選挙と日本の多様性―さまざまな投票と障害者の当選―

 

こんにちは。認知症Cafést編集スタッフのマツです。

参議院選挙とさまざまな投票

去る日曜日は参議院議員選挙の投票日でしたね。当サイトをご覧の皆さんも、きっとそれぞれの思いを胸に1票を投じたことと思います。

私は当日予定があったため、前日の夕方に事前投票をしてきました。
ちなみに私のような視覚障害者でも、点字による投票や、立会人の同席のもとでの代筆による投票が認められています。
車いす利用者への配慮(投票所までの段差の解消、使いやすい高さの記入台の用意など)もありますし、一部ですが郵便投票が認められている人たちもいます。

障害者差別解消法/認知症の方の選挙権

このように、必要な場合には様々な配慮を受けられることになっていますが、障害者差別解消法では配慮が必要な場合には申し出が必要となっています。また同法では、その適応範囲を障害者に限定していないので、障害者ではなくても不便さを感じている人は、申し出てみることをお勧めします。

なお、認知症を発症していても選挙権はありますが、付き添いや投票の介助が選管職員に限られているため、投票に困難をきたしてしまう方がいるといった問題も浮き彫りになっています。

障害者の当選に対して思うこと

さて、今回の選挙ではれいわ新選組から2名の障害者が当選しました。
賛否が分かれ、いろいろな意見があることは承知しつつ、“生きづらさを感じている当事者が政治に参加しなければ、国の政策に当事者の意思が反映されない”、“最も生きづらい人が生きやすい社会になれば、みんなが生きやすい社会になる”といった主張を掲げ、実際に出馬・当選されたお二人に、私個人としては非常に大きな敬意を感じます。

 

このような2名が議員になられるということは、それだけ今の日本社会に多様性を期待している人がいるということなのでしょう。
このことはもちろん障害福祉だけにとどまらず、認知症とともに生きられる方々にも当てはまるはずです。

最後に―認知症当事者の参加/全ての人が生きやすい社会―

現在、認知症当事者自身が社会に参加し、自分で自分らしい生活を求めて活動される方が増えてきています。また“注文をまちがえる料理店”のように、認知症当事者と過ごす社会を体験できる取り組みが始まってきています。
障害者でも認知症当事者でも、そしてそれ以外の人たちも、全ての人が生きやすい社会がきっと訪れる。今回の選挙では、そんな兆しを感じることができました。

 

グリア細胞とは何か?―認知症薬と認知症対応の最新動向―

 

今月初め、日本経済新聞で、富士フィルムがグリア細胞に狙いを定めたアルツハイマー病薬の治験を今夏にも欧州で始めると報道がありました。

原文へのリンク

認知症薬「脳を掃除」に注目 グリア細胞、老廃物を除去 新発想で開発停滞打破へ|日本経済新聞2019/7/1付(有料会員限定記事)

グリア細胞とは何か?

脳は神経細胞(ニューロン)及びそれとは区別されたグリア細胞から構成されていて、人間の脳ではグリア細胞が神経細胞の10倍以上存在するとみられています。

 

グリア細胞のうち「ミクログリア」には、脳にたまる老廃物であるアミロイドβの除去機能があります。
富士フィルムはそこに期待をかけたことになります。

 

この日経新聞の記事ではさらに、グリア細胞のうち「アストロサイト」がアミロイドβを分解する酵素を分泌していることを突き止めたと紹介されています。

 

ミクログリアにせよ、アストロサイトにせよ、共通しているのは、アミロイドβの産生・蓄積の側ではなく、分解・除去の側に機能しているということです。

アミロイド仮説とは何か?

アミロイド仮説ではアルツハイマー病の病理は以下のように説明されています。

 

アミロイドβというタンパク質が脳の神経細胞の外で異常に蓄積する。これが引き金となり、もう一つの病変としてタウというタンパク質の異常な蓄積(神経原線維変化と言われる)が起こる。アミロイドβの蓄積や神経原線維変化が、神経細胞の機能障害を誘発し、細胞死に至らしめる。その結果、認知機能の低下やアルツハイマー病の発症が見られる。

 

