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寝起きに泣く赤ちゃんを見て思うこと

 

こんにちは。
認知症Cafést編集スタッフのSです。

0歳児

私には昨年12月に生まれた0歳児の息子がいます。
4月から保育園を利用させていただいております。
しかし、熱が出たり、病気にかかったりすると、家で見なければなりません。

 

8月は手足口病やRSウィルス感染症など病気のデパート状態で、
保育園を休まなければならないことが多く、
妻と分担で、有給休暇を取って、看病にあてました。
結果、息子と一緒に過ごす時間が増えました。

よく泣く

赤ちゃんの生態は実に興味津々です。
よく泣きますね。
空腹でも泣きますし、眠くても泣いてます。

 

寝起きに泣く

そして、寝起きで泣いている場面も見ます。
空腹で泣いていても、ミルクを飲めばケロッとするように、
眠れば少しすっきりして気分が落ち着くのかと言えば、そうとは限りません。
(もっとも寝起きですっきりした顔をしている場面も遭遇しております)

ちょっと考えてみたら

でも、ちょっと考えてみたら赤ちゃんが寝起きに泣くのはぜんぜん不思議なことではないですね。
Cafést編集スタッフとしては、認知症の人のことが思い起こされます。

見当識障害

杉山隆博先生の『認知症の九大法則 50症状と対応策』(Amazonへのリンク)での記述を引用してみます。

 

注:画像はAmazonより取得

 

認知症の人は、しばしば夜に起き出して徘徊することがあります。自分が今、どの時間、どの空間に生きているのかということを感じられる認知機能が低下する“見当識障害”のためです。
私たちも、旅行で旅館などに宿泊し、夜中に目覚めた際、自分がどこにいるのかがとっさに分からず、不安に感じることがあると思います。しかしすぐに旅行中だということを思い出すため、安堵して再び眠ることができます。もしこのとき、自分がどこにいるのか分からなかったとしたら、非常に恐怖感を覚えることでしょう。

引用:杉山 隆博『認知症の九大法則 50症状と対応策』pp.96-97

赤ちゃんも同じように

寝起きの赤ちゃんも“見当識障害”と同じ状況が起こっているのではないかと思ってしまいます。
もっとも、今がいつで、ここがどこかという見当識の感覚は、これから獲得するもので、そもそも備わっていないわけなのですが…。

 

今の息子は絵本を見せて、読み聞かせると、絵柄やイラストに関心を持ち、手を伸ばしてつかもうとします。
実物のおもちゃに手を伸ばしてつかもうとするのと同じ動きです。
絵の世界と現実の世界の区別がついていないのだなと思います。

 

「いないいないばあ」して笑ってくれますけれど、「いないいないばあ」の動作が面白いと思うのは、手で顔を隠しただけでも、手の後ろに顔があるとは思えず、その人がこの世界から消えたように感じているからなのではないかと思います。
ふっと顔が現れているように感じているのではないかなと思います。

 

そんな赤ちゃんが眠っていて、夢を見ていたとしたら、夢からさめたときに、夢の世界と現実の世界の区別がつかなくて、眠っていたときに見ていたことと、起きたときに見えていることの違いに混乱するのではないかと思ってしまいます。

さいごに

私が有料老人ホームで働いていて、夜勤をしていたときです。
100歳の小柄な女性が、今の息子のように床をはって、部屋の外に出てきました。
認知機能も低下していた方でしたが、近くに行くと、一言「寂しい」と言われました。
お客様だから、そうするわけにはいかないですが、思わず抱きしめたくなるような気持ちになったことを思い出します。

 

100歳の人も、0歳児も不安や寂しさは変わらないでしょう。
共感をしながら、関わっていければと思います。

(終)

 

 

 

 

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