長谷川和夫先生から引き継がれているもの

2018/10/09
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こんにちは、認知症Cafést online編集スタッフのSです。

 

先日10月6日、東京都港区で開催された「フォーラム 認知症新時代 いきいきと暮らすために」に参加してきました。
一番のお目当ては長谷川和夫先生でした。
(リンクを確認していただくと分かりますが、当日の様子は10月20日に一部放送されます。)

 

(画像は上記のフォーラムのページより取得しました。)

 

長谷川和夫先生は1974年に「長谷川式スケール」を開発しました。
長谷川式スケールは認知症の診断に使われる簡易知能検査です。
2000年からは認知症介護研究・研修東京センター長(当時は「認知症介護」ではなく、「高齢者痴呆介護」と
呼ばれていました。)を務められ、認知症ケアを推進されてきました。

 

1929年生まれで今年89歳。昨年、認知症の発症を公表されました。

 

フォーラムの前半(第1部)では長谷川先生が登壇されまして、一挙手一投足、見入ってしまいました。
戦後、教会の牧師から受けた言葉に感銘を受けたなど生の声に触れることができ、感激しました。

 

先生の業績やお考えが、フォーラムの切り口で幾つか取り上げられていましたが、私が改めてここに書き残したい
と思うのは、先生が40年~50年前には提唱されていたという「認知症になっても何もわからないわけではない」
との考え方です。

 

そして、2000年からは認知症の本人らしさを尊重したパーソン・センタード・ケアを推進されてこられました。

 

フォーラムの後半(第2部)では認知症の本人も参加されました。
そこでは、一般社団法人日本認知症本人ワーキンググループ 代表理事の藤田さんが言われていた言葉が印象に
残っています。

 

「やさしくされる、ケアされるではなく、まずは自分らしさ。それが失われないことが大事。」

 

「家族を頼っていない本人はいない。残された力があると信じてもらえなければ挑戦させてもらえない。はじめ
から出来ないと言われたくない。」

 

繰り返しになりますが、先生が40~50年前に提唱されていたのが、
「認知症になっても何もわからないわけではない」との考え方です。
そして、今、認知症本人が自ら自分らしさや残された力について語っておられます。

 

長谷川和夫先生の精神が引き継がれているということではないかと思いました。

 

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