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春の低気圧には注意せよ!ー自律神経のバランスを整えるケア―

 

3月になり、認知症Caféstの「春は認知症の症状が悪化する?」の記事がアクセスされています。
ありがとうございます。

春は認知症の症状が悪化する?」の記事から

この記事では

 

3月から4月にかけての季節を「木の芽時(コノメドキ)」という

・この時期は「身体的・精神的に一番バランスを崩しやすい時期」と言われている

 

と書き、バランスを崩しやすい理由について以下のように記しました。

 

理由のひとつは春の安定しない気温の差です。ずっと低かった気温が急に温かくなったり、また寒くなったりと、身体にとってストレスになります。それにより自律神経のバランスが崩れ、精神的に不安定になってしまいます。

 

春は発達した低気圧が一年で最も多い季節

同じく春の天気の特徴として、「発達した低気圧が1年で最も多い」という点が挙げられます。

 

実は、カフェスト編集スタッフの私は、低気圧のときに頭痛を典型症状とする体調悪化の傾向があります。
それゆえ、春の低気圧には用心をしていかなければならないと思っています。

先週の土日の体調悪化と「頭痛ーる」というアプリ

用心をしていなければならないと思っていながら、先週の土日(3/14、3/15)は頭痛に見舞われ、何かをする気にならず、布団に横たわっていました。

 

注:画像はi-stockから

 

この体調悪化を温度と気圧のデータとともに、振り返りをしてみたいと思います。
温度と気圧のデータは「頭痛―る」という気圧予報のアプリから取得しました。(注:この1週間くらいの過去の数字を振り返りのデータとして取得しました。ただし、その値が予報値のデータなのか、実績値のデータなのかについては記載がないので、そのいずれかの数字ということで理解すればよいと思います。大きくずれはないだろうと思います。)

 

この数カ月なのですが、このアプリをダウンロードして、気圧、温度と体調の関係を確認しています。それで確かに、気圧が下がるときに頭痛が起こるという説が自分には当てはまっているのではないかと思うようになりました。
そして、低気圧に対する心身の備えのために、「頭痛―る」での気圧予報を熱心に見て、活用している次第です。

先週の土日の体調悪化を温度と気圧のデータで振り返る

さて、このアプリで表示される数値のデータから、3/93/16の温度と気圧の推移をグラフにしてみました。

3/9~3/16の温度と気圧の推移
温度は左の目盛でオレンジ実線/気圧は右の目盛で水色点線

注:グラフでの9日の箇所を参考にしていただきたいですが、各日、0時、9時、12時、18時の4時点のデータを取得しました。

このグラフから分かること

このグラフから、私が頭痛に見舞われた3/14、3/15の特徴として

 

・気圧が下がり続けている

・温度の急激な変化

(14日は温度が急激に下がり、15日は急激に上がる)

 

が挙げられます。

 

また、このデータからは、10日も急激に気圧が低下していることも確認できます。それでも、このときは体調を崩すことはありませんでした。
この日、温度は上がり続けるという動きをしました。

 

以上より、14~15日は、気圧が下がるという変化に加えて、温度が急激に下がるという変化があったことがダブルパンチとなって、ノックアウト状態になったようだということが分かります。
15日は温度が上がる変化ではあるのですが、前日(14日)の雪も見られるほどの温度低下からの上昇の動きであり、それは身体には負担になっていたようです。

対策の基本―温度や気圧の変化に負けないために―

温度や気圧の変化に負けないための対策の基本は自律神経のバランスを整えることです。

 

普段から、13⾷をしっかりと⾷べ、睡眠を⼗分にとり、適度な運動を⾏うなど、規則正しい⽣活リズムで過ごすことが⼤切だ。メリハリのきいた規則正しい⽣活を送ることは、体に適度なストレスを与えるため、環境の変化に応じて⾃律神経が働きやすくなる。

出典:「爆弾低気圧」級に発達か。頭が痛い、古傷が痛む…低気圧襲来で起こる「気象病」の基礎知識|BUSINESS INSIDER JAPAN 2020310日付

 

