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認知症に備える少額短期保険について―セント・プラス少額短期保険 坂本社長インタビュー(後編)―

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認知症に備える少額短期保険「認知症のささえ」を本年2月より販売開始したセント・プラス少額短期保険株式会社の坂本英一郎社長へのインタビュー記事の後編です。

 

前編はこちらをクリックしてください。

エーザイとの商品開発

Q1 商品開発の経緯についてお聞かせください。「エーザイ株式会社と共同開発した」と打ち出されていますよね。
「昨今、認知症については、2025年に65歳以上の5人に1人がなると言われていて、社会問題になっています。認知症介護は通常の介護よりコストがかかると言われていますので、保険会社の使命として、認知症介護にかかる経済的負担を少しでも軽減できるものをご提供できないかという当社側の思いがありました。」

 

「そのようなときにエーザイさんの方からお声がけをいただきました。エーザイさんとしても認知症治療薬の開発に留まらず、認知症に関するソリューションもいろいろと検討されており、ソリューションの1つとして保険商品の開発に着目されておりました。治療費用を賄えるものを提供できないかということですね。」

 

「2016年12月にエーザイさんと業務提携契約して、商品開発に着手しました。商品開発に加えて、エーザイさんとは認知症に関する啓蒙のため情報発信をしていこうという話になりました。業務提携の第1弾として、認知症になる前にどう備えていかなければならないかをまとめた『認知症のソナエ』を作成しました。第2弾が今回の保険商品でした。今後も提携に基づく企画を検討しています。」

注:「認知症のソナエ」はこちらをクリックしてください。

認知症保険への関心の高まり

Q2 介護保険というと政府がやっている介護保険のイメージが強く、まだ民間の介護保険は認知されていないのではないですか?

「まさにそのとおりですね。自分はまだ認知症にならないとか、うちの親は大丈夫とかいう感覚で、まだ自分ごととして捉え切れていないというのが現状と思うんですよね。介護保険は40歳になったら保険料が取られますが、いくら取られているのかピンと来ないというくらいの認識ではないかと思います。」

 

「死亡保険や医療保険は、例えば入院したら収入がなくなるので所得の補償が必要になるなど、話をするとイメージが強く沸くと思います。それに比べると、あなたが要介護状態になったときに、誰が面倒を見てくれるのですか、また、お金はこれくらいかかりますがどう備えていきましょうかと問うても(自分ごとではないために)まだ「備えよう」という気持ちにはならないですね。40歳代、50歳代の人たちへの介護保険に関するニーズ喚起にはまだ時間が掛かると感じています。ニーズが見えていたら別ですが……。」

 

Q3 普及のためにはどのようなことが必要と思いますか?

「タイミングとしては今、いい風が吹いていると思います。10月の頭に認知症の保険を各社が次々と出しています。実は10月2日に当初のホームページにアクセスした方がものすごく増えました。10月2日に各社リリースを出していますので、その日に認知症の保険をいろいろ検索されたのだと思います。それで当社のサイトに流れ着いた人も増えたのだと思います。」

 

「他社が認知症に関する保険を出したことで、認知症を自分で備えるんだとか、認知症になったときに人に迷惑をかけないようにするんだとかいう意識が少し出てきているのではなかろうかと思います。自助努力で備えていかなければならないという感覚になって浸透してくると、次は保険で備えていこうよと一歩先に進むのではないかと思います。メディアに取り上げられるのは大きいですね。」

 

自分ごととして考えられるために

Q4 自分ごととして考えられるためにはどうすればよいでしょうか?
「数は少ないですが、40代の方で自分への備えとして認知症保険に入っている人が実はいます。おそらく身内に認知症になられている方がいて、ご自分も心配されて備えていこうということではないかと思います。」

 

若年性認知症も知られるようになりました。仕事をしていた方が若年性認知症と言われて仕事をやめざるをえない、あるいは、治療をしながら所得を減らして勤務をしていくなど考えられます。そのための費用として一時金を使っていただくことは考えられます。」

 

「また、認知症になると銀行口座から窓口でお金を下ろすことができません。契約行為も出来なくなります。当面の生活費・治療費として一時金を使っていただくことができると思います。80万円という金額では出来ることはそんなに多くはないかもしれませんが、当座の資金として手元にお金があるということは大きいと思います。」

 

Q5 手元に軍資金があれば、安心感がありますよね。
「要介護の状態から認知症になるということであれば備えが出来ているかもしれません。しかし、いきなり認知症になったときはすべてが後手にまわると考えられますから、一時金があればご家族は安心するのではないかと思います。」

 

「実は8月のお盆明けに資料請求が多かったです。推測ではありますが、帰省してたまに会った親に対して認知症の不安を感じる言動があって、備えていこうというアクションもあったのではないかと考えています。」

さいごに

Q6 今日はお話ありがとうございました。最後に話が広くなりますが、保険の仕事の面白さや喜びについて聞かせてください。
ここのところで一番嬉しかったのは、エーザイと新商品を開発して、自分で構想した商品が世に誕生したことですね。実は以前、勤務していた保険会社で、ある商品の見せ方を変えて、切り口を変えて、ターゲットを変えて、まったく同じ商品を全然違う商品に作り替えるということに取り組んだことはありました。しかし、一から商品をつくってというのは初めての経験です。そういう意味では嬉しいですね。少額短期保険業界でこういう商品性のものはいまだになく、業界初の商品ということになりますので……。」

 

 

認知症に備える保険に関する多くの事例を教えていただきました。どのような経済面での不安に対して人々は備えていこうとしているかが見えてきたのではないかと思います。保険で対応していくという選択肢が心に留まれば幸いです。

 

セント・プラスが開発した認知症に備える保険についての
詳しい内容・お問い合わせは
専用の「認知症のささえ」サイトへ
「認知症のささえ」サイト

 

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