認知症による行方不明者の増加

 

平成30年における行方不明者の状況について、警視庁より統計が発表されていました。

行方不明者の受理状況

年間8万7,962人となっており、前年より3,112人増加しています。
その内、認知症による行方不明者は16,927人で全体の19.2%を占めています。

80歳以上の行方不明者数

さらに詳細を見てみると80歳以上の行方不明者1万1,326名のうち認知症が原因での行方不明者は8,857名で、78.2%にのぼります。

認知症行方不明者の所在確認までの期間

また、認知症による行方不明者の発見されるまでの日数は、73.4%の方は当日に発見されていますが、2日~1週間で発見される割合も26.0%となっており、4人に1人となっています。

見守り機器

認知症をもつ高齢者が1人で外出してしまい、行方が分からなくなるケースが最近はあります。ケガをしたり、事故に巻き込まれたり、とさまざまなリスクが考えられ、介護者は不安な気持ちでいっぱいになります。

 

以前の、認知症カフェストの記事(「もしものときも安心!みまもるGPS機器」)でも見守り機器の紹介をしましたが、
こういった機器の利用も万が一のための備えとしては良いのかもしれませんね。
うまく活用することで安心につながります。(編集スタッフK)

<参考>

平成30年における行方不明者の状況について|警察庁のサイト(このページの中でも発表資料の2番目に挙げられた図表を参考にした。)

 

 

意識のない方とも対話はできる ~ユマニチュードの講演会に参加して~

 

こんにちは。編集スタッフのマツです。

ユマニチュードの発案者ジネスト先生の講演会に参加

去る6月13日に参議院会館にて、フランス発祥の新しいケアの手法であるユマニチュードの発案者、ジネスト先生の講演会に参加してきました。
内容はユマニチュードの紹介、具体的にはケアの様子の紹介や患者さんへの効果、ユマニチュードを取り入れた施設における経済的な効果など、多岐にわたりましたが、今回はこの講演を聞きながら思い出した、私の実体験についてご紹介します。

 

ユマニチュードとは

特徴的なポイントとして

 

  • 原則的に身体拘束はしない
  • 見る、話す、触れる、立つに重点を置く
  • ケアする側もされる側も、同じ人間として対等な関係性の中で接する

 

と言った点が挙げられます。
詳細はカフェスト内の以下の記事をご覧ください。

 

 

ユマニチュードのような実体験

講演会で、ユマニチュードを受けて劇的に変化するケアの様子を伝える動画を見ながら、私がぼんやり考えていたのは独居高齢者である母のことでした。

 

私の過去記事でもたびたび登場している母ですが、昨年2月に意識不明で救急搬送され、約3週間ほどICUに入り、気管切開などの処置を受けていました。全盲の私は毎日母に面会に行き、意識のない母の手を握って話しかけることを繰り返していました。
その後は一般病棟に戻ったものの、意識は戻らないままの状態が1週間ほど続いていました。
担当の医師からは、いつ病状が悪化してもおかしくないこと、病状が改善する可能性はかなり低いことなどを告げられ、やんわりとですが延命治療を断念するよう求められていました。
病棟の看護師さんたちの対応も、意識のある患者さんに比べると、母へのそれは少し(しかし、はっきりと)粗雑で無機質で、作業じみていました。

 

意識のない人への問いかけ

そんなある日に医師から、母に胃ろうの処置をしたいとの話がありました。
私は母が以前から胃ろうを拒んでいたことを思い出し、母の手を握って胃ろうの是非を母に問いかけてみました。すると予想に反して、なんと母が反応するように手を握り返してきました。

 

私は母に、胃ろうをしてもよければ首を縦に、胃ろうが嫌なら横に動かすように質問してみました。すると、はっきりと、母は首を横に振ったのです。

 

意識のない人の意識を汲み取る

私はこのことを医師に伝え、胃ろうの処置を拒むと同時に、母には意識も判断能力もあること、万が一状態が悪化しても延命治療を続けることを伝えました。

 

