シリーズ「ユマニチュード」第3回 ~ケアの基本柱『触れる』『立つ』~
2018/03/21
シリーズ「ユマニチュード」第2回では、基本の4本柱のうち、『見る』『話す』についてご紹介しました。 今回は、残りの2つ『触れる』『立つ』についてご紹介していきます。
③ 触れる
- 手のひらをつかって、包み込むように、優しく、ゆっくり触れていきます。
- 肌と肌の触れ合うスキンシップは、親密感や絆を深め、相手との間に安心感を抱くことができます。
- 逆に、突然腕をつかんだり、無言で触ったり、という動作は意図していなくても相手に恐怖感を呼び起こします。
④ 立つ
- “立つことは人として生きることにつながる”という理念のもと、「1日20分は立つこと」を提唱しています。
- 寝たきりの人の見る世界、座って見る世界、立ったときに見る世界は、同じ空間にいたとしても、見えるもの、聞こえるものがまったく異なります。
- 体にとっても筋肉の維持向上や、呼吸器等の内臓の働きを活発化するなど、立位をとることには、とても良い効果があると考えられています。
- もちろん、本人の身体機能の評価と正確なケアを行うことが求められますが、本人の持つ能力を最大限引き出すことが、「人として生きる」上で、とても大切なことです。
ユマニチュードの基本をシリーズ3回でお伝えしてきましたが、どのようなケア手法でも実践する上で大切なのは、その手法の考え方、方法を正しく知ること。
ユマニチュードの実践には専門の講座が開かれているそうですので、ご興味を持たれた方は、ぜひ調べてみてはいかがでしょうか。
<参照元>
- 本田美和子/イヴ・ジネスト/ロゼット・マレスコッティ(2014) 「ユマニチュード入門」, 医学書院
- NHK クローズアップ現代「見つめて 触れて 語りかけて~認知症ケア “ユマニチュード”~