このアミロイド仮説に基づき、蓄積されたアミロイドβを破壊することが、アルツハイマー病の効果的な治療法であり、予防法であると考えられてきました。

アミロイド仮説に基づく新薬の開発動向

現在進行している認知症新薬の開発は、アミロイド仮説に基づいています。
そして、薬の機能により2つに分類されます。
すなわち、アミロイドβに結合し、取り除き減少させることに資する「抗アミロイドβ抗体」と、アミロイドβが生成されるプロセス(注:アミロイドβはその前段階のタンパク質であるAPPが部分切断されることで生成される)を阻害する「BACE阻害剤」に二分されます。しかし、今のところ成功を収めたものはありません。

 

エーザイはこれまでつの認知症治療薬候補の治験を進めてきましたが、今年の月に1つの治験を中止すると発表しました(「エーザイ、別の認知症薬に望みつなぐ 最終治験を開始 | 日本経済新聞2019/3/22付←リンクあり」)。

 

中止されたのは「アデュカヌマブ」で、抗アミロイドβ抗体に分類されます。残されたのは、抗アミロイドβ抗体の「BAN2401」、BACE阻害剤の「エレンベセスタット」の2つになっています。

既存の認知症薬はどのようなものか?

アミロイド仮説に基づく新薬の開発はまだ治験中の段階と言うことですが、現在日本で販売されている認知症治療薬はどのようなものでしょうか?

 

1つは神経伝達物質であるアセチルコリンが分解されないようにするたことを目指し、その分解酵素であるコリンエステラーゼの働きを阻害するものです。
アルツハイマー病ではアセチルコリンが減少します。それゆえ、薬が機能すれば神経細胞(ニューロン)と神経細胞(ニューロン)をつなぐシナプスのアセチルコリン残量が増えます。
製品名で言うと、アリセプト、レミニール、イクセロン、リバスタッチが該当します。

 

もう1つはグルタミン酸という神経伝達物質の受容体であるNMDA受容体の過剰な活性化を抑えるものです。
アルツハイマー病ではグルタミン酸の過剰な放出とともに、グルタミン酸と結合したNMDA受容体(NMDA型グルタミン酸受容体)の過剰な活性化がみられることにより、神経細胞の障害や記憶・学習機能の障害があらわれると言われています。
製品名で言うとメマリーです。

 

注:一つひとつの神経細胞(ニューロン)には、「軸索」と呼ばれる長いケーブルがあり、この軸索の中をイオンの交換に基づく電気信号が伝わります。信号が軸索の末端まで伝わると、軸索の末端にあるシナプスを通じて、次の神経細胞に信号を伝えます。シナプスと次の神経細胞との間には「シナプス間隙(かんげき)」と呼ばれる小さな隙間があり、直接つながっていません。そのために電気信号を直接伝えることはできず、シナプスから神経伝達物質を放出することで、次の神経細胞を刺激させて信号を伝えています。

出典:画像は医療法人社団ハートクリニックのサイト(←リンクあり)より入手。
(画像を見ながら確認されたい点→軸索の中は電気信号が伝わる。神経細胞の末端(シナプス)から次の神経細胞へは神経伝達物質が情報を伝える。)

フランスでは認知症薬は保険適用外に

昨年、フランスで上記の認知症薬が医療保険の適用外となりました。副作用の割に効果が高くなく、薬の有用性が不十分だと判断されたとのことです。

 

このことを伝える朝日新聞の記事タイトルは『抗認知症薬の効果「不十分」仏、4種類を保険適用外に』(←リンクあり。有料会員限定)です。
4種類は成分名での分類です。成分名と日本での製品名との対応関係は以下の通りです。

 

成分名 日本での商品名
ドネペジル アリセプト
ガランタミン レミニール
リバスチグミン

イクセロン
リバスタッチ

メマンチン メマリー

 

コメント1―グリア細胞とアミロイド仮説―

富士フィルムがグリア細胞に注目したアルツハイマー病薬の治験を始めるとのことですが、グリア細胞のアミロイドβを除去する機能に着眼したということですから、この挑戦も引き続きアミロイド仮説に則っていると言えると思います。
アミロイドβを除去するのにグリア細胞に光を当てたという点が新しいのではないかと思います。

 