医師とはちょっとした言い合いになりました。曰く「お母さまの状態で意識があるとは思えないし、会話もできない状態ですから、判断能力があるとは思えません」。
それに対して私は医師に、「確かに母は声に出して会話はできませんが、意思を伝えようとしています。私は私のやり方で母と意思疎通が取れている以上、一人の人間としての母の判断能力を支持します」と伝えました。

 

結局、根負けした医師が母の気管切開した箇所に“スピーチカニューレ”という装具を取り付けてみたところ、その場で母がしゃべりだし、胃ろうも取りやめになりました。

 

ユマニチュードではないけれど

このように私の母は奇跡的に回復しましたが、その原因は手を取るなどして母に触れたこと、話しかけたこと、そして母の意思を聞き取ろうという姿勢にあったのではないかと思うのです。
今回のジネスト先生の講演を聞きながら当時のことを思い出し、私がやっていたことはユマニチュードにはとても及ばないものの、それに近いことができていたのかもしれないなと感じたのでした。

 

そして今回の公演を聞いて、意識や判断能力の有無にかかわらず自分と同じ対等な一人の人間として接すること、そしてその人の意識に届くようにさまざまな手段~話しかけたり、触れたり、目を合わせたり~で伝えることが重要だということを、改めて思いました。

 

 

☆☆イベント情報☆☆ てんのうだいおれんじカフェ(6/26、我孫子)

 

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのマツです。
地域での認知症関連のイベント情報をご案内します。

 

千葉県我孫子で開催される『てんのうだいおれんじカフェ』のご案内です。「みんなで地域を支え合える住みよいまち作り」がこのオレンジカフェのコンセプトです。毎月第4水曜日に開催しています。

 

 

 

てんのうだい おれんじカフェ

 

開催日
令和元年6月26日(水) 17時~20時
講話:17時15分~18時30分
食事:18時30分~
場所
セントケア我孫子デイサービス(千葉県我孫子市天王台4-5-1 シャトー天王台1F)
内容
オーラルフレイルの予防について ~些細な衰えを放置しないために日常生活で出来ること~

オーラルフレイルの要因でもある“噛む力の低下”を、咀嚼判定ガムでチェックすることができます。当日、購入できます。

講師
セントケア・ホールディング株式会社 歯科衛生士 佐藤万里子氏
料金
実費(軽食・飲み物代500円)
持ち物
上履き

 

どなたでもお気軽にお立ち寄りください!
お好きな時間に、お一人でも、グループでもお気軽にご参加ください。
(18時半~食事会)

問い合わせ先

田中/090-3427-7466
セントケア我孫子デイサービス/04-7181-7580

 

 

 

 

認知症対策大綱の成立に寄せて

 

政府が検討してきた認知症対策大綱(認知症施策推進大綱)が本日成立しました。

認知症対策の大綱

この大綱をめぐっては、先月発表された大綱案の中で“70代での発症を10年間で1歳遅らせ、2018~24年までの6年間で70代人口に占める認知症の人の割合を6%減らす”という目標が掲げられました。
しかし、当事者団体を中心に“認知症の人たちは努力が足りなかったという偏見を助長するのではないか”という危惧の声が寄せられ、数値目標を取り下げ、参考数値にとどめることになったという経緯があります。

安易な数値目標の設定は差別の助長につながるか?

