オンライン面会ではどこまで「その人」を感じられるか

2020/06/05
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こんにちは。認知症Cafést Online編集スタッフのマツです。

 

コロナ禍のため、介護の現場でも様々な対応がとられています。お客様とご家族の面会も控えられている中、LineやZoomを活用したオンライン面会を実施している施設もあります。
政府からも地方自治体に対して、文末のような周知がなされています。

一人暮らしとテレワーク生活

私のテレワーク生活が始まって早2か月半。一人暮らしのため、週1度のヘルパーさんの訪問以外は、実際に他人と接触する機会は皆無です。
業務の遂行自体に差しさわりはなく、むしろ効率が上がっているくらいですが、やはり実際の人との接触がないため、じわりじわりとストレスが溜まっています。そこで、10日に1度くらいの頻度でオンライン飲み会に参加しています。

その人をその人たらしめている要素

私は全盲のため、実際(オフライン)のコミュニケーションでも相手の姿が見えることより、会話に重点を置いています。そのため、オンライン飲み会で誰かと会話することで、それなりにストレスが緩和されていると感じています。
しかし、人が持っているパーソナリティーというか、
その人をその人たらしめている要素
というものは、当然会話の中にだけあるものではありません。

 

  • 足音
  • 動作によって出る音(衣擦れ、椅子の引き方など)
  • いつも使っている洗剤や香水の香り、それと交わる体臭
  • 握手したときの手触り
  • 肩を借りたときの肩の形や肩こりの度合

 

……挙げていけばきりがありませんが、このような様々な要素が組み合わされて、その人はその人ととして、他の人から認識されているのだと思います。

オンライン面会で認知症の本人は相手を認識できるか

ここで話は冒頭のオンライン面会に戻るのですが、オンラインでは前述の要素のうち、互いの表情と会話を認識することが可能ですが、その他の要素を認識することはできません。一方、認知症とともに暮らしている方々は、おそらくもっといろいろな要素で面会の相手を認識しているのではないかという仮説に基づけば、オンライン面会だけでは相手を認識しづらいのではないかと思うのです。

勿論このコロナ禍の中で、オンライン面会という取り組みが今できうる最大の取り組みだということは理解しつつ、あくまで一過性の取り組みであってほしい、常用されることがないよう、1日でも早く日常が戻ってくることを願うばかりです。

 

 

 

 

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