言われてみればそうだと頷くことであろうと思いますが、基本事項として確認しました。

痛みのタイプを知る―交感神経の活性化なのか、副交感神経の活性化なのか?―

温度や気圧の変化による頭痛には、交感神経の活性化に伴う痛みと、副交感神経の活性化に伴う痛みとがあるそうです。
心身状態や反応に対するコントロールを越えて交感神経や副交感神経が活性化することにより痛みが伴うということでしょう。

注:自律神経には昼間や活動しているときに活発になる「交感神経」と、夜間やリラックスしているときに活発になる「副交感神経」の2種類があります。

 

したがって、対策を考えるには、痛みのタイプを知ることが重要です。(注:参考記事は同上

 

低気圧が近づく(気圧が下がる)
副交感神経が活発になり、血管が拡張して、片頭痛が起こりやすい
低気圧が去る(気圧が上がる)
交感神経が活発になり、血管が収縮して、緊張性頭痛が起こりやすい

 

低気圧に伴う頭痛と言っても、低気圧が近づき気圧が下がることに伴う頭痛と、低気圧が去り気圧が上がることに伴う頭痛に大別されることが確認できます。
それは上記の表で確認できるように、副交感神経が心身症状のコントロールを越えて活発化しやすいのか、あるいは、交換神経が活発化しやすいのかの違いでもあります。

 

この区別に対して、

 

副交感神経が活発化しやすい人
体を軽く動かしたり活動的になることで交感神経の働きを促す
交感神経が活発化しやすい人
体を温めるなどリラックスして副交感神経の働きを促す

 

対策も「活動的になる」ことがいい場合と「リラックスする」ことがいい場合とに分かれます。逆の方向になっていることに注意が必要ではないかと思います。

 

表で示したように、交感神経と副交感神経は相補的な関係にあり、これが「自律神経のバランス」という概念の実体(の1つ)と思います。

終わりに

低気圧と体調の関係

一つの記事に従って、気圧と交感神経、副交感神経との関係を単純化して、図式化したものの、少し突き詰めて考えていくと不明点も残り、仮説として捉えるのが良いと思っています。
もっとも、自律神経のバランスというのが交感神経と副交感神経の相補的な関係に基づくということや、この関係が気温や気圧などの変化により揺さぶられ心身症状が現れるということは概論としては正しいと思います。
しかし、これらがどういうメカニズムなのかについて納得するためには、気圧、血圧、交感神経、副交感神経の関係性について、さらに理解を進める必要があると思いました。

 

プロスキーヤーであり、登山家であり、医学博士である三浦豪太氏は、体と気圧の関係について、こう述べられています。標高が高いと気圧が低くなるという関係に基づく発言です。

気圧は体にとって重要だ。体は酸素を利用してエネルギーを作っている。そのため、肺を循環する血液の酸素濃度は、外気よりも低い。そこに酸素の圧力差が生じて、体の中に酸素を効率よく取り入れることができる。

しかし、高山では外気の酸素圧と体の中の酸素圧差が小さくなり、酸素が体に取り入れにくくなるため、高山病が引き起こされる。

出典:【三浦豪太】気圧と登山の危険な関係 | 月刊SORA 2017年11月号

 

ご自身の登山の経験と合わせて語られていて、説得力を感じます。
まだ、自分は情報収集の途上にある思います。今後さらに、より深い理解と納得を目指していきたいと思います。

 

低気圧とケア(介護)

先週の土日は頭痛に見舞われてしまったわけですが、「頭痛ーる」というアプリを使い始めて、低気圧の予報に対しては、しっかり食べて、よく眠るという静養重視の方針を特に心がけ、功を奏してきたと思います。手応えを感じていました。

 

今回の記事を書きながら、体を動かすことで頭痛が解消されたという経験も覚えがあるので、今後は、静養という静の対策のみならず、体を動かすという動の対策を取るべきタイミングについての検討もしたく思っております。

 

今回は私個人のセルフケアの観点が強い記事となりましたが、天気(気圧)と体調の関係についての知識を頭の片隅に入れておくことで、介護や認知症のケアにも応用できるであろうと思います。

 

(文:星野 周也)

 

 

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