私は先月、大綱に数値目標を設けるというニュースを耳にして、ずいぶん踏み込んだ画期的な大綱になるのだと、のんきに驚いたものです。
しかし、認知症予防の面では世界中で様々な研究がなされているものの、現在に至るまでその方法が科学的に確立されてはいません。私は今回の目標取り下げのニュースを聞いて、“確かにこのような状況下で安易に数値目標を設定することは、当事者に対する差別の助長につながってしまうのかもしれない”と、考え方が変わりました。出生前診断のことを思い出したからです。

出生前診断

出生前診断の詳しい説明は割愛しますが、“異常が見つかった胎児の母親の9割が人口中絶を選択する”という話を聞くと、障害児として生まれてきた私としては“自分はやはり社会から拒絶されている”と感じてしまうのです。(もちろん、出生前診断が不妊治療に大きく貢献していること、それによって救われる多くの人たちがいることも承知していますし、軽々に結論を出していい話題ではないと心得ています)

すべての人が対等で尊重される日本であってほしい

私は障害者の一人として、認知症患者・障害者・外国から日本に来られた方など、すべての人が対等で尊重される日本であってほしい、いろいろな個性を持った人がその能力を発揮できる日本であってほしいと願ってきました。
認知症に関しても、予防の視点だけが注目され、当事者の方々がご自身にたいして否定的な感情を持ってしまうことは、なんとしても避けたいところです。
その点において、今回の認知症対策大綱が予防の面だけでなく、共生の面にも触れていることは、大きな救いだと言えます。(マツ)

 

 

 

 

地中海食のおかげでスペインが世界最長寿国になる!?

 

昨年(2018年)10月、世界的な医学雑誌「ランセット(The Lancet)」にて、2040年の世界各国の平均余命・平均寿命を推計した論文が発表されました。

2040年にスペインが世界最長寿国になる

そこではスペインが2040年に平均寿命が85.8歳で最長寿国になると記され、ニュースになりました(←スペイン、日本を抜いて世界一の長寿国へ 米研究機関予測 I CNN.co.jp)。

最長寿になるのは地中海食が要因か?

この発表を受けて、スペインが最長寿国になる理由の一つに地中海食が挙げられるのではないかという議論が一部でなされました。

 

そこで、地中海食はどういう食事か、及び、それとの関連でこの論文では何が語られているかについてお伝えします。

 

スペインが最長寿国になる理由の一つに地中海食を挙げている記事の例

 

論文へのアクセス

Forecasting life expectancy, years of life lost, and all-cause and cause-specific mortality for 250 causes of death: reference and alternative scenarios for 2016-40 for 195 countries and terrirories

注:スタッフSはPDFというアイコンから論文を入手できました。

 

地中海食の定義

ここに紹介するのは1993年に開催された「地中海食に関する国際会議」で決められた定義です。(注1)

 

□植物性食品(果物、野菜、パン、その他の穀物製品、豆類、種実類)が豊富

□加工度を最小限にとどめた、季節折々のその地域で育てられた新鮮な食品を使う

□典型的なデザートとして新鮮な果物を食べる
ただし、お祭りの日にはナッツ類、オリーブオイル、精製した砂糖または蜂蜜でできた菓子類を食べる

□油脂類の主たる摂取源としてオリーブオイルを用いる

□少々か適量の乳製品(おもにチーズとヨーグルト)を食べる

□卵の使用は週に4個未満

□赤身肉の使用はまれであり、少量

□少々か適量のワインを普通は食事とともに飲む

 

 

地中海食に関する健康のエビデンス

エビデンスとして知られているものを幾つか列挙します。(注1, 2)

 

□脳卒中・心筋梗塞の発症率・死亡率を減らす

□糖尿病の発症率を減らす

□がんの発症率・死亡率を減らす

 

 

地中海食はマインド食(認知症予防効果ありとみられる)の構成要素

そして、過去にカフェストの記事「認知症予防に効く!?マインド食」で取り上げましたとおり、地中海食とDASH(アメリカ発高血圧改善のための食事法)を組み合わたマインド食(MIND食)がアルツハイマー病の発症率を低下させるという研究結果が出ています。

ランセットに発表された論文が伝えていること

いよいよスペインが世界最長寿国になることを示した論文をご紹介します。
しかし、スタッフSにはこの論文は一部難解で、隅々まで理解できたと言えませんので、今回のテーマに関連づけて読み取ったことをお伝えします。

