新型コロナウィルス感染症の対応について―高齢者施設の感染管理―

2020/02/20
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はじめに―新型コロナウィルス感染症の発生、拡大を受けて―

新型コロナウィルス感染症の発生、拡大を受けて、弊社でも今週月曜(2月16日)に発信があり、翌日火曜(17日)より時差出勤の励行期間になりました。
毎月ご案内している、「てんのうだいおれんじカフェ」も今月は中止になったと聞きました。

 

内閣官房の新型コロナウィルス感染対策のサイトによれば、2月19日現在、日本国内の感染者数は59、死亡者数1になっています。

 

この状況を受けて、感染症医の高山義浩先生(高山さんのフェイスブックページへのリンク)が「何をすべきか」についてフェイスブックで発信されています。
2月16日11時36分に発信されており、20日の11時時点で1.6万件のシェアがなされております。

 

そこでの文章、図表を自由に使っていいと書かれており、この投稿での高齢者施設の感染管理について記されている部分を中心に先生の議論をご紹介したいと思います。

新型コロナウィルス感染症とは

ウィルス性の風邪の一種です。
発熱やのどの痛み、咳が長引くこと(1週間前後)が多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える方が多いことが特徴です。
感染から発症までの潜伏期間は1日から12.5日(多くは5日から6日)といわれています。

注:この説明は厚生労働省の「新型コロナウィルス感染症について」というサイト内にあるチラシからの引用です。

 

注:画像はi-stockから

典型的な臨床経過―発症からの流れ―

(注:ここから以下が高山先生の議論です。)

 

 

この図は高山先生が作成されたものです。
新型コロナウィルスに感染・発症したときに、2つのパタンがあると先生は言われています。

 

1つのパタン(「軽症」のパタン)は風邪症状が1週間ぐらい続いて、そのまま軽快するというものです。
軽症のパタンが大半です。

 

もう1つのパタン(「重症化」のパタン)風邪症状が1週間ぐらい続いて、倦怠感と息苦しさが出てくるもの。10日(9.1-12.5日)経ったころに、入院を要するほど重症化します。
高齢者や基礎疾患のある人―糖尿病や高血圧、心臓病など慢性疾患があり、定期の内服薬を要する人―においてこの経過をとる人が多くなります。これらの人々を高山先生はハイリスク者と呼び、重点的・優先的に対応すべきと考えておられます。

高齢者施設(入所施設)の感染管理

高山先生によれば、100人の入所者がいる施設で、新型コロナウィルス感染症がアウトプレイク(集団発生)した場合、30人以上が発症し、数人がお亡くなりになるというイメージになるとのことです。

(注:高齢者施設は要介護高齢者が入所している介護施設を主に念頭に置いてよいと思います。)

感染管理が極めて重要になります。

外から持ち込ませない

 

・流行期は面会はすべて中止

・物品の搬入などは玄関先で行う

 

職員の健康管理

 

・職員も玄関先で手指衛生

・毎朝の検温と症状確認を管理者による指差し確認で行う

・軽微であっても症状を認めたら絶対に休ませる

 

出勤できる職員数が半減することも想定する

 

・現場の判断で場当たり的に仕事をさせない

・優先的に継続させるべき中核業務を決定し、業務のスリム化を図る

 

ハイリスク者が家庭にいる場合の対応

ウィルスを外から持ち込まない

 

・玄関先にアルコールを置いて帰宅時の手指衛生を徹底する
(アルコールが手に入らないなら、おしぼりでもよい。やらないよりいい)

・手指衛生をせずに、ドアノブなどあちこちを触らない

 

同居家族が風邪をひいた場合

 

・ハイリスク者と接触しないように、症状が治まるまでは家庭内で隔離

・風邪をひいている同居家族(以下、「当該同居家族」と略する)が部屋を出るときはマスクを着用させて、アルコールで手指衛生をする

・当該同居家族は部屋の外では余計なものは触らない

・当該同居家族がトイレに行った場合は、触った場所をアルコールを染みこませたペーパータオルで拭う

・当該同居家族はお風呂は最後に入り、バスタオルは絶対に共用しない

 

ハイリスク者の対応

 

・人混みを避け、なるべく自宅で過ごしてもらう

1か月おきの外来受診を3か月おきにしてもらうなど、病院に行く回数を減らす

 

さいごに

皆で一丸となり、感染拡大防止に努めるべき社会状況です。

 

上記―高齢者施設(入所施設)の感染管理―では取り上げなかったですが、デイサービスなどの通所サービスの感染管理についても高山先生は言及されています。
通所サービスでの感染管理の徹底は不可能ではないかと言われています。流行期には通所サービスを休止させて、その分、通所サービスの職員に利用者宅を巡回させたらどうかと提案されています。そして、このようなことが、事業所だけで解決できる問題ではなく、市町村も関わり、話し合いをしながらすすめるべきことと指摘されています。

 

当然のことかもしれませんが、事業所の枠を超えた連携・協力をすべきときという点を改めてここでも確認させていただきたく思います。

 

(文:星野 周也)

 

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