眼の検査が認知症のリスクを明らかにできるか?―ハーバードメディカルスクールのブログから―

2019/07/05
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ハーバードメディカルスクールのブログから、「眼の検査が認知症のリスクを明らかにできるか?」と題する発信がありましたので、共有します。

原文へのリンク

Can an eye exam reveal Alzheimer’s risk? | ハーバードメディカルスクール

ブログの要旨

 

1.眼の病気のうち、緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症は認知症のリスクと結びついている。

2.これらの3つの病気、アルツハイマー病、認知症には共有の要因がある。それは心血管疾患である。

3.一方、白内障と認知症のリスクとの間に明確な結びつきはない。

 

1.に関連してこのブログでは、1994年から始まる5,400人に対する長期の追跡調査のデータのうち、3,800人の対象者を眼の病気のある人とない人に分けて比較したときに、調査開始時点で緑内障(加齢黄斑変性、糖尿病網膜症)のあった人はそうでない人に比べ追跡期間中に認知症になる割合が高かったという結果が紹介されている。

認知症のリスクと結びついている3つの眼の病気

①緑内障

眼圧が高まり、失明につながる。高血圧、糖尿病、血行不良と関連が見られる。

 

②加齢黄斑変性

網膜の中心部にある黄斑が壊れていく。黄斑には物をくっきりと見る(解像度良く、物を見る)ことができる機能がある。加齢黄斑変性は心臓病と関連が見られる。

 

③糖尿病網膜症

糖尿病の人では高血糖の状態が網膜の血管にダメージを与える。糖尿病と心血管の問題には強い関連が見られる。

 

 

一方、白内障目の中でレンズの役割をしている水晶体が白く濁ってくる病気です。加齢に伴い発症しやすいですが、上記の3つの眼の病気と異なり、心血管疾患、アルツハイマー病、その他の認知症のリスクが高まるわけではないようです。

ブログでのまとめ

 

・現状は、眼の検査は眼の病気の早期発見に役立つと言えるに留まる。眼の検査が将来の認知症を予測し、認知症を予防することにつながるかと言えば現時点ではまだそうだとは言えない。

 

・アルツハイマー病やその他の認知症の予防に効くと唯一知られている方法は心血管疾患(注:繰り返しになるが、このブログで緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症と関連ありとされている)を予防することである。

 

・心臓や脳の発作を予防するために良いことが認知症予防につながる。つまり、高血糖や高コレステロールを治療する、健康的な食事をする、十分な睡眠をとる、定期的な運動をすることは認知症予防につながる。

 

 

編集スタッフSによるコメント―心臓に良いことは眼にも良いこと!?―

緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症が心血管疾患と関連しているが、白内障はそうではないというのは興味深い知見と思います。

 

もっとも、心血管疾患の予防法として挙げられているものはカフェストの読者の皆様におかれては当たり前のことで、いつもの結論と思われるかもしれません。しかし、繰り返して確認すべき重要事項なのではないかと思います。

 

本年5月にWHOが認知症予防に関する新しいガイドラインを出しました。そのニュースリリース(←リンクあり)では「心臓に良いことが脳にも良いことだ(what is good for our heart, is also good for our brain)」と述べられています。この趣旨のことは今回紹介したブログでも述べられていることです。
心血管疾患と眼の病気との関連が明らかになってきていることを踏まえるならば、さらに「心臓に良いことが眼にも良いことだ」と言えるのではないかと思います。

(文責:Cafést編集スタッフS)

 

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