この論文が行っていること―方法―

195の国と地域に対して、250の死因や79の健康(を牽引する)要因をモデルに組み入れるなどして、2040年の平均余命を推計しています。そして、健康の未来予測のシナリオは、ベターシナリオ、基準シナリオ、ワースシナリオの3つを提示しています。ベターは基準と比べてより健康、ワースは基準と比べてより不健康ということです。

注:将来の死因を世界規模で推計していくGBDGlobal Burden of disease)という研究の蓄積があり、今回のランセット論文もGBD研究を参考にしていると記されています。GBD研究は1991年に開始され、今日まで継続されています。(注3,4)

論文要旨に示された主要知見

 

1. 2016年から2040年にかけて世界全体で男女とも4.4歳寿命が伸び、男性74.3歳、女性79.7歳になる。ベターシナリオでは男性77.8歳、女性82.5歳になり、ワースシナリオでは男性69.5歳、女性75.2歳になる。ワースシナリオでは寿命が2016年と同程度になる。

2. 日本、シンガポール、スペイン、スイスは2040年に男女とも寿命が85歳を超える。

(スペイン85.8歳、日本85.7歳、シンガポール85.4歳、スイス85.2歳 ← 年齢はこちらの記事から引用)

3. サハラ砂漠より南のアフリカのうち、中央アフリカ共和国、レソト、ソマリア、ジンバブエは65歳を下回ったままである。健康格差がまだ残っていることを示す。

4. 寿命が低いことを乗り越えた大半の国において基準シナリオとベターシナリオの差を生む要因は、高血圧、空腹時の高い血糖値、喫煙、肥満、微粒汚染物質(大気汚染)であり、これらの要因に対しては保健施策等で対策をすべきである。

 

 

より詳細な知見1 平均寿命に達する前に亡くなってしまう原因(病気や事故など)の順位の変化

病気、障害、事故などで平均寿命に達するまでにどのくらい亡くなってしまう(死亡年齢と平均寿命までの差の年数を生存の損失年数と考える)かを定量的に指標化(年齢ごとの死亡数と損失年数の積で計算できる)したものをYLLsThe Years of Life Lost、日本語で損失生存年数)と呼びます。この論文では2016年と2040年のYLLsの順位が示されています。これは平均寿命に達する前に亡くなり(早死にして)、どれだけの人のどれだけの生存年数が失われることになったかの定量化により原因のインパクトの大きさをランキング化したものと言えます。

注:表の色の意味は後述

2016年
1位 虚血性心疾患(心筋梗塞など)
2位 脳卒中
3位 下気道(気管支、肺)感染
4位 下痢性疾患
5位 交通事故
6位 マラリア
7位 早産
8位 HIV(エイズ)

 

 

2040年
1位 虚血性心疾患(心筋梗塞など)
2位 脳卒中
3位 下気道(気管支、肺)感染
4位 COPD(慢性閉塞性肺疾患)
5位 慢性腎臓病
6位 アルツハイマー病
7位 糖尿病
8位 交通事故

 

色は疾患群の分類を示します。
青色は非感染性の疾患(NCDs)、赤色は感染性疾患、出産前後から5歳くらいまでの母子の疾患、栄養性疾患、緑色は傷害の分類になります。

 

2016年から2040年にかけて、平均寿命までの生存を損失させる要因が赤色から青色(NCDs)へシフトしていくと推計されていることが分かります。

より詳細な知見2 健康の未来予測の3つのシナリオの差を生む要因のうち、食事に関するもの

論文では3つのシナリオの差を生む要因についても記されています。
ここからはベターシナリオに近づく(より健康になる)ためにすべきことの示唆が得られます。

 

なお、YLLs(どれだけの人のどれだけの生存年数が失われることになるか)の絶対量も大きく、ベターシナリオとワースシナリオの差を広げてしまうリスク要因としても最も大きいのは高血圧、空腹時の高い血糖値、喫煙、肥満の4つで、微粒汚染物質(大気汚染)、アルコール摂取の2つがそれに続いています。

