認知症とお金/介護とお金

2018/11/02
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こんにちは、Cafest編集者のSです。

 

10月は認知症と保険というテーマで特集記事を組みました。
良かったらご覧になってください。

認知症とお金

 

認知症に備えるためのお金の面での自助努力として保険の選択肢があると特集記事で紹介しました。認知症とお金をめぐっては10月25日付のNHK NEWS WEBでも「143兆円!認知症とお金」という題で取り上げられていまして、ホットなトピックであることが分かります。

 

記事ではさまざまな事例が取り上げられています。

 

預金はあるのに米びつにしまってある現金がすべての財産だと思い込み、手持ちのお金がなくなると介護サービスの利用をやめてしまった人、家賃の督促状が届いているのに理解ができず、滞納したまま家を追い出されてしまった人、さらには家族にキャッシュカードを渡したのを忘れて、盗まれたと勘違いした人。

 

老後のために蓄えておいた資産を認知症のため適切に使えないとは残念な話です。このようなリスクも知っておくことは大事なことだと思います。

介護とお金

特集記事を書くにあたり、公益財団法人生命保険文化センターが3年に1度実施している生命保険に関する全国実態調査(平成30年度)の結果を見てみました。特集記事の中からは外しましたが、紹介してみたいと思うデータがありました。介護にかかる費用の期待と現実がうかがい知れるデータです。ここでの期待は「このくらいお金がかかるのではないかという見込み」の意味です。

 

この調査では世帯主または配偶者が要介護状態となった場合に、公的介護保険の範囲外でどれだけの資金が必要と思うかを尋ねています。
備えの意識(期待)を問うていると思います。
公的介護保険の外で、初期費用として242万円、月々の費用は16.6万円必要だと考えています。

 

また、今回の調査対象者においては、17.3%が過去3年に家族や親族の介護経験がありました。介護経験がある方に費用の実際(現実)を尋ねています。
初期費用は調査項目になかったですが、一時費用は69万円、月々の費用は7.8万円となっています。

 

別の調査報告もあります。家計経済研究所が2016年に実施した「在宅介護のお金とくらしについての調査2016」では、在宅介護では月あたり平均5万円の費用がかかっているとの結果でした。平均5万円は要介護1の3万3千円から要介護5の7万5千円までの幅があるなかでの数字です。

注:この調査では実際に親もしくは義親1名を在宅で介護している40~69歳の男女243世帯からインターネット調査によって回答を得ています。介護にかかる費用は介護サービス利用時の1割~2割の自己負担分及び介護サービス以外でかかる費用(例えば、介護食、排せつ用品、医療や介護のための交通費、社会保険料など)の合計です。

 

これくらいかかるのではないかとの期待は漠然とした不安と言い換えられるかもしれません。期待や不安に比べれば、現実の額は少ないと読み取れる結果でありますが、月あたり5~7万は決して少ない額とは言えないのではないかと思います。また、有料老人ホームや高齢者住宅に入居するとなればこれらの住まいを探すのにかかる費用、入居や転居に伴う初期費用などがかかります。
備えの策について適宜、情報を更新して、発信していきたいと思います。

参考文献

田中慶子(2017)「在宅介護のお金とくらしについての調査2016」について, 季刊 家計経済研究第113号(2017.4)pp.5-19
(公益財団法人家計経済研究所のホームページ内より取得。トップ>『季刊 家計経済研究』>『季刊 家計経済研究』バックナンバー)

 

 

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