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ちんどん屋の思い出ー視覚と聴覚及び心身の記憶に働きかける「プロ」の演奏の力ー

 

こんにちは。認知症Cafést編集スタッフのSです。

引き続き、断捨離は継続中

今年の7月に書いたツイート「UDトークを使ってみた!ー音声文字化アプリでドナルド・キーンの文章を書き起こすー」で、今回のstayhome期間中、自分の部屋の片づけが進んだと書きました。

 

引き続き、在宅勤務が続くなか、あの時期よりはトーンダウンしているものの、断捨離は継続しています。

 

今回のツイートは、この度、断捨離をしようと考えているモノにちなんだ思い出を書こうと思います。

断捨離を検討しているのは「アサヒ芸能新聞」(昭和29年発行)

断捨離を検討しているのはこちらの古い雑誌、「アサヒ芸能新聞」です。

 

 

発行日は平成29年11月7日。表紙を飾っているのは若尾文子さん。
表紙をめくると、東宝配給映画で、鶴田浩二さん、有馬稲子さん、岡田茉莉子さんが出演した『結婚期』のグラビア写真が現れます。

 

注:写真に写っているのは鶴田浩二さんと有馬稲子さんです。

「思いっきり昭和文化の日」という催しもの

今から10数年ほど前の11月3日に、当時勤務していた有料老人ホームで、「思いっきり昭和文化の日」という催しものを開きました。

 

 

この催しの少し前にも、私は施設内で「昭和のすぐれもの」という展示を行いました。黒電話、蚊帳、乳母車などの「昭和のもの」の画像をネットで入手し、カラー印刷後にラミネートをして、壁に掲示したのです。それを面白いと思ってくれたスタッフがいて、今度は画像ではなくて、実物でやらないかと声をかけられました。

 

「実物で」という志に沿って集めたものの1つがアサヒ芸能新聞でした。昭和の懐かしいモノやアイテムを集め、インターネット上で販売をしていたNPO法人から購入しました。

 

この日は、厨房のスタッフの協力を得て、昭和のおやつとしてふかし芋をつくってもらいました。「実物で」という趣旨をおやつにも適用したのですね。

ちんどん屋の実演がこの日の目玉企画

出し物も用意しました。ちんどん屋の実演がこの日の目玉でした。出し物もまた「実物で」という趣旨の延長の企画でした。

 

ちんどん屋はゲストを呼びました。吉祥寺を活動拠点とするちんどん屋同好会(「武蔵野ちんどん同好会」)をインターネット上で見つけて、依頼しました。
メンバーは普段はサラリーマンや自営業者で、介護施設で勤務をしている者もいると教えていただきました。老人ホームでの出演経験も持ち合わせていて、慣れておられました。

その実演に体が震えた

さまざまな場所で出演を重ねてこられてきた、言わば玄人のメンバーによる実演は格がまるで違い、その出だしで体が震えました。

体が震えたのは私だけではなかった

体が震えたのは私だけではなかったようで、昔、施設の近くのお寺で坊さんをしていたという男性の入居者が、この演奏を見て、合掌をしながら涙を流されているのが目に留まり、晴れ晴れとした気持ちになりました。

 

思えば、半年前に入居されたときは胃ろうが造設されていました。認知機能の低下により、言葉が通じず、私たちの介護には凄い力で抵抗をされました。この半年で口から食べることを再開し、ようやく施設に馴染んできた頃でした。

 

引き続き、言葉でのコミュニケーションは難しいままでしたが、視覚と聴覚及び心身の記憶にフルに働きかける「プロ」の演奏はこの方の琴線に触れていたようなのでした
私としても思いもよらない手応えが得られて、じわじわと満たされていく時間になりました。

(終)

 

 

<補足①>武蔵野ちんどん同好会のパフォーマンス動画

ネットで検索しましたらありましたので、リンクをつけておきます。

武蔵野ちんどん同好会-1|Youtubeチャンネル名 konchan1944(2018/07/09)

武蔵野ちんどん同好会-2|Youtubeチャンネル名 konchan1944(2018/07/09)

武蔵野ちんどん同好会-3|Youtubeチャンネル名 konchan1944(2018/07/09)

<補足②>東京都のヘブンアーティスト

なお、武蔵野ちんどん同好会が、東京都のヘブンアーティストに登録されていることも確認できました。詳しくは以下のリンクをご確認ください。

ヘブンアーティスト|東京都生活文化局

(ヘブンアーティストへの)登録アーティスト 音楽部門マ行|東京都生活文化局

(こちらで、武蔵野ちんどん同好会の名前を見つけることができます)

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