こんにちは。
認知症Cafést編集スタッフのSです。
BDNF
本日、知っていただきたい名前が「BDNF」です。
BDNFは“Brain-derived neurotrophic factor”の略で、脳由来神経栄養因子と訳されます。
訳を聞いてもピンと来ないですが、BDNFはたんぱく質の一種で、脳の栄養分と理解していただければよいと思います。
BDNFは脳の神経細胞の発生や成長に関わるたんぱく質です。
ある記事で、老年学の研究者である鈴木隆雄氏はBDNFについて次のように語っています。
この説明が一般の人向けではもっとも分かりやすく思いました。
脳は、神経細胞のかたまりです。その神経細胞が毎日活動することによって、私たちは記憶を呼び戻したり、色々なことを判断したりすることができます。そうした脳の活動をさまざまな物質が支えていますが、その中でも代表的なものがBDNFです。
BDNFは特に、脳の中で記憶を司る海馬に多く含まれていて、記憶を司る神経細胞の活動を促進させていると考えられています。
出典:チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究 最終報告|明治 みんなの健康チョコライフ(2015.7.17)
脳の栄養分「BDNF」が食品の摂取で増えるという研究
(画像はiStockより)
この脳の栄養分「BDNF」が食品の摂取で増えるという研究報告が近年なされています。
いずれも、血中のBDNFの量をアウトカムとして、ある程度の期間、ある食品を摂取することで、この量が増えるかどうかを検討した研究です。
注ー参考記事ー
注1.軽度認知障害の高齢者においてカマンベールチーズ摂取による BDNF(脳由来神経栄養因子)上昇を確認|地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター 2019年11月6日プレスリリース
注2.チョコレート摂取による健康効果に関する実証研究 最終報告|明治 みんなの健康チョコライフ(2015.7.17)
注3.ユーグレナと心の健康 専門家が解説|シックスセンスラボ研究所(2020年10月20日)
ミドリムシとユーグレナ
ミドリムシという名前は知っていましたが、脳の栄養分「BDNF」を増加させているという知見を知ると、急に身近に感じます(笑)。
ミドリムシを開発した株式会社ユーグレナの出雲充社長は、大学発ベンチャーで初の東証1部上場という快挙を達成した人として知られています。
(画像はiStockより)
ミドリムシで飛行機を飛ばす
出雲社長の開拓心はとどまることなく、今は、ミドリムシから精製したバイオディーゼル燃料で飛行機を飛ばすという計画もあるそうです。
ある記事では次のように語られています。
08年の始動から12年かかりましたね。サツマイモやサトウキビから燃料を精製したり、天ぷら油やひまわりでバスを走らせるように、ミドリムシから作ることも、われわれからするとむちゃな話ではないんです。
出典:2020年に「ミドリムシ」で飛行機飛ばす! 認知症研究&エコ燃料で「人と地球を健康に」 ユーグレナ・出雲充社長|zakzak by 夕刊フジ 2019.10.23
終わりに
ミドリムシは体長は0.05ミリで、植物と動物の性質を併せ持つ珍しい藻です。
光合成をする「植物」としての側面と、動きまわる(顕微鏡でみて確認できるレベルで)という「動物」としての側面を併せ持ちます。
燃料としてのミドリムシは、CO2を吸収してくれるという点、大量培養できるがゆえに、石油のように枯渇する心配がないという点により、エコ燃料としてとらえることができます。
カフェスト編集スタッフとしては、ミドリムシが脳の栄養分「BDNF」を増やすという点にまずは注目をします。
そして、大学発ベンチャーの旗手とされる人の「頭の中」や「事業構想の中」で、脳の栄養の話と、エコ燃料の話が混ざりあっていることに今後とも注目していきたいと思います。
(終)
<参考>(本文中で紹介したもの以外)
・ユーグレナ、ヒト臨床試験でミドリムシの継続摂取が脳の状態に効果的に寄与することを確認|日本経済新聞 2019年5月28日
・ミドリムシ・・・地球の未来のカギ握るスーパー微生物(2021年5月9日)【山口豊アナが見たSDGs最前線】|ANNnewsCH(Youtube)
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