高齢者の方の食事量低下には何かしら理由があります。しかし認知症状により理由を伝えることが出来ず、お困りの場合があります。その時、行動から原因を推察することで、その方に合ったケア手法を見つけ支援が出来るようになります。
今回は、行動から考えられる原因と対策を紹介します。
~食事をとらない行動と原因、対策について~
ケース①:手で、もてあそんでみたり、床に落として踏んでみたりする
- (原因)
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- 食べ物と認識できていない
- (対策)
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- 目の前にあるものが食べ物であるとわかってもらえるよう声をかける
「美味しいごはんが出来ましたよ」 など - 口元を見てもらうようにして介護者が先に一口食べてみる
- 興味を引いたら一口大の食事を勧めてみる
- ご本人の好きなものを積極的に取り入れる
- 目の前にあるものが食べ物であるとわかってもらえるよう声をかける
ケース②:箸やスプーンを持てない、食事を前にしても動かない
- (原因)
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- 食べ方を忘れてしまう
- (対策)
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- 「一緒に食べましょう」と声をかけ、自分が真正面に食べている様子を
みてもらい、食べ方を真似してもらう - 動作をゆっくり行い、他愛のない会話をしながら食事をすると、
つられて食べてくれることもある
- 「一緒に食べましょう」と声をかけ、自分が真正面に食べている様子を
ケース③:口に入れても吐き出す、いつまでも飲みこめない
- (原因)
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- 飲みこむ力、噛む力が弱くなっている
- (対策)
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- 食事内容の見直し(食べ物の固さ、一口のサイズの大きさ)
- 入れ歯が合っているか、かけていないかなどを確認
- 口腔ケア
- 嚥下(えんげ)体操なども効果的
ケース④:口の中に口内炎が出来ている、数日便秘をしているなど
- (原因)
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- 体調不良で食事に気が回らない
- (対策)
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- 「気分は悪くないですか?」「口の中は痛みますか?」など、いろいろな
声掛けをし、具合の悪いところがないかを確認する。 - 急に食べなくなったのか、徐々に食事量が減っているのかなども確認し、
必要に応じてかかりつけ医へ相談する
- 「気分は悪くないですか?」「口の中は痛みますか?」など、いろいろな
※食事前に嚥下体操を行う事で唾液が分泌され、嚥下機能の向上し食事が出来ます。
※始める前と終わった後には深呼吸をしましょう。