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シリーズ「介護のプロが語る認知症ケア」第3回 ~認知症ケアにまつわるエピソード~

 

シリーズ「介護のプロが語る認知症ケア」第2回では、認知症ケア推進課ができたきっかけについてお伝えしました。
今回は、認知症ケア推進課の中村さんが経験された、印象的なエピソードをご紹介したいと思います。

 

【認知症ケアについて、印象的なエピソードはありますか?】

 

認知症や介護が必要になった状態でも住み慣れた地域で生活し続けるためには、家族の存在が大きいと考えさせられたエピソードがあります。

 

あるご家族の言葉が、改めて「家族支援」を考えるきっかけになりました。

 

デイサービスで家族会を開催した際、セントケア・グループで行っているケア手法を「ご自宅でも一緒に取り組みましょう」と紹介しました。
そのとき参加されたご家族は、一様に難しい顔をされました。
理由を尋ねてみると、「今はテレビでもインターネットでもいろいろな情報が得られる。頭では『こうしなきゃいけない』ということは分かっているが、実際に目の前で家族がそうなったら、イライラしてしまい上手く接することが出来ない」とのことでした。

 

家族会では、ご参加いただいたご家族同士で介護のあるある話をされ、最後には「毎日大変だけど、この家族会があるから、また明日笑って頑張ろうって思えるんだ」とおっしゃっていただきました。ご家族の想いを伺い、お客様だけでなく、ご家族にとって何が必要かを改めて考えさせられました。

 

 

 

また、「こういう経験をしているのは自分一人じゃなかった」「こんなに眠れていないのは自分だけじゃないのね」と、泣きながら話されたご家族がいらっしゃいました。「家族同士の繋がりが、1ヶ月に1回や、定期的にあることによって心が楽になる。これが家族のケアだよ」と参加されていた方が言ってくださいました。

このとき、「お客様のケアだけが私たち介護職の仕事じゃない。お客様が住み慣れた地域で生活を続けるためには、ご家族の力が必要!!もっとご家族の想いに耳を傾け、ご家族ケアを学んでいきたい」という想いに至りました。

 

今回、中村さんのお話を通して、介護や認知症ケアの中でのご家族ケアの大切さ、そして、中村さんはじめ、認知症推進課の皆さんのケアへの想いがよく伝わってきました。お一人お一人の介護度や症状も異なる中、それぞれの悩みを抱えていらっしゃるご家族同士の「つながり」、また、少しでも共有できる「場」があるということも、ご家族にとって心強く、力になるのだと、改めて気付かされました。

 

次回のシリーズ第4回では、そんな認知症ケア推進課のこれからの展望や想いについて、さらにお話を伺いたいと思います。

 

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