話かもしれませんが、気になったので書いてみます。

蟹? カニ? ガニ?

先日、テレビを見ていたら、蟹の読み方の話をしていました。

ズワイガニ、タラバガニ、ワタリガニ・・ほとんどが「ガニ」と濁点をつけて発語するじゃありませんか!?
○○カニではなく○○ガニ 
考えたこともありませんでした

 

ちょっと調べてみると漢字の蟹の読み方はカニとカイ?どういう事??

鮫!? サメ? ザメ?

他にも似たような事例があるのか・・・?

あっ!!ありました「鮫」!?
読み方はサメとコウですが、ホオジロザメ、シュモクザメ、ジンベイザメ、コバンザメ・・・他にもありそうですね・・「鯛」(タイ)や「蛸」(タコ)もそうだ。

水生生物? 道具?

水生生物に関係あるのか?

 

ん!「鋏」「包丁」「箱」道具??・・まずい、止まらなくなってきた。

サメジマ警部は新宿ザメ…

ちなみに私の好きな小説、鮫島(サメジマ)警部が主人公の警察小説のシリーズ名は新宿鮫(シンジュクザメ

(終)

 

AIを活用した認知症スクリーニングについてー韓国のSKテレコムとソウル大学が共同で発表ー

 

本日は認知症Cafest Online編集スタッフのKが、Editor‘s Tweetをお届けします!

韓国のSKテレコムとソウル大学が共同で発表

今月2日、韓国の大手通信事業者であるSKテレコムがソウル大学と共同で、AIによる認知症スクリーニングの研究を行うとの発表がありました。

 

SKテレコムによると、AIとの10分程度の会話によりリスク判定を行うとの事です。

原理は、健康な人と認知症患者では、声帯を通じる際の音声に変化がありその違いをAIが検出する仕組みのようです。

参考:会話音声からAIで認知症診断 – SKテレコムとソウル大学(著者は“TOKYO analytica”氏|The Medical AI Times 2020年11月4日

 

今後は、会話のみではなく顔認証や血圧、心拍数など様々な付加情報を併せて研究精度の向上を目指しているそうです。

 

SKテレコムは先月には5G・VRを活用した認知症の早期発見サービスについても発表

SKテレコムは、先月にも、釜山(プサン)大学病院、スタートアップのルックシード・ラボと協約を交わして、5GとVR、AIを組み合わせて認知障害を早期に発見するプログラムを、今月から提供すると発表しております。

 

釜山認知症安心センターを訪れる高齢者らが、VRヘッドセットをかぶってパズルと記憶力ゲームなどをすれば、機器のセンサーが生体信号を分析して認知能力を検査することになる。

参考:SKT、5G・VRを活用して認知症の早期発見サービス(著者は李建赫氏|東亜日報 2020/10/23

 

バーチャルな空間で、検査を行うということなのですね。
韓国からのこのような動きは今後、目が離せませんね。

韓国での認知症の人の人数

韓国では認知症の方が約788,000人(2019年)おり、今後10年で約136.1万人に達するとも言われており、これらの研究の推進が期待されています。

これから大学病院や認知症安全センターによる審査の精度向上を計画しているとの事で、今後の進展に期待しています。

 

 

<参照元>

SKT, 서울대학교 의과대학과 AI 기반 치매 선별 프로그램 개발|SKテレコムのサイトから

SKTとソウル大、AI活用の認知症診断|NNA ASIA アジア経済ニュース 2020/11/4

<認知症Cafést内関連記事>

衰えと引きこもり生活での楽しみ|←ソニーミュージックと韓国のJYP(K-POPを代表する企業)によるNizi Projectというオーディション番組について触れています