最初に引用した日経新聞の記事では、アミロイド仮説が揺らいでいると書かれています。それは、いまだ成功を収めておらず、エーザイで1つの治験が中止されたことなどを受けてのものと思います。また、最近のニュー・イングランド・ジャーナル誌という医学雑誌でも(アミロイド仮説に基づく)BACE阻害剤に分類されるベルベセスタットがMCI(アルツハイマー病の前段階と考えられる)で、かつ、脳内のアミロイドβの増加が認められる参加者に対して投与されたが、脳内のアミロイドβの量を減少させたにもかかわらず、認知機能の低下を抑制できなかったことが報告されています。

Another Amyloid-beta Blocker Fails to Halt Dementia. JAMA 2019;321(24):2396 | JAMAという医学雑誌のサイトより

 

グリア細胞はアミロイドβを分解・除去するということですから、新薬の開発で言うところの「抵アミロイドβ抗体」(アミロイドβに結合し、取り除き減少させることに資する)の発想に近しく聞こえます。既存のアミロイドβ除去とグリア細胞によるアミロイドβ除去がどれほど異なり、それが画期的なものかは素人の私には分かりかねますが、科学の進展には期待したいですし、その動向は注意深く追いかけていきたく思います。

コメント2―リコード法とアミロイド仮説―

新薬は「アミロイドβ抗体」BACE阻害剤」に分類されると記しました。
このうちBACE阻害剤はAPPというタンパク質からアミロイドβ(というタンパク質)が生成されるプロセスを阻害するものです。

 

カフェストでも何度か取り上げているアルツハイマー病予防のためのリコード法の説明では、AAP(注:アミロイド前駆体タンパクという意味、つまり、アミロイドβの素になるタンパクという意味)についても言及されています。

 

それによれば、
APPは3か所で切断される場合と1か所で切断される場合の2つの場合があります。
APPが3か所で切断されたときの4つの断片の1つがアミロイドβです。そして、この4つの断片は脳の神経細胞を破壊していきます。
一方、1か所で切断され2つの断片ができたときは神経細胞を維持し、成長させます

 

APP切断数 脳の神経細胞
3つ 破壊
(アルツハイマー病進行)
1つ 維持
(アルツハイマー病抑制)

 

リコード法を提唱するブレデセン教授は次のように言っています。

 

アルツハイマー病のリスクを減らすには、アルツハイマー病の原因となる、人組を最小にし、アルツハイマー病を防ぐ人組を最大限にしなくてはならない。言うまでもなく、ただ念じれば二人組が増えるわけではない。だが、リコード法を実践すれば、実現できる。

 

 

そして、プレデセン教授は、APPがアルツハイマー病を引き起こすのに少なくとも36の異なる原因が特定されたと言っています。認知症薬に関してはは36個の原因のうちの数個に対応するに止まり、限界があると言われています。

 

グリア細胞に狙いを定めた薬と、上記のリコード法に基づく説明とはどのような関係にあるでしょうか?グリア細胞に狙いを定めた薬は、生成されたアミロイドβを除去してくるもののようですが、記事を見る限りは、APPの切断数の違いに起因する、脳の神経細胞を破壊する側に向かうのか、維持・成長する側に向かうのかというバランスに関わるものではないように思われます。

コメント3―認知症薬と認知症対応の最新動向―

本年6月、厚生労働省より「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))について」(←リンクあり)の通知が出されました。

 

医薬品の適正使用に関する指針ということですが、非薬物的対応の重要性という項目が設けられ、生活習慣の改善、環境調整、ケアの工夫の重要性が指摘されている点が大事な点ではないかと思います。

 

高齢者は、薬物有害事象によって、ふらつき、転倒、食欲低下、便秘、抑うつ、認知機能低下といった老年症候群が生じることがあり、そのリスク回避のためにも、薬物療法に先んじて患者の状態に応じた実施可能な手段を講じることが推奨される。

 

認知症の高齢者に対しても、「緊急対応が求められる場合を除き、まずは非薬物的対応を行うことが望ましい」と指摘されています。

 

魔法の薬はさすがになく、「長期間服用しても状態の改善が認められない場合は、非薬物的対応への切り替えを検討する」と指摘されていますが、その一方で「非薬物的対応では効果が不十分又はそれらの実施が困難と考えられた場合、薬物療法への切り替えを検討する」とも指摘されています。

 