 

そして、3つのシナリオの差を生むリスク要因(ワースシナリオに寄ってしまう要因)のうち、食事に関するものは以下の通りです。

 

【食事に関するリスク要因】

 

・全粒穀物の摂取が低い

・果物の摂取が低い

・ナッツなど種実類の摂取が低い

・塩分が多い

・オメガ3脂肪酸の摂取が低い

・野菜の摂取が低い

・食物繊維の摂取が低い

・マメ類の摂取が低い

 

コメント1 ―認知症はがんや糖尿病と並び長寿を達成した段階での健康課題である―

まず、認知症Caféstとしては、2040年の早死の原因の6位にアルツハイマー病が挙げられていることを指摘しておきます。

 

アルツハイマー病やその他の認知症はベターシナリオ、基準シナリオ、ワースシナリオのいずれにおいてもYLLs(平均寿命までの損失生存年数)が増すと推計されています。それは幾つかのガンや糖尿病においても成り立っています。
出産女性や5歳未満児の死亡率が改善し、人口の高齢化が進んだことの結果と考えられます。アルツハイマー病やその他の認知症が長寿を達成した段階での健康課題であることが確認できます。

コメント2 ―地中海食のおかげでスペインが世界最長寿国になる!?―

先に挙げた地中海食の定義のなかで明確に人々の健康をベターシナリオに近づけると言えるものは野菜の摂取が多いことと果物の摂取が多いことです。野菜と果物の摂取を通して食物繊維が多いとも言えるかもしれません。よって地中海食がスペインを長寿国の方向に近づけているとは言えそうですが、地中海食が最適なのかについては議論の余地があると思います。

 

そして、さきほどの食事リスト(ワースシナリオに寄ってしまう食事に関するリスク要因で、翻って言えばここを改善できればベターシナリオに近づくことができる要因とも言い換えられる)を見て、人々の健康をベターシナリオに近づけるのにより最適なのがマインド食だということが分かります。

 

【マインド食の特徴―食事リストとの関連で―】

 

・全粒穀物の摂取が多い

・ベリー類の摂取が多い(≒果物の摂取が多い)

・ナッツ類の摂取が多い

・魚の摂取が多い(これを通してオメガ3脂肪酸の摂取が多いと間接的に言える可能性あり)

・緑黄色野菜やその他の野菜の摂取が多い

・(全粒穀物、ナッツ類、野菜の摂取が多いことから)食物繊維の摂取が多い

・マメ類の摂取が多い

 

 

マインド食はさきほど挙げた食事に関するリスク要因をほぼ解消することが分かります。ただし、さきほどの食事リストに掲げられながら、マインド食の定義からで語ることができないと思われるのが塩分の量になります。
そして、以前の記事「和食 VS マインド食① 概論―認知症予防に効く!?―」で指摘したとおり、日本人の食事は塩分が多いことを特徴としています。(注1,2,5)ですから、日本人がマインド食を実践するにあたっては塩分の量にも留意が必要になります。

 

コメント3 ―まとめ―

人間社会は、乳幼児で亡くなることを免れるようになり、長寿社会を達成してきましたし、今後も(国際的な)母子保健の領域での改善で、長寿社会が推進されていくと推計されています。しかし、早死を免れるようになった大半の社会でもまだ改善の余地が残されています。

 

認知症予防に効くとして位置づけてきたマインド食(地中海食+DASH)が、さらなる長寿を実現するための鍵となる食事の実践であることが、ランセット論文の視点からも描かれていると思います。

 

(文:星野 周也)

