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カリフォルニアでのブレデセン博士の講演―脳を救う複合アプローチとしてのリコード法―

 

本日、ブレデセン博士がテレビ番組(『世界一受けたい授業』)に出演されると聞いております。

 

先月1023日に、米国カリフォルニア州のパームデザートで行われた脳の健康に関するシンポジウムで、ブレデセン博士が講演をされたようです。

 

そのときの講演の内容について記している記事を今回はご紹介したいと思います。(注:ご紹介する英文記事のタイトルをもとに、このカフェストの記事にて「脳を救う複合アプロ―チ」―単一の原因・単一のアプローチではなく、複数の原因・複合アプローチとご理解ください―と題に入れました。)

記事へのリンク

A Holistic Approach to Saving Brains | Desert Health

ブレデセン博士に関する昨日の認知症Caféstの記事

ブレデセン博士監修の「リコード法」サプリメントが日本上陸

記事の導入部分―アメリカでのアルツハイマー病の罹患状況

ブレデセン博士の講演を伝える前の、記事の導入部分で、アメリカでのアルツハイマー病の罹患状況が書かれています

 

・アルツハイマー病はがん、心臓病に次いで、第3位の死因となっている。

・550万のアメリカ人がアルツハイマ―病に罹患している。

・この罹患数は、治療法が見つからなければ2050年までに3倍になると予測される。

 

ブレデセン博士の講演―アルツハイマー病やリコード法について―

ブレデセン博士の講演内容を見てみましょう。

(注:ブレデセン博士の著書『アルツハイマー病 真実と終焉“認知症1150万人”時代の革命的治療プログラム』を読まれている方ならば、今回の講演も、そこで書かれていることに基づいていると分かることでしょう。)

 

伝統的な西洋医学とリコード法の違い

 

・伝統的な西洋医学は、認知機能の低下やアルツハイマー病を引き起こす一つの要因を探ろうとする。

・リコード法では、少なくとも36の要因が脳の健康にとって重要と特定されている。

 

リコード法は脳の機能をどう捉えているか?

 

・単純化すれば、脳の現在の機能は、脳が傷づく出来事と、(傷つかずに)脳を維持していく出来事とを足し合わせた状態である。

・脳の機能を促進するものが睡眠、運動、栄養、酸素、ホルモン

・脳にダメージを与えるので緩和すべきものがトラウマ、ストレス、炎症、毒素(有害物質)

・脳の機能を促進するアプロ―チと脳へのダメージを緩和するアプローチをどう組み合わせるのが良いかは個人差がある(→個々人の状態や特徴に合わせてリコード法も計画される)。

 

現在の医者に対するブレデセン博士の懸念とリコード法での対応

 

・医者側がアルツハイマ―病の治療法がないと考えているため、利用可能な検査を行っていないことをブレデセン博士は懸念されている。

・リコード法は脳の機能に寄与しているすべてのものの詳細を明らかにする検査から開始する(検査はcognoscopyと命名されている)。 

 

リコード法での検査についてのこの記事でのブレデセン博士(注:このイベントを主催したBrossfield氏の発言かもしれません。このどちらかです。)のコメントです。

 

血液を流れているビタミンCのレベルを知りたい。亜鉛レベルはどうか。炎症やウィルスに反応するサイトカインがあるのかどうかなど。

 

記事の後半―電気刺激や磁気刺激の効果―

このイベントではブレデセン博士の講演以外にも、「テクノロジー(この記事では特に電気刺激や磁気刺激)による認知機能の低下に対する効果」の特集もあったようで、記事の後半はそれについて書かれています。

 

私には難解で、誤解もあるかもしれませんが、簡単にご紹介します。

電気刺激や磁気刺激の脳の機能に対する効果

 

 

・過去には脳に外科手術を施して、電流を流す線を脳内に設置して、刺激をすることで、パーキンソン病などの症状を改善した事例がある。これは体への侵襲性が高いという課題があった。

・また、rRMSという磁気刺激によりうつ病(抑うつ)の状態が改善されたという事例がある。しかし、脳の1つの領域へのアプローチに留まるという限界があった。

 

MeRT(Magnetic e-resonance therapy)―論者としてErik Won氏―

(注:MeRTは訳が分かりませんでした。Mageneticは「磁気の」、resonanceは「共鳴」と言った意味です。)

(注:Erik Won氏はMeRTという技術を開発したWave Neuroscience, Incという会社のPresident-参照記事へのリンク-であり、このイベントに論者として参加されています。)

 

電磁波の刺激を与えるデバイスを頭のまわりに置き、デバイスが頭のまわりを移動しながら刺激を与える。刺激は指のタッピングのように感じられる程度。つまり、侵襲性が低い。

・脳の1つの領域ではなく、広範囲の領域の機能を改善できる。これにより、アプローチの個別化を可能にする。

・ストレスに対処する感情の力をつけさせる。事例として、希死念慮のある友人の自殺を防ぎ、MBAを取得するなど生き生きとした人間に変容させた。

 

終わりに

ブレデセン博士のテレビ出演の情報を受けて、Google翻訳の力を大いに借りて、10/23のシンポジウムを伝える英文記事について紹介させていただきました。

 

脳機能を維持するためのライフスタイルを説く「リコード法」と、最新のテクノロジーを活用した「脳への電気や磁気による刺激」は対局にあるもののように感じられました。しかし、「個人化(個人の状態に応じた対応)」は共通の点と思いました。主催者側(Brossfield氏)には掛け合わせれば効果を発揮するとの仮説や思いもあるようでした。

 

後者の領域についてはまだまだ勉強が足りないと感じました。今後さらにフォローしていければと思います。

 

(文:星野 周也)

 

 

 

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