これらから浮かび上がるのは、認知症薬と、(薬に頼らない)生活習慣の改善、環境調整、ケアの工夫などの非薬物的な認知症対応の適切な併用や切り替えが標準と考えられていることではないかと思います。

コメント4―ブレデセン教授の言葉「薬はデザート」とまとめ―

リコード法を提唱したブレデセン教授の以下の言葉も、この考え方―薬と薬以外の対応の併用、切り替え―に沿っていると思います。

今から20~30年前に、仮に誰かが私に「神経学の研究者として、瞑想、ヨガ、笑うこと、音楽、喜び、絶食、運動、ハーブ、栄養、睡眠を含めたプロトコルをあなたは推奨しているだろう」と言ったら、一笑に付していただろう。

 

アルツハイマー病への鍵となる一個の特異的分子を最終的に特定することを目指していたブレデセン教授が20~30年後にアルツハイマー病予防の鍵として語るようになったのは、笑うことであり、音楽であり、喜びなどであるということです。
薬に対しては「デザートであってメインディッシュではない」と言われ、薬剤の試験も「薬+リコード法」を組み合わせた効果の検討が最善ではないかという趣旨のことを言われています。

 

偏りなく、認知症薬と(薬以外の)生活習慣の改善、環境調整、ケアの工夫などを組み合わせて、対応を考えていくことの重要性が繰り返し説かれていると思います。

 

(文:星野 周也)

 

 

 

☆☆イベント情報☆☆ てんのうだいおれんじカフェ(7/24、我孫子)

 

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのマツです。
地域での認知症関連のイベント情報をご案内します。

 

千葉県我孫子で開催される『てんのうだいおれんじカフェ』のご案内です。「みんなで地域を支え合える住みよいまち作り」がこのオレンジカフェのコンセプトです。毎月第4水曜日に開催しています。

 

 

 

てんのうだい おれんじカフェ

 

開催日
令和元年7月24日(水) 17時~20時
講話:17時15分~18時30分
食事:18時30分~
場所
セントケア我孫子デイサービス(千葉県我孫子市天王台4-5-1 シャトー天王台1F)
内容
ロコモシンドロームを予防しよう!
講師
匠グループ 鍼灸あんまマッサージ師 轟 幸治 氏
料金
実費(軽食・飲み物代500円)
持ち物
上履き

 

どなたでもお気軽にお立ち寄りください!
お好きな時間に、お一人でも、グループでもお気軽にご参加ください。
(18時半~食事会)

問い合わせ先

田中/090-3427-7466
セントケア我孫子デイサービス/04-7181-7580

 

 

 

 

おばあちゃん、どうしたの?

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのUです。

おばあちゃん どうしたの?

毎回、本稿のネタ探しに苦労しておりますが、おかげで面白い記事やサイトに出会い私自身の勉強にもなっているなと、感じております。
今日は、その中から、
社団法人:認知症の人と家族の会の子供向けサイト「おばあちゃん どうしたの?」 を取り上げます。

子どもの頃から認知症について理解する

認知症について、とてもわかりやすく解説されています。
筆者(おとな)が見ても勉強になりました。

 

子供たちに認知症について理解してもらうのは、なかなか大変なことです。しかし、小さい頃に理解しておくことは、超高齢社会がますます進展し、認知症の人と共に生きることが特別なことではなく当たり前のことになる社会へ変化を遂げていく上で大切なことではないでしょうか。

 

☆☆イベント情報☆☆ やさか町オレンジカフェ(7/20)

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのマツです。

 

地域での認知症関連のイベント情報

今回は『やさか町オレンジカフェ』のご案内です。
このカフェは認知症の人や介護をするご家族の居場所となるとともに、医療・介護の専門職と、お茶を飲みながらお悩み事などのご相談に応じます。

 

 

 

やさか町オレンジカフェ

 

開催日
7月20日(土) 13時30分~15時30分
場所
セントケア八坂東 小規模多機能
静岡県静岡市清水区八坂東二丁目7-1
内容
『懐かしの歌声』と懇談
料金
無料(飲み物付き)
どなたでもお気軽にお立ち寄りください!

