シリーズ「介護のプロが語る認知症ケア」第4回 ~認知症ケア推進課の今後の展望と目標~

2018/04/09
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シリーズ第3回では、セントケア 認知症ケア推進課・中村さんの、認知症ケアに関するエピソードをご紹介しました。

今回は、認知症ケア推進課の今後の展望と目標についてお伝えしたいと思います。

 

【認知症ケア推進課として、今後の展望や目標を教えてください。】

 

1つ目は、スタッフの「見る力」「考える力」の向上です。
認知症の方の行動に関して、「何故このような行動をしているのだろう?」と常に考えることができるスタッフを育成していきたいと思っています。
認知症の方の行動・心理症状(BPSD)は、認知機能の低下により本当の気持ちや意味を上手く伝えられないことで表れるため、その方の行動から気持ちを感じ取ることが重要です。

 

その症状を「認知症だから」で終わらせるのではなく、真意を感じ取り、適切な対応をすることができるスタッフがもっと増えれば、お客様の幸せ、ご家族の喜び、スタッフの成長に繋がると思っています。
また、お客様の状態を観察し、収集した情報から課題を分析し、解決方法を見出すことが出来るスタッフをより増やしていくことも来期以降の課題です。

 

 

(認知症ケア推進課の中村さん。シリーズ4回にわたり、始終穏やかに、そして優しいまなざしで、自分たちのサービスの在り方、お客様への思いをお話下さいました。)

2つ目は、「家族支援」です。
ご家族の声で多いのは、『正しいケアのやり方が分からないからアドバイスが欲しい』『周囲の親戚や、ご近所の反応、対応で孤独感や孤立感を感じる』『家族の心のケアをして欲しい』といった内容です。

これらの声を受け、今後、認知症に関する情報をご家族だけでなく、地域へ向けても発信していくことで、認知症への理解を深めてもらい、地域全体でご家族を支えられるような流れをつくっていきたいと思います。
また、セントケアの現場力を高めることで、ご家族が安心して介護を任せることができ、その間だけでも、休憩したり、息抜きしたりしてもらうことで、在宅介護を継続できるようサポートしていきたいです。

 

 

【インタビューを終えて】

今回のインタビューでは、認知症ケアについてセントケアがどのような取り組みを行っているのか、また、認知症ケアのポイントや、認知症ケア推進課の中村さんの思いを伺うことができました。
目指す認知症ケアは「人中心のケア」。
「認知症だから」とひとくくりにするのではなく、目の前の「人」が何を感じているのか、どうすれば安心して生活できるのか、その人の生活の質の向上を目指していきたいという思いが強く感じられました。
安心して生活していただくために、「心」に寄り添う。そのためにその「心」を理解することの大切さ。
お客様・ご家族・地域の方々に寄り添うケアを実践していけるよう、日々努力しようとする、介護現場の素顔、が見えた気がします。

 

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