認知症予防に鶏胸肉がいい!? おいしく手軽にできる認知症予防
2018/02/28初出:2018年2月28日|最終更新:2020年12月25日
私たちが普段から口にする身近な食べ物で、認知症予防に効果があるという食材があるそうです。
その食材、効果、食べ方についてまとめました。
鶏肉と認知症
2014年、東京大学/九州大学/国立精神・神経医療研究センター/日本ハム㈱ 中央研究所などの共同研究でこのような発表がありました。
「肉類ペプチドに脳萎縮抑制効果・神経心理機能強化の可能性」
◆健康な人において、鶏肉に含まれる高機能食品成分イミダゾールジペプチドには、記憶に関連する脳部位の萎縮を抑制する効果が見られた。
◆同様に健康な人において、イミダゾールジペプチドには、神経心理機能に改善傾向をもたらす効果があることがわかった。
◆食肉や魚肉の適量な摂取は、脳や心の健康維持につながる可能性が期待される。
脳の老化を予防する ⇒ 認知症の予防につながる…かもしれないということなんですね。
イミダゾールジペプチドって?
上記の発表内にある、高機能食品成分イミダゾールジペプチドについて説明します。
イミダゾールジペアチドは脊椎動物の筋肉組織中に多く含まれる物質で、抗疲労、学習機能の改善などに役立つといわれています。中でも、長時間運動を持続できる渡り鳥や回遊魚について、その筋組織中に含まれる「イミダゾールジペプチド」は、抗酸化作用を有し疲労を和らげるはたらきを持つと考えられています。
イミダゾールジペプチドはイミダゾール基を有するジペプチドの総称で、カルノシンやアンセリンなどが挙げられます。 カルノシンとアンセリンの総含量を調査した研究によると、身近な食材では、特に鶏胸肉(むね肉)に多く含まれ、また、豚肉(ロース・モモ)、カツオ、マグロなどにも比較的多く含まれているようです。
鶏肉に含まれるイミダゾールジペプチドについては、もも肉にも含まれていますが、胸肉(むね肉)のほうが2.6倍ほど含有量が多いとのことです。お値段の安い胸肉の方が多いなんて、経済的にも有り難いですよね。
おすすめの食べ方は?
イミダゾールジペプチドの成分は親水性アミノ酸なので、一部調理中の水分に溶け出すことが考えられます。そこで、鶏むね肉のスープや煮込み料理などで、煮出したスープも一緒に摂るのがおすすめ。 成分が溶けだした煮汁ごと食べて、体も気持ちもあたたまりながら、おいしく認知症予防に取り組んでみてはいかがでしょうか?
<参考>
- 肉類ペプチドに脳萎縮抑制効果・神経心理機能強化の可能性|東京大学大学院新領域創成科学研究科 2014年3月29日
- 2014年農林水産研究成果 10大トピックス TOPIC10
- 『食品機能性の科学』(出版社: 産業技術サービスセンター)