問い合わせ先

セントケア八坂東(TEL: 054-371-5960)

 

 

科学的介護 ~ 認知症分野も重要領域

 

社内を見まわしまして、国の政策動向に詳しい I(アイ)に助っ人として臨時で今回の記事を書いてもらいました。

科学的裏付けに基づく介護の検討

政府の検討会で「科学的裏付けに基づく介護」の議論が進んでいます。

 

介護保険の制度化以降、利用者のニーズに対応した多様な介護サービスが提供されるようになっていますが、ケアの標準化やアウトカムの客観性、さらには科学的な検証が十分ではないとも言われています。

 

他方、人工知能も含めた情報通信分野の昨今の目覚ましい技術進歩は、医療や介護の世界にも大きな革新をもたらすことが期待されています。

「認知症」も重要領域の一つ

こうした中、介護サービスのエビデンスの蓄積やその質の向上に利活用できるデータベースの構築が検討されています。

その中で議論されているデータ収集項目をみると、介護分野の全般領域とともに、「口腔」や「栄養」に並んで「認知症」も重要領域になっています。

介護現場での負担をできるだけ抑えながら信頼できるデータを収集するためのモデル事業も併せて進められるようです。

幅広く利用できるデータプラットフォームへの発展を期待

ケアの世界はデジタルに還元しがたい面があるだけでなく、実務的にもまだまだ乗り越えるべき課題もあるようですが、2020年度からの運用開始を目指しています。

 

医療と介護のレセプト情報の連結が可能になるなど、医療介護分野のデータ利活用基盤の改善も進みつつありますが、この新しいデータベースが、将来、研究だけでなく、介護サービスの質の評価や向上等のために幅広くビジネスにも利用できるデータプラットフォームに発展していくことを願っています。(I)

 

 

眼の検査が認知症のリスクを明らかにできるか?―ハーバードメディカルスクールのブログから―

 

ハーバードメディカルスクールのブログから、「眼の検査が認知症のリスクを明らかにできるか?」と題する発信がありましたので、共有します。

原文へのリンク

Can an eye exam reveal Alzheimer’s risk? | ハーバードメディカルスクール

ブログの要旨

 

1.眼の病気のうち、緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症は認知症のリスクと結びついている。

2.これらの3つの病気、アルツハイマー病、認知症には共有の要因がある。それは心血管疾患である。

3.一方、白内障と認知症のリスクとの間に明確な結びつきはない。

 

1.に関連してこのブログでは、1994年から始まる5,400人に対する長期の追跡調査のデータのうち、3,800人の対象者を眼の病気のある人とない人に分けて比較したときに、調査開始時点で緑内障(加齢黄斑変性、糖尿病網膜症)のあった人はそうでない人に比べ追跡期間中に認知症になる割合が高かったという結果が紹介されている。

認知症のリスクと結びついている3つの眼の病気

①緑内障

眼圧が高まり、失明につながる。高血圧、糖尿病、血行不良と関連が見られる。

 

②加齢黄斑変性

網膜の中心部にある黄斑が壊れていく。黄斑には物をくっきりと見る(解像度良く、物を見る)ことができる機能がある。加齢黄斑変性は心臓病と関連が見られる。

 

③糖尿病網膜症

糖尿病の人では高血糖の状態が網膜の血管にダメージを与える。糖尿病と心血管の問題には強い関連が見られる。

 

 

一方、白内障目の中でレンズの役割をしている水晶体が白く濁ってくる病気です。加齢に伴い発症しやすいですが、上記の3つの眼の病気と異なり、心血管疾患、アルツハイマー病、その他の認知症のリスクが高まるわけではないようです。

ブログでのまとめ

 

・現状は、眼の検査は眼の病気の早期発見に役立つと言えるに留まる。眼の検査が将来の認知症を予測し、認知症を予防することにつながるかと言えば現時点ではまだそうだとは言えない。

 

・アルツハイマー病やその他の認知症の予防に効くと唯一知られている方法は心血管疾患(注:繰り返しになるが、このブログで緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症と関連ありとされている)を予防することである。

 

・心臓や脳の発作を予防するために良いことが認知症予防につながる。つまり、高血糖や高コレステロールを治療する、健康的な食事をする、十分な睡眠をとる、定期的な運動をすることは認知症予防につながる。

 

 

編集スタッフSによるコメント―心臓に良いことは眼にも良いこと!?―

緑内障、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症が心血管疾患と関連しているが、白内障はそうではないというのは興味深い知見と思います。

 

