認知症と保険の特集記事の第3弾は、認知症に備える少額短期保険「認知症のささえ」を本年2月より販売開始したセント・プラス少額短期保険株式会社の坂本英一郎社長に、市場の反応やお客様の声についてお聞きしました。2回に分けてご紹介します。
セント・プラス少額短期保険会社は、これまで少額短期保険として、介護保険※、介護一時金特約、死亡保険を開発してきました。
介護保険※は3つの介護保険及びそのセットからなります。
※院内あんしん:通院時の病院内介助サービスを受けた際の費用を補償
※あったかゴハン:調理代行サービスを受けた際の費用を補償
※しっかり上乗せ:区分支給限度額を超えて介護サービスを利用した際の費用を補償
※ミニセット:院内あんしん+あったかゴハン+しっかり上乗せ+介護一時金特約のセット
そして、今年、認知症になったら一時金を受け取れる認知症保険をエーザイ株式会社と共同開発しました。
認知症保険の市場の反応
Q1 今回、認知症保険を打ち出されたわけですが、反応はいかがですか?主契約のタイプと特約のタイプとがあるようですが、新規で主契約の認知症保険を購入される方が多いのですか?それとも、もともとセント・プラスの介護保険を購入していた人が認知症の特約を追加で購入されることが多いのでしょうか?
「主契約が多いです。主契約も80万と60万を用意していますが、80万が圧倒的に多いです。」
Q2 新規のお客様が取れているということですね。
「新規ですね。(新規とは言え)主契約の80万の保険でも、保険料は安く済みます。70歳の男性で1,041円。女性ですと若干高いですが、それでも1,193円ですので、あまり負担感がないということがあると思いますね。」
認知症保険と介護保険の関係
Q3 他社の例ですと、認知症に特化した保険商品を単独で販売している場合があったり、介護保険や他の生命保険がメインで追加の特約として認知症の保険を販売している場合があります。認知症の保険と介護保険の関係はどう考えていますか?
「入り口は認知症の保険がいいのではないかと思っています。というのも認知症の保険については健康な方から、要介護度を問わず加入することができます。認知症になっていなければ入れますよという商品となっています。」
「当社の介護保険は、要介護2までの方が加入することができます。その意味では介護保険は、例えば認知症と診断されて介護度がついてからでも入れる保険になります。認知症介護にかかる費用は大きいですから、とりあえず認知症保険で一時金を受け取っていただき、そこでリフォーム、例えば、玄関先やリビングにセンサーを付けていただくなど、そのようなことに使っていただきます。そして、当社の介護保険にさらに入っていただいて、そのあと充実した介護サービスを受けていただくという流れがいいのではないかと思っています。」
Q4 認知症保険というのは追加のように見えたのですが、ここがむしろ最初になるのですね?
「僕はそう思っています。商品ラインナップを見せるときも、認知症に備えましょうよという話をします。そこで介護度がついたら介護保険に入ろうよと、そしていつか来る死亡に備えましょうというイメージです。お客様へのフックとしては認知症から入っていただくのが良いのではと思っています。」
セント・プラス少額短期保険の坂本英一郎社長
認知症の保険は誰のため?
Q5 認知症の保険に関するメディアでの取り上げられ方の一例として本人の備えのためというメッセージを受け取ることができます。一方、30、40代であれば、自分よりはまず親が心配だというのが本音と感じます。その点はどうお考えですか?
「今で言うと、両方のメッセージを出しています。自分で備えていこうよ、家族に迷惑をかけないようにねというメッセージと親の認知症に備えようというメッセージと両方のメッセージを出しています。加入してくる契約のパタンは、本人が本人のためにというパタンと子供が親のためにというパタンで半々くらいです。」
「さきほど言いましたように、70歳でも保険料は1,000円くらいです。40歳の子供が、子育てをしながら、住宅ローンを抱えながらも、70歳の親に1,000円だったら払えるのではないかと思います。」
「代理店さんにとっては、少額短期の商品はメインの商品とはなりにくいんです。正直1,000円くらいの保険料では手数料もわずかになります。だから、例えば本人の死亡保障、家族の医療保険とかを説明するついでに、親の認知症特約的な位置づけで商品を紹介してもらいます。親が認知症になっても頻繁に帰省できないですよね、お金かかりますよね、だから親の認知症に備えていきませんかという話の進め方になりますね。」
Q6 少額ならではですね。
「コバンザメではないですけど(笑)、他の保険に乗っかりながら……。そのような売り方ができます。」
少額短期保険、話を聞けば聞くほど「なるほど」と納得させられることばかりです。次週、後編をお届けします。
詳しい内容・お問い合わせは
認知症に備える保険 「認知症のささえ」サイトへ
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