レビー小体型認知症とは

2019/03/05
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こんにちは。認知症Cafést Online編集スタッフのマツです。

 

認知症と聞くとアルツハイマー型認知症を思い浮かべる人が大半だと思いますが、比較的に新しく定義されたものにレビー小体型認知症があります。
今回はレビー小体型認知症について、アルツハイマー型と比較しつつご紹介します。

NHKの「ガッテン!」でも取り上げられます!

レビー小体型認知症は、明日(2019年3月6日)、NHKの「ガッテン!」でも取り上げられるそうですよ。実は先取りでありました(笑)。

 

神経にたまるゴミ

長年暮らしていると家の中にゴミがたまるように、私たちの脳や神経細胞にもゴミのような物質がたまります。この物質の中で認知症に関係するのがβアミロイドレビー小体です。

 

βアミロイド

βアミロイド(アミロイドβとも)は脳内で作られるたんぱく質の一種で、主にアルツハイマー型認知症を引き起こす原因だと考えられています。
βアミロイドは健康な人の脳にも存在し、通常なら睡眠時などに分解・排出されます。しかし何らかの原因で脳細胞にβアミロイドが蓄積すると、その毒性が脳細胞や神経線維を傷つけると考えられています(アミロイド仮設)。
βアミロイドの蓄積の仕組みはまだ詳しく解明されていませんが、加齢や疲労によってβアミロイドの分解・排出のメカニズムに問題が生じるからだと考えられています。

 

レビー小体

私たちが体を動かしたり食事をしたりできるのは、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、アセチルコリンといった神経伝達物質が、私たちの体に無数に張り巡らされている神経細胞を通じて、脳の指令を体に伝えているからです。
レビー小体はその脳や神経細胞内に現れる円形の異常な構造体で、αシヌクレインという特殊なたんぱく質からできています。このレビー小体が脳の下の方にある脳幹に多くあらわれるとパーキンソン病の原因となり、脳の表面の大脳皮質にまで現れるとレビー小体型認知症の原因となります。
このレビー小体は神経伝達物質を分泌する神経細胞に特に現れ、神経細胞の変性・脱落を引き起こしますが、その詳しい原因はまだわかっていません。

レビー小体型認知症の症状と特徴

レビー小体型認知症の症状には、アルツハイマー型認知症に似たものとパーキンソン病に似たものとがありますが、以下が特徴的な症状だと言われています。

 

  1. 幻視(実際には見えないものが見える)
  2. 認知機能の変動(その時々による理解や感情の変化が激しい)
  3. パーキンソン症状(歩行など動作の障害)
  4. レム睡眠行動障害(大声での寝言や行動化)
  5. 自律神経症状(立ち眩みや寝汗、便秘など)

 

アルツハイマー型認知症との違い

同じ認知症といっても、アルツハイマー型認知症では物忘れや徘徊などの特徴が目立つのに対し、レビー小体型認知症では上記のような特徴的な症状が目立ちます。特に1.については

  • 本人もその奇妙さを認識しているにも関わらず、ありありとした幻視を見る
  • 幻視として現れるのは主に小動物や人であり、わらわらと現れる場合が多い

といった特徴があります。

 

パーキンソン病との違い

同じレビー小体が原因であることもあり、レビー小体型認知症の症状はパーキンソン病のそれとよく似ています。最初にパーキンソン病と診断されていたのに後から物忘れの症状が出てきたことでレビー小体型認知症と診断されるというように、レビー小体型認知症では、最初は記憶障害が目立たない場合もあります。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
レビー小体型認知症もアルツハイマー型と同様に、明確な予防方法や治療薬は登場していません。
しかしアルツハイマー型であればβアミロイドの蓄積を抑えるべく、深い睡眠、生活習慣の見直し、マインド食、コグニサイズのような運動など、今からでもできる予防策はあります。

 

また、レビー小体型の場合でも、抗認知症薬(アリセプトなど)や抗パーキンソン薬の投与で、症状の進行を緩やかにすることは可能です。

いずれにせよ早期発見・早期治療が大事ですので、関心を持ち続け、最新の知識を仕入れるように努めたいものです。

 

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