もっとも、心血管疾患の予防法として挙げられているものはカフェストの読者の皆様におかれては当たり前のことで、いつもの結論と思われるかもしれません。しかし、繰り返して確認すべき重要事項なのではないかと思います。

 

本年5月にWHOが認知症予防に関する新しいガイドラインを出しました。そのニュースリリース(←リンクあり)では「心臓に良いことが脳にも良いことだ(what is good for our heart, is also good for our brain)」と述べられています。この趣旨のことは今回紹介したブログでも述べられていることです。
心血管疾患と眼の病気との関連が明らかになってきていることを踏まえるならば、さらに「心臓に良いことが眼にも良いことだ」と言えるのではないかと思います。

 

(文:星野 周也)

 

☆☆イベント情報☆☆ オレンジカフェふじみん(7/10、ふじみ野)

 

 

こんにちは、認知症Cafést Online編集スタッフのSです。
ここでは地域での認知症関連のイベント情報をご案内します。

 

今回は『オレンジカフェふじみん』(埼玉県ふじみ野市)のご案内です。

 

 

おれんじカフェふじみん

 

開催日
7月10日(水) 14時~16時
場所
福祉の街 グループホーム鶴ケ岡(埼玉県ふじみ野市鶴ケ岡3-19-84)
料金
100円~200円
問い合わせ先
高齢者あんしん相談センターつるがまい(TEL:049-256-6061)
注:高齢者あんしん相談センターはふじみ野市での地域包括支援センターの名称です。

 

どなたでもお気軽にお立ち寄りください!

 

オレンジカフェふじみんは、認知症になっても住み慣れた地域で安心して過ごせるよう、認知症の方やその家族、地域住民などが集い、交流する場です。
コーヒーやお茶を楽しみながら、日々の悩みを相談したり、顔なじみの関係を築きながら、気軽に安心して過ごせる場所を一緒につくっています。

 

是非一度、足を運んでいただければ幸いです。

 

 

毎日楽しく、認知症予防♪だんだんダンスのご紹介!

 

こんにちは!編集スタッフのmimiです。
本日は、mimiの敬愛する、歩き方コンサルタント・篠田先生(しのちゃん先生)が取り組んでおられる認知症予防ダンスをご紹介します。

 

※篠田先生のHPはこちら

モデルやコンテストの指導、男性や子供・シニアの方の指導、介護業界での身体づくりの経験など、老若男女のべ9000人以上を指導・支援されてきた、美しくユーモアあふれた素敵な先生です!

だんだんダンス

その名は『だんだんダンス
「だんだん」とは島根弁で、「ありがとう」をあらわす言葉。
感謝の心があふれ出すダンスで、認知症を予防する意を込めているそうです。

 

テンポのよい音楽に合わせて踊る5分ほどのダンス。
一見簡単な動きに見えて、大きく手足を動かしたり、足踏みをしたり、途中で「5になるには~?」という掛け声とともに計算問題が出されたり、「わっはっは~」と大声で笑いあったり・・・体も頭も使う、使う!
そしてインストラクターの方の満開の笑顔と、美しい動きに、気分も上がります♪

 

〇どんなもの?

「だんだんダンス」は、脳の活性を最大化し、認知症を予防する新しいダンスです。
スタンダード版とリハビリ版の2種類あります。

 

スタンダード版は筑波大学人間総合科学研究科 久野譜也教授との協働で創作された、有酸素運動+筋トレ+脳トレを組み合わせたダンス。
リハビリ版は、東京工科大学作業療法科 安倍あき子教授との協働で、日常生活動作+五感刺激+喜怒哀楽の3つの要素を基に開発されたダンス。

 

どちらのバージョンも、毎日楽しく続けられる上に、認知症予防効果が実証されていることが特徴です。

 

〇どこで踊れるの?

杉並区成田東にある「NPO法人ケア・センターやわらぎ」(最寄り駅:東京メトロ東西線阿佐ヶ谷駅)で月1回ダンス講座が開かれています。
そちらではダンスを習うだけでなく、ほかの方に教えることのできる「せんせい」になれるコースもあるそうです。

なかなか阿佐ヶ谷まで行くのは大変・・・という方には、YouTube動画がUPされていますので、ぜひ、お家で、職場で、施設で、一緒に踊りましょう♪