94歳の母を介護するフジテレビ・須田アナウンサーの記事を読んで(1)

2019/05/03
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こんにちは、Cafést編集スタッフのSです。

介護している家族の声

ツイートでどんなことを取り上げるかは日々試行錯誤でありますが、個人的には介護をしている家族の声についての記事も取り上げていきたいと思っています。

 

今回は編集スタッフ マツにも協力してもらい、一つの記事を2人の視点で書いてみたいと思います。
今回はマツがマツの視点で書いています。次回はSの視点で書いてみます。

須田アナウンサーへのインタビュー記事

取り上げる記事は、

「いまがいいとは思わない」94歳の母を介護するフジテレビ・須田アナウンサー 施設か自宅か葛藤の日々 | 出典 FNN PRIME

 

フジテレビでの後輩森下和哉アナウンサーが、先輩須田哲夫アナウンサーをインタビューして、フジテレビをキー局とするニュースネットワーク(FNN)で記事にしているという内輪の記事です。報道のあり方などの論点も含み、親の介護に関する論点が散漫になっている印象もあります。たまたま目にした記事でありますが、親の介護をしている家族の声であること及び須田アナウンサーが有名な方であることから、彼の介護についての思いや考えを取り上げてみることにしました。と、Sからの前置きが長くなっていますが、

 

ここからは、「by マツ」となります。

認知症介護の問題を内包した記事

この記事では、お母さまを介護する元フジテレビの須田アナウンサーの苦悩や葛藤が描かれています。

 

私は最初にこの記事を読んだとき、正直「論点がわからない、何を課題だと主張しているのかがわかりづらい」と感じてしまいました。しかし何度か読むうちに、そのもやもやした感じこそが、今の認知症患者を介護しているご家族の方たちの感覚そのものなのではないか、という思いに至りました。

私ももやもやしていた

私の父も認知症で、私も介護とその後の病院通いを経験しています。また母も認知症ではないものの、一時的に脳に軽いダメージがあり、須田さんのお母様と同じような介護老人保健施設に入所していました(現在は小規模多機能と契約し、独居で生活中)。
父や母の見舞いに病院や施設を訪れるたびに私が感じていたのも、須田さんと同じような「このままでいいのか、本当にこれでいいのか」という思いでした。

病院や施設のスタッフの皆さんの対応や方針に不満があるわけでもありません。客観的に観察しても「大変だろうな」という業務の中でも、父や母、そして見舞いに訪れる私(全盲)にさえにこやかに、ていねいに接してくれます。父については後述しますが、母自身もスタッフの対応に特に不満をいうわけではありません。むしろ母は毎日リハビリや歌を歌ったりして、楽しかったということを口にします。
それでも正直私は、前日のようなもやもやした気分を拭い去ることができませんでした。

 

父と私

父と私には確執があり、私は実家を離れていたことをいいことに、なるべく実家に近づかないようにしていました。父の酒癖の悪さと母に対する身勝手で粗暴な対応に、私がほとほと嫌気がさしていたからです。近年は私が実家に同居していましたが、食事も別にしていました。

 

正直、私は父の面倒をみたいとは思っていません。幸せになってほしいとか、そういう思いもありません。冷たい息子だと言われれば、きっとその通りなのでしょう。
それでも、入院費を支払ったり必要なものを届けるため、月に1度病院を訪れて父の様子を見るたびに、「本当にこれでよかったのか、もっと別の選択があったのではないか」と感じてしまうのです。さりとて、具体的な回答を見つけ出すことはできません。強いてあげれば「自宅ではないところに暮らさせている」というそういう漠然としたものです。

 

まとめ

おそらく、ご家族を介護している方の多くが、このようなもやもやした感じを抱いているのではないでしょうか。そして。とらえようのない罪悪感のようなものを感じているのではないかと思うのです。
須田さんの記事を読み返していくうちに、「もやもやしているのは自分だけではないんだな」ということに気づき、ほんの少しですが、気が楽になったような気がしました。

 

 

 

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