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アメリカ発の音楽による認知症ケアについて

Shot of a mature woman sitting on her sofa listening to music on a digital tablet

 

こんにちは、認知症Cafést online編集スタッフのSがお届けします。

 

アメリカ発の音楽による認知症ケアの取り組みを紹介します。

 

ダン・コーエンさんが2006年にiPodを活用して、アルツハイマー病やその他の認知症の方々のひとりひとりに思い入れのある楽曲を提供したら良いのではないかと思いついて取り組み、効果が見られたことがきっかけになり、2010年に、彼を役員とし、このことに専門的に取り組む Music & MemoryというNPOが設立されました。

この団体の取り組みは2012年にドキュメント映像が作成され、反響を呼び、2014年に『Alive Inside』(日本語版は『パーソナルソング』)というタイトルで映画化されました。

反響を呼んだドキュメント映像はこちらです。

 

この団体のHPで次のようにミッションが書かれています。

We train nursing home staff and other elder care professionals, as well as family caregivers,
how to create and provide personalized playlists using iPods/MP3 Players and related digital
audio systems
that enable those struggling with Alzheimer’s, dementia and other cognitive and
physical challenges to reconnect with the world through music-triggered memories.

(引用者が一部を強調した。)

 

大事と思う点は3点です。

  1. 一人ひとりに個別に曲目リストを用意していること。
     つまり個別ケアであること。(provide personalized playlists)
  2. iPodという機器を用いていること。(using iPods)
  3. 音楽により記憶を活性化させてその人を世界につなぐという考えを謳っていること。
    (reconnect with the world through music-triggerd memories)

 

編集スタッフSも、2006年より長く介護現場で働いてきました。近年は機器の恩恵を感じております。
YouTubeは便利と思いました。懐メロを探し出してその場で聞いて皆で楽しむことができます。
皆で楽しむことが難しい方でも、個別に時間を割いて心を砕いて関われば心を世界につなぐことが
できる方については、iPodではないですが、iPadは便利と思いました。その方のそばで会話をしながら
iPadを操作するのは、その人の心が活性化する音楽を一緒に探り当てていく時間でした。

 

『毎日がアルツハイマー ザ・ファイナル~最後に死ぬ時。』公開記念イベントのため来日された
認知症ケアの第一人者、英国ハマートンコート認知症ケア・アカデミー施設長のヒューゴ・デ・ウァール氏は
そのような関わり方をdetective(探偵)と呼びました。介護は古今東西の知や文化、芸能を結集して
心の中に埋もれた鉱脈を掘り出すという面がありますね。VRや感覚拡張デバイスなどテクノロジーの
進展が介護者とともに要介護者や認知症者のどんな鉱脈を掘り出していけるのか注目しています。

 

 

 

 

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