グループホームに入居したご夫婦が教えてくれたこと
2018/09/11
こんにちは、認知症Cafést online編集スタッフのSがお届けします。
介護現場からのすてきなエピソードを見つけましたので、ご紹介します。
芳子さんが教えてくれたこと
このエピソードは、一般財団法人オレンジクロスが、看護・介護の声を広く募集し、看護・介護の素晴らしさを共有するために行っている看護・介護エピソードコンテストでの受賞作品の1つです。
本ツイートの記事のタイトルは「グループホームに入居したご夫婦」とぼやかしましたが、受賞作品の実際のタイトルが「芳子さんが教えてくれたこと」です。芳子さんは、入居したご夫婦のうち奥様の方のお名前です。
あらすじは以下のとおりです。
グループホームには空き部屋が2つあり、ご夫婦で入居はできたものの、空き部屋があったフロアは異なった
ため、ご夫婦は1階、2階と分かれて入居となりました。
入居から数日も経つと、芳子さんは、ご主人と別れる夕方から夜にかけて不安そうな様子が目立つようになり、
就寝前になると、ご主人がいないことの不安をしきりに訴えられました。ご主人が下の階にいると伝えても芳子
さんは納得されません。
ご夫婦の絆を尊重するという支援の目標を立てて、根気強く支援を続けてきたある日の夜のことです。
「主人はどうしているかしら?」と芳子さんは尋ねたと言います。
(以下、原文の引用です。)
ご夫婦の絆を尊重する。そうした支援の目標を思い出した私は「気になりますか?一緒に会いに行って
みましょうか?」と提案しました。それはもう気休めやごまかしではなく、また単なる症状に対する対処
でもなく、本心からの言葉でした。
すると芳子さんは「いいわ」と微笑みました。そして、「本当ですか」と確認する私に、こう言ったの
です。「だって、寝ている人を起こしたら、かわいそうでしょう。」
この発言に驚き、うれしく思い、もともとの芳子さんの姿に気づいたとまとめられています。感動的な箇所です。
認知症Caféstでも、8月は「認知症と向き合う介護現場から」と題して、5回にわたり介護現場の声を届けました。
(認知症の方に)気休めやごまかしではなく共感的に関わるというのはそのインタビューでも聞くことができた
原則と思います。
介護現場には魅力がつまっていて、働く人たちの支えになっています。
嘘偽りなく認知症の方々から教わっていると多くの介護職員が感じています。そして、この教えは、介護現場に
いない方々にも、元気やヒントを与えてくれるものと思います。
<関連HP>
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