<注>

注1:佐々木敏(2015)『佐々木敏の栄養データはこう読む』pp.229-236, 女子栄養大学出版部

注2:津川友介(2018)『世界一シンプルで科学的の証明された究極の食事』pp.62-69, 東洋経済新報社

注3:世界の疾病負担研究(GBD 2010)~世界の疾病構造の劇的な変化がはじめて明らかに~ I 東京大学大学院医学系研究科・医学部のサイト

注4:平成30年度厚生労働科学特別研究事業(我が国の疾病負担に基づく医薬品、医療機器及び医療技術の開発等の資源配分の確立のための研究)の成果について | 第110回 厚生科学審議会科学技術部会 資料

注5:国立研究開発法人国立循環器病開発センター(2017)『認知症リスク減!続々国循のかるしおレシピ』pp.12-17, 株式会社セブン&アイ出版社

 

【介護ボランティア×夏フェス!】ボラ体験をして、ついでにフェスに行こう!(宿泊無料)

 

面白そうな企画がありましたので、当サイトでもご紹介します。
(cafést編集スタッフSの高校の先輩がSNSで紹介されており、連絡を取って、転載許可を得ました。先輩はこのイベントを企画している法人の理事長をされています。)

介護ボランティアをして、夏フェスにおトクに参加しよう!

国内最大級のロックフェス(ROCK IN JAPAN FESTIVAL2019)の開催に合わせて、会場近くの老人ホーム“オークス東海”では、フェスの来場者に対して、老人ホームでの介護ボランティア体験をしてSNSで発信してくれる人に、職員用の休憩スペースを無料で提供するという試みを行います。
案内では、「勝手にフェスとのコラボ企画!」と銘打たれています。

 

募集要項から

【日程】

8月2日(金)~8月3日(土)または8月4日(日)
※フェス参加日程に応じて、1泊・2泊どちらでも可能
  • 8/2(金)ボランティア体験日
  • 8/3(土)「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」へ
  • 8/4(日)「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」へ

【募集人員】

2名~4名
※個室の休憩室2部屋あり
(同室でよければ1部屋2名まで可。ただし同室者は同性に限ります。)

【応募条件】

① 介護の現場を体験したい!と思っている方で、8/2(金)にボランティア(介護体験)ができる人
② 18歳~30歳までの年齢の方
③ SNSでボランティア体験の様子を発信してくださる方

【詳細】

こちらのページにてご確認ください

【お問い合わせ】

oaks.t.ns@gmail.com

認知症 Cafést online 編集部より

“ロックフェス×介護”……。普段ではあまり接点が少ないジャンル同士のコラボレーションということで、編集部としても非常に面白い企画だと感じています。
こういう取り組みを通して、認知症や老人介護がもっと身近に感じてもらえたらいいですよね。

 

 

新型認知症~認知症の入り口になるうつ病性仮性認知症~

 

認知症はその原因や症状によって、多くの種類に分けられます。最も代表的なものはアルツハイマー型認知症で、認知症患者の6~7割に達しますが、細かいものを含めると非常に多くの種類があります。
今回はその中から、ここ数年新型認知症としてTVで取り上げられているうつ病性仮性認知症をご紹介します。

認知症?それともうつ?

調べてみると、うつ病性仮性認知症はうつなのか認知症なのか、はっきりとはわかりませんでした。認知症の種類の一つとしている見解もあれば、認知症ではなくうつの一種とする見解もあります。しかしいろいろなサイトを見てみると、認知症によく似た症状を持つうつという見解が多いようです。

ネット上では10年ほど前から“新型認知症”として取り沙汰されるようになりました。物忘れや入浴の拒否と言った症状から、認知症を心配したご家族に勧められて病院を受診して明らかになるケースが多いです。
しかし日付や時間の感覚があったり、計算ができたりということで、「認知症ではない」として見過ごされてしまうことも多くあります。

認知症とよく似た症状

主には以下のような症状があります。

物忘れ、注意力の低下
身の回りのこと、家事、買い物などはできるが、前に言ったことや聞いたことを忘れたり、約束を忘れたりしてしまいます。
思考の停止
何かを聞かれても覚えられなかったり、返事までに時間がかかります。また「わからない」ということが多くなるのも特徴です。
抑うつ症状
気分がふさぎ込んだり、会話の量が減ったり、1日中何もしなくなったりします。
身体症状
食欲不振や体重の減少の他、自律神経の働きが悪くなり、不眠や便秘なども起こります。

