【令和3年度介護報酬改定】無資格者への認知症介護基礎研修が義務化

2021/05/02
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こんにちは、認知症Cafést編集スタッフのSです。

 

令和3年度介護報酬改定

令和3年度介護報酬改定(本年4月からスタート)では、認知症というキーワードでも新たに追加された事項があります。

無資格者への認知症介護基礎研修受講義務づけ

その1つが、無資格者への認知症介護基礎研修受講義務づけというものです。
以下のスライドは、厚生労働省のホームぺージに掲載されている資料から1枚画像化したものです。

 

出典:令和3年度介護報酬改定の主な事項|厚生労働省 令和3年度介護報酬改定について

 

無資格とは?

無資格は介護福祉士、介護支援専門員、看護師等の資格保有者以外という狭い意味ではありません。例えば、福祉系高校で認知症について学んだ者や、介護職員初任者研修など何らかの研修で認知症について学んだ者は、ここでの無資格者には該当せず、認知症介護基礎研修受講の必要はありません。

認知症サポーター養成講座の修了者は受講義務の対象外とならない

ただし、認知症サポーター養成講座の修了者は認知症介護基礎研修の受講義務の対象外とならない(つまり、研修受講の必要あり)ようです。

 

厚労省が出しているQA集によれば

 

認知症サポーター等養成講座は、認知症について正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守り、支援する応援者を養成するものであるが、一方で、認知症介護基礎研修は認知症介護に携わる者が認知症の人や家族の視点を重視しながら、本人主体の介護を実施する上での、基礎的な知識・技術及び理念を身につけるための研修であり、その目的・内容が異なるため、認知症サポーター等養成講座修了者は、義務付けの対象外とはならない。

出典:介護保険最新情報Vol.952 令和3年3月26日「令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.3)(令和3年3月 26 日)」|厚生労働省

 

 

地域で認知症の人や家族を見守るサポーターと、仕事として実際に認知症介護に従事する者を区別して考えているということがうかがえます。一般の人、市民の人向けである認知症サポーターと、仕事として介護をする人の区別と思います。

介護の事業者側の対応

これを受けて、弊社でもそういう状況なのですが、介護の事業者は無資格者を把握して、認知症介護基礎研修を受講させる“責任”が生じており、その対応の検討をしています。

 

ただ、あくまでこの研修の実施主体は自治体なので、介護の事業者側は、自治体の研修の情報をキャッチして、無資格者に受講をさせるという取り組みになります。

eラーニングの活用も

 

認知症介護研究・研修仙台センターが開発した認知症介護基礎研修 eラーニングシステムは、厚生労働省公認ということで、注目をしています。

認知症介護基礎研修 eラーニングシステム

このeラーニングシステムのサイトはこちらです。

認知症介護基礎研修 e-ラーニングシステム|認知症介護研究・研修仙台センター

 

ただし、このeラーングについても、あくまで運用法を決めるのは自治体側です。
2021年5月1日時点の情報にはなりますが、介護の事業者側が自由に登録して、従業員を受講させることが可能というものではないようです。

コロナ禍での研修の形

コロナ禍ですから、研修の形も、1つの会場に受講者を集めて講義をする“集合研修”は見直しを迫られています。

 

無資格者への研修受講が義務づけされたとは言え、認知症介護基礎研修の社会的な運用は、まだまだ試行錯誤が続いているという状況のようです。
eラーニング等を活用し、無資格者の研修受講がしやすい環境が整うことを期待します。

 

 

 

 

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