認知症との違い

例えば、症状からうつ病性仮性認知症かアルツハイマー型認知症かを見極めるのは、素人にはなかなか難しいです。
それでも、前者はうつ、後者は認知症ということもあり、以下のような違いがあります。

うつ病性
仮性型認知症
アルツハイマー型
認知症
発症時期 特定できる いつからともなく始まっている
物忘れの自覚 ある ない
身体症状 ある ない
日内変動 朝方に悪いことが多い ない
投薬による回復 ある

ない

 

うつ病性仮性認知症には薬が効く

上の表にもあるように、うつ病性仮性認知症は抗うつ薬などの薬を投与することで治療が可能です
一方、アルツハイマー型をはじめとする認知症では、薬で症状を緩和したり進行を遅らせることはできても、根本的な回復は(現在の医学では)できません。
本当の認知症にならないためにも、早期発見と治療が重要です。

うつ病性仮性認知症→MCI(軽度認知症)→認知症

高齢者のうつと認知症には深い関係があり、うつ病の経験者は認知症のリスクが高いという研究もあります。
仮性認知症もうつの一つです。放置しておくとMCI(軽度認知症)を経て、本当の認知症へと意向してしまいやすいことがわかってきました。
早期発見と治療のためにも、「物忘れが多い」と感じたら、あたまの健康チェックを受診をおすすめします。自分と同じ年齢・性別の人たちとの比較だけでなく、定期的な受診を行うことで、認知機能の変化に気づくことができます。(文:マツ)

 

 

 

逆キツネポーズ

 

こんにちは、認知症Cast Online編集スタッフのUです。

高齢者の運転、大丈夫?

高齢者の運転による事故が報道されるたびに、防ぐことはできなかったのかと心が痛むのは私だけではないでしょう。
ウチの親は、大丈夫だろうかと不安になる方も少なくないでしょう。
実際、2018年の75歳以上のドライバーによる死亡事故は460件と、その前年に比べて42件増と急増しているそうです。

そこで「高齢者運転、7つの掟……「逆キツネポーズ」ができない人は要注意」の記事を参考までに。

 

キツネのポーズを両手で作って、片方の手を反転させて胸の前で人差し指と小指をくっつける。親御さんに一度、『このポーズをそのままやって』と言って同じポーズが出来るか試してみて下さい。もしキツネを反転させられなかったりしてうまく出来ないようであれば、空間認知の機能が低下してる可能性があるそうです。

 

よりしっかりチェックしたい人は? あたまの健康チェックがおすすめ!

10分程度の電話の会話で、MCI(軽度認知障害)のチェックや認知機能のちょっとした変化に気付くことのできる、あたまの健康チェック®がおすすめです。
実際に運輸業においてドライバーの認知機能の確認のため採用されている実績もあります。

 

 

詳しい内容・お問い合わせは
「あたまの健康チェック®」サイトへ

あたまの健康チェック®

 

 

☆☆イベント情報☆☆ やさか町オレンジカフェ(6/21)

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのマツです。

 

地域での認知症関連のイベント情報

今回は『やさか町オレンジカフェ』のご案内です。
このカフェは認知症の人や介護をするご家族の居場所となるとともに、医療・介護の専門職と、お茶を飲みながらお悩み事などのご相談に応じます。

 

 

 

やさか町オレンジカフェ

 

開催日
6月21日(金) 13時30分~15時30分
場所
セントケア八坂東 小規模多機能
静岡県静岡市清水区八坂東二丁目7-1
内容
『口の健康』と懇談
料金
無料(飲み物付き)
どなたでもお気軽にお立ち寄りください!

問い合わせ先

セントケア八坂東(TEL: 054-371-5960)